ライン チャートを使用して、時間や距離など、連続的な範囲での変化を視覚化できます。ライン チャートを使用して変化を視覚化すると、全体的な傾向を直ちに表示したり、複数の傾向を同時に比較することができます。
変数
ライン チャートは、X 軸上の連続する [日付] または [数値]、および Y 軸上の関連する数値で構成されます。
ライン チャートの X 軸は時間や距離などの連続する変数を表示し、連続する時間や距離間隔の値の変化を視覚化するラインが描画されます。各間隔は、Y 軸で測定された数値に対応するポイントで記されます。
X 軸に数値フィールドが選択され、各数値がテーブル内で 1 回だけ現れる場合は、集約は不要ですが [数値フィールド] は指定する必要があります。
X 軸に日付フィールドを選択すると、日付は時間間隔にビン化、または集約されます。日付フィールドまたは集約された数値フィールドを使用してライン チャートを描画する場合は、データをまとめる方法を指定するため、[集約] 方法を選択する必要があります。
[数値フィールド] が指定されない場合、チャートは Count 集約方法を使用します。これは、時間間隔や距離間隔に出現するレコードの数を合計します。たとえば、犯罪事件のデータセットでは、日付フィールドは [集約] 方法として Count が指定され、2 週間間隔にビン化されています。結果として生成されるチャートは 2 週間間隔のマーカーを表示します。このマーカーは、その 2 週間に発生した犯罪の件数を表します。
[数値フィールド] が指定されている場合、集約方法は次のいずれかを指定できます。
- 合計値
- 平均値
- 中央値
時間集約オプション
時間集約、またはビン化は、日付フィールドが X 軸に選択されると自動的に行われます。間隔サイズと、ビン化に適用される関連設定は、複数のオプションによってコントロールされます。
間隔サイズ
時間データが、X 軸に沿った時間間隔にビン化されます。デフォルトの間隔サイズは、データセットの時間範囲に基づいて選択され、[間隔サイズ] を使用して手動で変更できます。
空のビン
データセットの密度およびビン化で選択される時間間隔サイズによっては、データを含まないビンが存在する場合があります。データがないことが本当にゼロの値を表している場合、空のビンはゼロとして扱われます (たとえば、5 月に病気が報告されなかった、1 週間にわたって雨が収集されなかったなど)。収集されなかったためにデータが存在しないビンにゼロを割り当てるのは不適切です (たとえば、温度計から読み取らないことは、温度がゼロだったことを意味しません)。
空のビンを処理する場合、使用可能な 3 つのオプションがあります。
- ゼロとして扱う ([ゼロとして処理]) - インシデントをカウントする場合に最も適しています (インシデントがカウントされないということは、発生したインシデントがゼロであるということを意味します)。
- 隣接する値を内挿する ([ラインの接続]) - 空白ビンの両側にあるビンの間のラインを接続することで、Null 値を視覚的に内挿することができます。
- ラインを分割する ([ラインの切断]) - 空白のビンが配置される場所に空白のスペースを置きます。
間隔の調整
時間間隔を、最初のデータ ポイントまたは最後のデータ ポイントに揃えることができます。
[最初のデータ ポイントから配列]ビン化を最も古い日付から開始し、前方に進みます。
[最後のデータ ポイントから配列] ビン化を最も新しい日付から開始し、後方に進みます。
最後に作成されたビンが部分的に空になる可能性があるため、これを検討することは重要です。部分的に空のビンは、実際にはそのビンの範囲内でデータ収集が開始または終了された場合に、その時間内で値やカウントの低下が発生しているという誤った印象を与える可能性があります。ビンの偏りを防ぐには、[不完全な間隔の切詰め] オプションをオンにします。これによって、部分的に満たされたビンを視覚化から除外します。
複数のシリーズ
複数のラインまたはシリーズを同じチャート上で視覚化すると、傾向を比較できます。
複数シリーズのライン チャートは、複数の [数値フィールド] を追加するか、[分割] カテゴリ フィールドを設定することで作成されます。
複数の [数値フィールド] を追加すると、各数値フィールドの変化を視覚化するラインが 1 本描画されます。たとえば、犯罪事件のデータセットでは、日付フィールドは [集約] 方法として Sum、2 つの [数値フィールド] (PropertyLoss と TotalDamage) が指定され、2 週間間隔にビン化されています。その結果のチャートには、PropertyLoss の合計を表すラインと、TotalDamage の合計を表すラインが、2 週間間隔で表示されます。
カテゴリ フィールドを使用し、ライン チャートを複数シリーズに分割できます。たとえば、犯罪事件のデータセットでは、日付フィールドは [集約] 方法として [総数] が指定されて 2 週間間隔にビン化され、[分割] には CrimeType が選択されています。[シリーズ] テーブルには、一意の CrimeType (盗難、公共物破壊、放火) が反映され、結果として生成されるチャートには 3 本のラインが示されます。それぞれのラインは、その 2 週間に発生した各種の犯罪の合計件数を表します。
メモ:
[分割] カテゴリは、複数の [数値フィールド] を追加したときには適用できません。
メモ:
一意の値を数多く含むカテゴリ フィールドは、複数のシリーズへの分割には適していません。
軸
Y 軸範囲
デフォルトの Y 軸範囲の最大値と最小値は、軸上に表示されるデータ値の範囲に基づいて設定されます。これらの値をカスタマイズするには、新しい目的の軸範囲値を入力します。リセット アイコンをクリックすると、軸範囲がデフォルト値に戻ります。軸の範囲を設定すると、チャートの縮尺を一定に保つことができ、値を比較する際に役立ちます。リセット アイコンをクリックすると、軸範囲がデフォルト値に戻ります。
Log 軸
デフォルトでは、ライン チャート軸は線形スケール上にあります。[チャート プロパティ] ウィンドウの [軸] タブにある [Log 軸] チェックボックスをオンにすると、数値 (日付以外) 軸を対数スケールで表示できます。
対数スケールは、大部分のデータ ポイントに小さな値があり、いくつかのデータ ポイントに非常に大きい値がある場合、大きく正に偏ったデータを視覚化するときに便利です。軸のスケールを変更してもデータの値は変わらず、表示方法のみが変わります。
線形スケールは加算に基づき、対数スケールは乗算に基づきます。
線形スケールでは、軸上の各増分は値における等距離を表します。たとえば、以下の軸ダイアグラムでは、軸上の各増分は 10 ずつ加算して増えます。
対数スケールでは、増分は大きさで増加します。以下の軸ダイアグラムでは、軸上の各増分は 10 ずつ乗算して増えます。
メモ:
対数スケールは、負の値または 0 を表示しません。負の値または 0 がある変数の軸を記録する場合、これらの値はチャートには表示されません。
数値形式
数値形式のカテゴリを指定するか、カスタム形式の文字列を定義して、軸が数値を表示する方法を書式設定できます。たとえば、「$#,###」は通貨の値を表示するカスタム形式の文字列として使用できます。
表示設定
タイトルと説明
チャートおよび軸には、変数名およびチャート タイプに基づいてデフォルトのタイトルが与えられます。これらのタイトルは、[チャート プロパティ] ウィンドウの [一般] タブで編集できます。[説明] にチャートの説明 ([チャート] ウィンドウの下部に表示される一連のテキスト) を入力することもできます。
色
ラインの色を変更するには、[チャート プロパティ] ウィンドウの [シリーズ] タブで、[シリーズ] テーブルの [シンボル] カラー パッチをクリックし、新しい色を選択します。
データ ラベル
各データ ポイントの値を表示するラベルは、[チャート プロパティ] ウィンドウの [データ] タブの [ラインにラベル付け] チェックボックスをオンにすると表示されます。
方向
ラインを垂直方向に描画するには、チャート ウィンドウにある [チャートの回転] ボタン をクリックします。
ガイド
参照または重要な値をハイライト表示する方法として、ガイドのラインまたは範囲を追加できます。新しいガイドを追加するには、[チャート プロパティ] ウィンドウの [ガイド] タブに移動し、垂直または水平ガイドを描画するかどうかを選択して、[ガイドの追加] をクリックします。ラインを描画するには、ラインを描画したい [値] を入力します。範囲を作成するには、幅の値を入力します。[ラベル] を指定して、ガイドにテキストを追加することもできます。
例
2007 年~2010 年のネーパービルでの火災の傾向を視覚化するライン チャートを作成します。
- 日付または数値 - 日付
- 集約 - カウント
- 時間間隔サイズ - 3 か月
- 数値フィールド - <空白>
- 分割 - 時間帯