レビューアー ルールの設計

Data Reviewer のライセンスで利用可能。

レビューアー ルールを使用すると、組織で規定されたデータ品質要件に準拠していないフィーチャを検出できます。たとえば、フィーチャの属性、ジオメトリの整合性、他のフィーチャとのリレーションシップに影響を及ぼすエラーを検出することができます。これらのルールを使用すると、データ生成ワークフローの異なるフェーズでフィーチャの品質を評価できます。

自動整合チェック機能

レビューアー ルールを設計する際に最初に行うことは、Data Reviewer での自動チェックの機能を理解することです。フィーチャの品質をさまざまな観点から評価するためのチェック タイプの例を次に示します。

  • 空間リレーションシップ チェック - フィーチャ間の空間リレーションシップを分析します。フィーチャが互いに重なり合っているか、交差しているか、接しているか、指定した距離内にあるかを分析できます。たとえば、道路が海に進入していないか、消火栓がウォーター ラテラルにつながっているかなどを確認できます。
  • 属性チェック - フィーチャとテーブルの属性値を分析します。これは、ジオデータベースのドメインなどの単純なフィールド整合チェックや、複雑な属性の依存性があるフィールド整合チェックを実行できます。多くのフィーチャで、ある属性は同じフィーチャの別の属性に依存します。たとえば、道路が工事中の場合、この道路は通行できません。この場合、道路のステータスとアクセス性を監視するように属性チェックを構成できます。
  • フィーチャの完全性チェック - フィーチャのプロパティを分析します。データベース内のすべてのフィーチャが、同じ取得条件に従っているわけではありません。たとえば、2 つの頂点が接近できる距離を定義したり、マルチパート フィーチャをデータ内で許可するかどうかを定義したりできる収集ルールがあります。フィーチャの完全性チェックは、各フィーチャクラスが収集ルールに従っていることを保証します。

詳細については、「ArcGIS Data Reviewer のチェック」をご参照ください。

Data Reviewer チェックの識別情報

多くの場合、自動レビューアー チェックの特定は、データ モデルおよび品質要件に関して深い知識を持った技術顧問が行う作業です。技術顧問は、フィーチャの整合性、属性の完全性、空間リレーションシップなど、さまざまな問題をすばやく特定できます。

技術顧問は、要件のトレーサビリティ マトリックスを使用して、Data Reviewer チェックをデータ品質要件に関連付けることができます。詳細については、「データ品質要件の識別」をご参照ください。

要件のトレーサビリティ マトリックスの入力例を次の表に示します。この例は、上記の自動整合チェック機能の一部を参照しています。

このリストは、要件を収集する際に製品の特定の機能とその使用方法を識別するクイック リファレンスを組織に提供します。

ID要件要件番号要件カテゴリソフトウェア製品の機能Data Reviewer チェック

5

ソース データがマスター データベースに移行され、適切なドメインとリレーションシップを持つことを保証する機能

D002

データ要件 - 論理一貫性

Data Reviewer

ドメイン チェック

はい

リレーションシップ チェック

サブタイプ チェック

7

プロダクト データがモバイルによる収集者向けであり、属性が正確であることを保証する機能

D004

データ要件 - 主題正確度

Data Reviewer

正規表現チェック

はい

テーブル間属性チェック

8

2010 ~ 2020 のプロジェクト期間中にイベント メジャー間に重なりがないことを保証する機能

D005

データ要件 - 時間正確度

Data Reviewer

無効なイベント チェック

はい

10

必須の各属性フィールドにデータが入力されていない (NULL) セルの数を特定する機能

D006

データ要件 - 主題正確度

Data Reviewer

クエリ属性チェック

はい

11

オーバーレイする建物フットプリント フィーチャがない区画を特定する機能

D007

データ要件 - 論理一貫性

Data Reviewer

フィーチャ間チェック

はい

13

一致するフットプリント フィーチャに区画をリンクする一意の属性を検証する機能

D008

データ要件 - 論理一貫性

Data Reviewer

フィーチャ間チェック

はい

要件のトレーサビリティ マトリックスの例

ワークフローの品質管理

レビューアー ルールを実施すると、データ ライフ サイクルのさまざまなフェーズで品質を評価できます。たとえば、作成、管理、更新、共有、アーカイブ、削除する際にフィーチャを評価できます。また、組織内で現在使用中のデータを評価して、新たな業務プロセスに合わせて実施されたデータ品質要件の変更に準拠しているかどうかを確認することができます。

既存のデータに含まれるエラーの検出

自動チェックを実行すると、組織独自の品質要件に基づいてデータの全体的な品質を評価できます。たとえば、データの使用の適合性を理解してベースラインを確立するためにデータセット内のすべてのフィーチャの整合チェックを行ったり、ワークフローの一部としてフィーチャのサブセットの整合チェックを行ったりすることができます。この形式の整合チェックで検出されたエラーは、修正ワークフローや品質レポートで役立つようにジオデータベースに格納されます。

詳細については、「マップでのレビューアー ルールの作成」をご参照ください。

編集ワークフローでのエラーの防止

また、自動チェックを実行して、ジオデータベースでデータを作成または変更する際に品質を評価することもできます。この形式の整合チェックは、ドメインやサブタイプといった他の種類のジオデータベース制約などのデータ整合性を遵守させるのに役立ちます。編集の結果として生成されたデータが組織のデータ品質要件に準拠していない場合、そのデータは拒否されるため、保存されません。

詳細については、「ジオデータベースでのレビューアー ルールの作成」をご参照ください。