プロジェクトの設定の変更

各プロジェクトの設定は多岐にわたっています。このトピックでは、プロジェクトの各種設定と新しいプロジェクトを ArcGIS Pro で作成する方法に焦点を絞って説明します。これらの設定によって、プロジェクトの場所、新しいプロジェクトを別のフォルダーに作成するかどうか、プロジェクトのホーム フォルダー、デフォルト ジオデータベース、デフォルト ツールボックスが決まります。

プロジェクトの名前と場所

新しいプロジェクトをローカル コンピューターまたはネットワーク コンピューター上に作成すると、プロジェクト名にファイル拡張子 *.aprx が付いた名前でプロジェクト ファイルが作成されます。プロジェクトを一度作成したら、*.aprx ファイルがどの場所に格納されているかに関係なく、ArcGIS Pro 内で格納場所を変更することができません。また、プロジェクトの作成後に、プロジェクト名を変更することもできません。ただし、既存のプロジェクトのコピーを作成し、新しい場所に新しい名前でそのコピーを保存できます。

どのプロジェクトを処理しているかわからなくなった場合はいつでも、ArcGIS Pro アプリケーションのタイトル バーでプロジェクトの名前を確認できます。現在のプロジェクトが格納されている場所を確認するには、[オプション] ダイアログ ボックスを開いて [現在のプロジェクト] タブをクリックします。[場所] テキスト ボックスにプロジェクト ファイルへの絶対パスが表示されます。

新しいプロジェクトのデフォルトの場所

デフォルトでは、新しいプロジェクトがユーザー プロファイル ディレクトリ内の My Documents\ArcGIS\Projects フォルダーに作成されます。プロジェクトを別の場所に格納する場合は、[デフォルト フォルダー] プロパティを使用してアプリケーションの設定を変更できます。新しい格納場所への書き込みアクセス権があり、新しい格納場所に十分な空き容量があることを確認します。

プロジェクトのホーム フォルダー

プロジェクトごとにホーム フォルダーが設定されます。プロジェクトのデフォルト ジオデータベースとデフォルト ツールボックスは、そのプロジェクトのホーム フォルダー内に作成されます。また、ホーム フォルダーは ArcGIS Pro でもデフォルトの格納場所として使用され、新しいデータベース接続ファイルとサーバー接続ファイル、進行中の作業、解析結果、エクスポートされたファイルなどが保存されます。デフォルトでは、プロジェクトのホーム フォルダーはプロジェクト ファイル (*.aprx) と同じ場所に配置されます。プロジェクトには必ず、ホーム フォルダーにアクセスできるフォルダー接続が組み込まれており、[フォルダー] カテゴリに表示されます。プロジェクトのホーム フォルダーをそのプロジェクトから削除することはできません。

プロジェクトを作成したら、[ホーム フォルダー] プロパティを設定して、別の場所を参照するようにホーム フォルダーを変更できます。たとえば、プロジェクトがネットワーク コンピューター上に格納されている場合は、代わりにローカル コンピューター上のフォルダーを参照するようにそのプロジェクトのホーム フォルダーを変更できます。この変更に伴い、プロジェクトの格納場所がそのプロジェクトのホーム フォルダーとは別の場所になります。

プロジェクトごとに新しいフォルダーを作成

デフォルトでは、新しいプロジェクトに対して常に新しいフォルダーが作成されます。新しいフォルダーにはプロジェクトと同じ名前が付けられ、このフォルダー内にプロジェクト ファイルが作成されます。このフォルダーがプロジェクトのホーム フォルダーになります。プロジェクト固有のフォルダーにプロジェクトの必須アイテムが格納されているため、後からプロジェクトのコピーや移動を簡単に実行できます。フォルダー全体を別の場所にコピーしたり移動したりしても、プロジェクト固有のフォルダーに格納されているアイテムへの接続が切断されることはありません。

ただし、プロジェクトごとに新しいフォルダーを作成しない場合は、[プロジェクトのフォルダーを作成] プロパティを設定して、アプリケーションの設定を変更できます。

メモ:

テンプレートなしで ArcGIS Pro を起動し、後から作業を保存するように設定した場合、結果として作成されるプロジェクトは常に新しいフォルダー内に作成されます。この設定を調整しても、結果に影響はありません。

デフォルト ジオデータベース

プロジェクトごとにデフォルト ジオデータベースが設定されます。デフォルトで、ジオプロセシング環境の現在のワークスペース設定はプロジェクトのデフォルト ジオデータベースを参照します。ジオプロセシング ツールで空間データセットを新規に作成すると、そのデータセットはデフォルト ジオデータベースに格納されます。また、デフォルト ジオデータベースは、レイヤー テンプレートや別のスキーマのみのレイヤー パッケージをマップに追加する場合にも使用されます。レイヤーに関連したデータが格納される新しいジオデータベース アイテムがデフォルト ジオデータベース内に作成されます。

デフォルトでは、新しいプロジェクトを作成すると、新しいファイル ジオデータベースがプロジェクトと同じ名前でプロジェクトのホーム フォルダー内に作成され、そのジオデータベースをデフォルト ジオデータベースとして使用するようにプロジェクトが設定されます。プロジェクトには必ず、そのプロジェクトのデフォルト ジオデータベースへの参照が組み込まれています。このプロジェクト アイテムは [データベース] カテゴリに表示されます。プロジェクトのデフォルト ジオデータベースをそのプロジェクトから削除することはできません。

すでに用意されている別のジオデータベースを使用するようにプロジェクトを設定することもできますが、そのジオデータベースへの書き込みアクセス権がある場合に限ります。この設定は、プロジェクトの [デフォルト ジオデータベース] プロパティを使用して行います。新規に作成されるすべてのプロジェクトで同じジオデータベースがデフォルト ジオデータベースとして使用されるようにするには、アプリケーションの設定を変更します。

デフォルト ツールボックス

プロジェクトごとにデフォルト ジオプロセシング ツールボックスが設定されます。新しいモデルは、プロジェクトのデフォルト ツールボックスに格納されます。

デフォルトでは、新しいプロジェクトを作成すると、新しいツールボックスがプロジェクトと同じ名前でプロジェクトのホーム フォルダー内に作成され、そのツールボックスをデフォルト ツールボックスとして使用するようにプロジェクトが設定されます。プロジェクトには必ず、そのプロジェクトのデフォルト ツールボックスへの参照が組み込まれています。このプロジェクト アイテムは [ツールボックス] カテゴリに表示されます。プロジェクトのデフォルト ツールボックスをそのプロジェクトから削除することはできません。

すでに用意されている別のツールボックスを使用するようにプロジェクトを設定することもできますが、そのツールボックスへの書き込みアクセス権がある場合に限ります。この設定は、プロジェクトの [デフォルト ツールボックス] プロパティを使用して行います。新規に作成されるすべてのプロジェクトで同じツールボックスがデフォルト ツールボックスとして使用されるようにするには、アプリケーションの設定を変更します。ArcGIS Pro からアクセスできるツールボックスはいずれもデフォルト ツールボックスとして使用できます。

プロジェクトの設定の変更

プロジェクトの作成と処理が終了したら、より最適なワークフローにするために、いくつかのプロパティを調整することができます。プロジェクトのデフォルト ジオデータベースまたはデフォルト ツールボックスの設定を変更する場合は、次の手順を実行する前に、目的の場所に新しいジオデータベースまたはツールボックスを作成できます。

  1. 設定を変更するプロジェクトを開きます。
  2. リボン上の [プロジェクト] タブをクリックした後、[オプション] をクリックします。

    [オプション] ダイアログ ボックスが表示されます。

  3. [プロジェクト] 見出しの下にある [現在の設定] タブをクリックします。
  4. プロジェクトの [ホーム フォルダー] を変更するには、書き込みアクセス権があり、そのプロジェクト用に新規に作成されるデータとアイテムを保存できる十分な空き容量のある既存のフォルダーの場所を参照して選択するか、入力します。
  5. プロジェクトの [デフォルト ジオデータベース] を変更するには、新規のデフォルト ジオデータベースとして使用する既存のジオデータベースの場所を参照して選択するか、入力します。
  6. プロジェクトの [デフォルト ツールボックス] を変更するには、新規のデフォルト ツールボックスとして使用する既存のツールボックスの場所を参照して選択するか、入力します。
  7. [OK] をクリックします。
  8. [戻る] ボタンをクリックしてプロジェクトに戻ります。

プロジェクトの処理を続行すると、新しい設定がすぐに反映されます。設定に応じて、新しいホーム フォルダー、デフォルト ジオデータベース、またはデフォルト ツールボックスにアクセスするためのアイテムがプロジェクトに追加されます。変更前のホーム フォルダー、デフォルト ジオデータベース、デフォルト ツールボックスへの接続もまだプロジェクト内に存在します。不要な場合は、これらのアイテムを削除してもかまいません。

ヒント:

プロジェクトの新しいホーム フォルダー、デフォルトのジオデータベース、またはデフォルトのツールボックスとして使用するフォルダー、ジオデータベース、またはツールボックスがプロジェクトにすでに含まれている場合は、これらのアイテムをプロジェクトに追加します。カタログ ビューで、[フォルダー][データベース]、または [ツールボックス] を参照して、該当するアイテムをクリックします。[管理] タブが表示されます。[管理][フォルダー][データベース]、または [ジオプロセシング] タブをクリックしてから、[プロジェクト] グループで [デフォルトに設定] をクリックします。

新しいプロジェクトの作成方法の変更

新しいプロジェクトの作成方法を変更するには、新しいプロジェクトを作成するための ArcGIS Pro アプリケーションのデフォルト設定を変更します。新規プロジェクトの作成時にデフォルト ジオデータベース、デフォルト ツールボックス、またはデフォルトの場所の設定を変更する場合は、次の手順を実行する前に、目的の場所に新しいジオデータベース、ツールボックス、またはフォルダーを作成できます。これらの設定を変更しても、現在のプロジェクト (開いている場合) やその他の既存のプロジェクトに影響はありません

  1. [オプション] ダイアログ ボックスを開きます。
    • プロジェクトが現在開いている場合、リボン上の [プロジェクト] タブをクリックします。
    • ArcGIS Pro を起動し、開始ページの下部にある [設定] をクリックします。
  2. [オプション] をクリックします。

    [オプション] ダイアログ ボックスが表示されます。

  3. [アプリケーション] 見出しの下にある [一般] タブをクリックします。
  4. [プロジェクトの作成] をクリックします。
  5. [プロジェクトの場所] で、プロジェクトごとに新しいフォルダーを作成するかどうかを指定します。
    • プロジェクトを作成するごとに別々のフォルダーに格納する場合は、[プロジェクトのフォルダーを作成] チェックボックスをオンにします。
    • プロジェクトを作成するごとに同じフォルダーに格納する場合は、[プロジェクトのフォルダーを作成] チェックボックスをオフにします。
  6. [ジオデータベース] で、アプリケーションの [デフォルト ジオデータベース] 設定を変更します。
    • プロジェクトごとに別々のデフォルト ファイル ジオデータベースを作成して使用する場合は、[プロジェクトごとに新しいデフォルトのジオデータベース] をクリックします。
    • 新規に作成されるすべてのプロジェクトで同じジオデータベースをデフォルト ジオデータベースとして使用する場合は、[すべてのプロジェクトに同じデフォルトのジオデータベース] をクリックします。新しいデフォルト ジオデータベースとして使用する既存のジオデータベースの場所を参照して選択するか、入力します。ファイル ジオデータベースまたはデータベース接続のどちらからエンタープライズ ジオデータベースにアクセスするかを指定します。
  7. [ツールボックス] で、アプリケーションの [デフォルト ツールボックス] 設定を変更します。
    • プロジェクトごとに別々のデフォルト ツールボックスを作成して使用する場合は、[プロジェクトごとに新しいデフォルトのツールボックス] をクリックします。
    • 新規に作成されるすべてのプロジェクトで同じツールボックスをデフォルト ツールボックスとして使用する場合は、[すべてのプロジェクトに同じデフォルトのツールボックス] をクリックします。新しいデフォルト ツールボックスとして使用する既存のツールボックスの場所を参照して選択するか、入力します。
  8. [プロジェクトの場所] で、アプリケーションの [デフォルトの場所] 設定を変更します。
    • ユーザー プロファイル ディレクトリ内のデフォルトの場所 (Documents\ArcGIS\Projects) に新しいプロジェクトを作成する場合は、[新しいプロジェクトをデフォルトの場所に保存] をクリックします。
    • 書き込みアクセス権があり、新規に作成される多くのプロジェクトとこれらのプロジェクトに関連するアイテムおよびデータを保存できる十分な空き容量があるローカル コンピューターまたはネットワーク コンピューター上の別のフォルダーに新しいプロジェクトを作成する場合は、[新しいプロジェクトをカスタムの場所に保存] をクリックします。
  9. [OK] をクリックします。

次回の新規プロジェクトの作成時に、[新しいプロジェクトの作成] ダイアログ ボックスの [場所] テキスト ボックスに、[デフォルトの場所] 設定に関連する場所が表示されます。また、[プロジェクトのフォルダーを作成] 設定に応じて [このプロジェクトのための新しいフォルダーを作成] チェックボックスがオンまたはオフになります。

新しいプロジェクトを作成すると、[デフォルト ジオデータベース][デフォルト ツールボックス] の設定に合わせてデフォルト ジオデータベースとデフォルト ツールボックスが設定されます。適切なデータベースとツールボックスへの接続だけでなく、適切なホーム フォルダー接続もプロジェクトに組み込まれます。

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