データベース管理システムまたは SQL ツールを使用してデータベースでクエリを実行する際には、ジオデータベース データセット テーブルが表示されます。1 つのデータセットを構成するすべてのテーブルは、そのデータセットを作成したデータベース ユーザーのスキーマに格納されます。
これらのテーブルは、エンタープライズ ジオデータベースでサポートされているデータセット タイプごとに作成されるもので、この場合、ユーザーが確認できるようにリスト表示されます。これらのテーブルを変更するには SQL を使用する必要があります。
フィーチャ データセット
フィーチャ データセットは、ネットワークやトポロジなど、特定のジオデータベース データセット タイプの実装を可能にするオブジェクトです。フィーチャ データセットはデータベース内の個別のテーブルではなく、フィーチャクラスとコントローラー (エクステンション) データセットの論理的なコレクションであり、共通の ID によってグループ化されます。この ID は GDB_ITEMS システム テーブルに維持されます。各フィーチャクラスは GDB_ITEMRELATIONSHIPS システム テーブルを通じてフィーチャ データセットの一部として識別されます。
ネットワーク データセット
ネットワーク データセットは、接続性リレーションシップを持つフィーチャクラスのコレクションです。ネットワーク データセットは、道路中心線などのエッジ フィーチャ ソース、踏切を含むポイント フィーチャクラスなどのジャンクション フィーチャ ソース、およびターン フィーチャ ソースの 3 種類のソースに基づいて作成されます。ネットワーク データセットは交通網をモデリングするために使用されます。
ネットワーク データセットは ArcGIS Pro で作成および更新できませんが、表示できます。
ネットワーク データセット情報は次のテーブルに格納されます。最初の 6 つのテーブルの ID は論理ネットワーク ID です。最後の 2 つのテーブルに含まれる itemID は GDB_ITEMS システム テーブルにあるネットワークのオブジェクト ID です。
- N_<ID>_DESC
- N_<ID>_EDGEWEIGHT
- N_<ID>_JUNCTIONWEIGHT
- N_<ID>_PROPS
- N_<ID>_TOPOLOGY
- N_<ID>_TURNWEIGHT
- ND_<ITEMID>_DIRTYAREAS
- ND_<ITEMID>_DIRTYOBJECTS
ユーティリティ ネットワーク
ユーティリティ ネットワークはエンタープライズ ジオデータベース内の相互に関連する一連のテーブルであり、電気、ガス、水道、雨水、廃水、通信などのユーティリティ システムをモデル化するためのフレームワークを提供します。
ArcGIS Pro を使用してエンタープライズ ジオデータベース内にユーティリティ ネットワークを作成し、ArcGIS GIS Server ポータルとフェデレートされた ArcGIS Enterprise サイトに公開します。ポータルの他のメンバーはジオデータベース内のレイヤーではなくポータル アイテムを介してユーティリティ ネットワークを操作します。
ユーティリティ ネットワークを構成するテーブルを次に示します。一部のテーブルは、そのテーブルが存在しないと実行できない操作の初回実行時に生成されます。テーブル名の ID は GDB_ITEMS システム テーブルにある oid 値です。
- UN_<ID>_AGGREGATIONS
- UN_<ID>_ASSOCIATIONS
- UN_<ID>_ATTRIBUTEOVERRIDES
- UN_<ID>_CONNECTIVITYOVERRIDES
- UN_<ID>_CONTAINERS
- UN_<ID>_DIAGRAMS
- UN_<ID>_DIRTYAREAS
- UN_<ID>_EDGEWEIGHTS
- UN_<ID>_EDGES
- UN_<ID>_EIDMAPPINGS
- UN_<ID>_ELEMENTASSOCIATIONS
- UN_<ID>_JUNCTIONWEIGHTS
- UN_<ID>_JUNCTIONS
- UN_<ID>_LINEERRORS
- UN_<ID>_POINTERRORS
- UN_<ID>_POLYGONERRORS
- UN_<ID>_PROPS
- UN_<ID>_RELATIONS
- UN_<ID>_RULES
- UN_<ID>_SUBNETWORKS
- UN_<ID>_SYSTEMJUNCTIONS
- UN_<ID>_TEMPLATES
- UN_<ID>_TMPAGGREGATIONS
- UN_<ID>_TMPCONTAINERS
- UN_<ID>_TMPDIAGRAMS
- UN_<ID>_TMPEDGES
- UN_<ID>_TMPJUNCTIONS
- UN_<ID>_TMPRELATIONS
- UN_<ID>_TOPOLOGY
- UN_<ID>_WEIGHTDEFS
モザイク データセット
画像 (ディスク上に格納される) に関する情報を格納する複数のテーブルが、モザイク データセットを実装するために使用されます。テーブル内のプロパティとルールのセットにより、画像データのリアルタイムのモザイク ビューが定義されます。
モザイク データセットには最大 12 のテーブルが存在します。一部のテーブルは、そのテーブルが存在しないと実行できない操作の初回実行時に生成されます。参照されるモザイク データセットには、2 つのテーブル (BND テーブル、LOG テーブル) のみが存在します。次に、これらのテーブルを示します。
- AMD_<NAME>_ANA
- AMD_<NAME>_ART
- AMD_<NAME>_BND
- AMD_<NAME>_CAT
- AMD_<NAME>_CCA
- AMD_<NAME>_CHE
- AMD_<NAME>_CSL
- AMD_<NAME>_LOG
- AMD_<NAME>_OVR
- AMD_<NAME>_SML
- AMD_<NAME>_STR
- AMD_<NAME>_STS
ラスター データセット
ラスター データは、同じサイズのセルの行と列の配列として表される空間データです。ラスター データは 1 つ以上のラスター バンドで構成されます。ラスター データセットを作成またはインポートすると、ベース テーブルがデータベース内に作成されるときに、ラスター列がそのベース テーブルに追加されます。ラスター列の各セルには、別のラスター テーブルに格納されたラスターへの参照が含まれます。
ラスター データセットごとに、属性、ラスター列、およびラスターのフットプリント (エリア) を格納するベース テーブルがあります。
ラスター画像およびプロパティは次のテーブルに格納されます。
- SDE_aux_<raster_column_ID>
- SDE_blk_<raster_column_ID>
- SDE_bnd_<raster_column_ID>
- SDE_ras_<raster_column_ID>
- SDE_VAT_<raster_column_ID> - ラスター データセットのラスター セル値の属性を定義するオプションのテーブル。
ツールボックス
ツールボックスには、ジオプロセシング ツールおよびスクリプトが格納されます。ジオデータベースにツールボックスを作成して、頻繁に使用するシステム ジオプロセシング ツールおよび作成するカスタム スクリプトを格納できます。
ツールボックスごとに 1 つのテーブルが存在します。テーブル名はツールボックスの名前に対応しています。