このセクションでは、ネットワーク ダイアグラムを操作する場合の通常のワークフローを詳しく説明します。ネットワーク ダイアグラムを編集する権限のあるプロファイルを持つユーザーを対象としています。
このトピックでは、補足的な概念をいくつか紹介します。
エンタープライズ ジオデータベースのユーティリティ ネットワークを操作する際のデータベースおよびポータル所有者の権限
エンタープライズ ジオデータベースのユーティリティ ネットワークを操作する場合、データベース ユーティリティ ネットワーク所有者は、ユーティリティ ネットワーク ルールの設定、サブネットワークの定義付けなどの権限を有する唯一のユーザーです。さらに、接続されたポータル アカウントは、ダイアグラム テンプレート構成タスクの実行中はポータル ユーティリティ ネットワーク所有者である必要があります。ネットワーク ダイアグラムとダイアグラム テンプレートに関して、ユーティリティ ネットワークのポータルおよびデータベース所有者には専用の権限がいくつかあります。
ネットワーク ダイアグラムとデフォルト バージョン
エンタープライズ ジオデータベース内のユーティリティ ネットワークを操作する場合、通常のワークフローは、デフォルト バージョンに基づく子バージョンの作成を伴い、作成された子バージョンで実行されます。
いずれの場合でも、デフォルト バージョンが保護されている場合、接続された標準のポータル プロファイルに他の選択肢はありません。つまり、ダイアグラムを生成して編集する前に、新しいバージョンを作成し、そのバージョンに変更を加える必要があります。
保護されたデフォルト バージョンに対して変更を行える、接続されたポータル プロファイルは、ポータル ユーティリティ ネットワーク所有者と管理権限を持つユーザーだけです。
ダイアグラムの削除
格納されたダイアグラムに関して、接続された標準のポータル プロファイルは、自分が所有しているダイアグラムや、他のユーザーが作成した公開ダイアグラムを削除できます。ポータル ユーティリティ ネットワーク所有者は、サブネットワーク システム ダイアグラムなど、データベース内のダイアグラムを削除する資格のあるただ 1 つのプロファイルであるため、これらのダイアグラムを削除することができます。
ユーザーがダイアグラムを生成するごとに、一時的なダイアグラムが作成されます。この一時的なダイアグラムは、保存されているか破棄されているかに関係なく、またユーザーがアクセスできなくなっている場合でも、一時的なダイアグラム テーブル内にまだ存在しています。このダイアグラムのデータセットを消去してデータベースのサイズを縮小するために、[一時的なダイアグラムの消去 (Purge Temporary Diagrams)] ツールを定期的に実行することをお勧めします。この操作は、ユーティリティ ネットワークのポータル所有者のみが実行できます。さらに、データベース ユーティリティ ネットワーク所有者の認証情報を使用し、デフォルト バージョンに接続するデータベース コネクションの *.sde ファイルを通じて実行する必要があります。
ダイアグラム テンプレートの構成
エンタープライズ ジオデータベースのユーティリティ ネットワークを操作する場合、ポータル ユーティリティ ネットワーク所有者は、ダイアグラム テンプレートの作成および編集を実行する権限を有する唯一のユーザーです。さらに、データベース ユーティリティ ネットワーク所有者の認証情報を使用し、デフォルト バージョンに接続するデータベース コネクションの *.sde ファイルを通じて実行する必要があります。
履歴モーメントの操作
ユーティリティ ネットワーク サービスを使用して特定の履歴モーメントに接続している場合、以下のことができます。
- 一時的なダイアグラムの生成 - 現在のモーメントで操作するときのように、新しいダイアグラム マップで開きます。
- この時点で存在している保存済みのダイアグラムを検索し、そのダイアグラムを開く。
しかし、 これらのダイアグラムは、レイアウトの適用、コンテンツの上書き、それらの拡張または保存などの編集ができません。
ネットワーク ダイアグラムの生成または履歴モーメントで保存済みダイアグラムを開く方法
履歴モーメントでダイアグラムを生成したり開いたりする前に、次の前提条件が満たされている必要があります。
- この操作は、ユーティリティ ネットワーク サービスからのみ実行する必要があります。エンタープライズ ジオデータベース内のユーティリティ ネットワークへのデータベース接続、またはファイル ジオデータベース内のユーティリティ ネットワークまたはトレース ネットワークから操作することはできません。
- ArcGIS Pro を起動して、ユーティリティ ネットワーク プロジェクトを開きます。
- すでにユーティリティ ネットワーク サービス レイヤーを参照しているマップを開くか、新しいマップを作成してユーティリティ ネットワーク サービス レイヤーをこのマップに追加します。
- [コンテンツ] ウィンドウの [データ ソース別にリスト] タブ をクリックします。
- ユーティリティ ネットワーク レイヤーが特定のバージョンを参照している場合は、次に説明するように、デフォルトに切り替えます。
- データ ソース エントリを右クリックし、[バージョンの変更] をクリックします。
- [バージョンの変更] ダイアログ ボックスで、バージョン リスト上部の [sde.Default] をクリックして [OK] をクリックします。
- 次の手順に従って、必要なモーメントに接続します。
- データ ソースを右クリックし、[モーメントの変更] をクリックします。
- [履歴] ウィンドウが開くので、[指定した日付と時刻] または [履歴モーメント] のいずれかのコントロールを使用して、必要なモーメントを指定します。
- [適用] をクリックします。
- [履歴] ウィンドウを閉じます。
- 次のワークフローのいずれかを実行します。
- このモーメントのダイアグラムを生成するには、次の手順に従います。
- マップで、目的のネットワーク フィーチャを選択します。
- [コンテンツ] ウィンドウでユーティリティ ネットワーク サービス レイヤーが選択されていることを確認します。ユーティリティ ネットワーク タブ セットの [データ] タブで、[ダイアグラム] グループの [新規] ドロップダウン矢印をクリックして、テンプレートのリストからテンプレート アイテムをクリックします。
- このモーメントに保存されたダイアグラムを開くには、次の手順に従います。
- ユーティリティ ネットワーク タブ セットの [データ] タブで、[検索] をクリックします。
- [ダイアグラムの検索] ウィンドウが開くので、必要なオプションを設定します。
- 下部にある [ダイアグラム リストの更新] をクリックすると、ダイアグラム リストが更新されます。
- 興味のあるダイアグラム アイテムをクリックして、リスト内でそのアイテムをオンにし、[新しいダイアグラム マップに追加] をクリックします。
選択したアイテムにかかわらず、新しいダイアグラム マップ ビューが開きます。これは次のいずれかを参照します。
- 特定の過去のモーメントで選択されたネットワーク フィーチャに基づく、一時的なダイアグラム。
- 特定の過去のモーメントの状態を表す、保存されたダイアグラム。
- このモーメントのダイアグラムを生成するには、次の手順に従います。