Oracle 内で、sde ユーザー以外のユーザーのスキーマに格納されたジオデータベースは、必要な機能を完全には備えていません。ユーザー定義タイプなどいくつかの機能は、マスター sde ジオデータベースにのみ備わっています。このため、ユーザーのスキーマ内のジオデータベースを独立した存在として扱うことはできず、次のルールが適用されます。
- ユーザーのスキーマ内にあるジオデータベースをアップグレードするには、その前にマスター sde ジオデータベースをアップグレードする必要があります。
- 他のユーザーのスキーマ内にあるジオデータベースをアップグレードしなくても、マスター sde ジオデータベースをアップグレードできますが、マスター sde ジオデータベースをアップグレードせずにユーザーのジオデータベースをアップグレードすることはできません。
- ユーザーのスキーマのみのバックアップを作成しても、完全なジオデータベースにはなりません。マスター sde ジオデータベースにはユーザー定義タイプなどの従属オブジェクトが存在し、これもバックアップに含める必要があります。
- ArcGIS Pro でジオデータベースをアップグレードする場合、ジオデータベースのバージョンには、ArcGIS Enterprise および ArcMap のバージョン番号と ArcGIS Pro のバージョン番号の両方が含まれています。たとえば、ArcGIS Pro 2.4 を使用してマスター ジオデータベースをアップグレードする場合、マスター ジオデータベースのバージョンは 10.7.1.2.4 になります。このマスター ジオデータベースでユーザースキーマ ジオデータベースをアップグレードする場合、ArcGIS Pro 2.4 も使用する必要があります。