空間解析により、複雑な位置-方向付け問題を解決したり、パターンを見つけたり、傾向を評価したり、意思決定を下したりすることができます。空間解析により、マッピングを超えて、場所の特性および場所間の関係を調査することができます。空間解析により意思決定に繋がる視点を得ることができます。
空間解析を使用して、ユーザーは多くのソースの情報を組み合わせて使用したり、一連の空間演算子を適用して新しい情報を導き出せたりします。空間解析ツールのコレクションにより、複雑な空間的な質問に答えることができます。空間解析により、表示されているパターンが重要であるかどうかを判断することができます。さまざまなレイヤーを解析して、特定のアクティビティに対する場所の適合性を計算したり、画像解析を使用して、時間に伴う変化を検出したりできます。これらのツールにより、単純な視覚的分析では解決できない重要な問題および意思決定に対処できます。
空間解析を使用して、次の操作を行うことができます。
- リレーションシップの確認
- 場所とイベントの理解と説明
- パターンの検出と定量化
- 予測の確立
- 最適な場所と経路の検索
ArcGIS Pro の解析およびジオプロセシング機能を使用することで、多くの空間的質問に回答し、空間解析を実行できます。空間解析を実行するには、最初に質問を組み立てます。次に、データを準備して解析します。最後に、結果を視覚化して伝達します。ArcGIS Pro の空間解析は 2D から 3D まで対応し、時間経過を含めることができます。
空間解析
ArcGIS Pro のジオプロセシング ツールを使用すると、地理データに対して次の種類の操作を実行できます。
- データの抽出とオーバーレイ
- 属性フィールドの追加および計算
- データの集約
- 統計情報の計算
- リレーションシップのモデル化とパターンの発見
モデリングとスクリプト作成
繰り返し作業にかかる時間を節約し、エラーを最小化して、解析の反復を効率化します。モデルと空間アルゴリズムを連結して 1 つのプロセスにすることで、エンドツーエンドのワークフローを作成します。ModelBuilder を使用してスクリプトを 1 行も作成せずに完全機能のモデルを構築するか、Python を使用してワークフローをスクリプト化し、すぐに共有できるモデルを作成します。
ArcGIS Pro に特定の質問に回答するツールが含まれていない場合は、カスタム ツールを作成できます。Python パッケージ マネージャーを使用して、サードパーティ製のライブラリを ArcGIS Pro に追加します。
チャートによる視覚化
チャートを使用してデータを視覚化すると、テーブル上の数字を見ただけでは理解することが難しいデータのパターン、傾向、関係性、構造が明らかになります。チャートを使用して、解析の結果を解釈し、調査結果を伝達します。
解析エクステンション
ArcGIS Pro には、専門的な空間的質問への回答に役立つ、以下の解析エクステンションが含まれています。
- 3D Analyst - ラスター、TIN、テレイン、および LAS データセット (LIDAR) を使用して、3D GIS データの解析および作成を行い、3D サーフェス操作を実行します。
- Business Analyst - 顧客と競合店の解析、サイト評価、テリトリー計画などの市場動向を解析します。
- Geostatistical Analyst - 空間または時空間的な現象に関連する値を解析および予測します。
- Image Analyst - 機械学習を使用して画像を解釈して活用し、フィーチャの抽出と測定を実行し、分類とオブジェクト検出を行います。
- Network Analyst - ネットワークに沿った距離と移動時間を測定することで、複数の場所間のルートを検索したり、運転時間バッファーや到達圏を作成したり、一連の地点にサービスを提供する施設向けに最適なロケーションを探したりすることができます。
- Spatial Analyst - ラスター データの内挿、オーバーレイ、距離測定、密度、水文のモデル化、サイトの適合性検証、およびセルに基づく演算および統計を実行します。
共有および共同作業
解析手法や ArcGIS Pro で解析したデータを、ジオプロセシング パッケージまたは Web ツールとして、同僚、組織、またはコミュニティと共有できます。これらの共有された解析ツールを使用することで、空間解析を自ら実行しながら、解析の専門知識を活用できます。
ビッグ データ解析
BDC (Big Data Connection) を使うと、データ ソースへすばやく接続してサイズの大きいデータセットを可視化したり解析したりできます。BDC はデータやデータのフォーマットを操作する際の機能や柔軟性を提供します。BDC データセットをジオプロセシング ツールへの入力として使用し、マップ上でデータを視覚化できます。
機械学習と人工知能
ArcGIS で機械学習を使用して、画像分類を実行したり、クラスタリングを使用してデータに情報を付加したり、空間リレーションシップをモデル化したりできます。機械学習は、問題を解くためにアルゴリズムを使用して構造化データが処理される、人工知能の一分野です。従来の構造化データでは、アルゴリズム内で動物の種類ごとに特定の特徴を理解し、他の写真でその動物の識別に使用できるように、人が猫や犬の写真などのデータにラベルを付ける必要があります。