図
使用法
[密度の計算 (Calculate Density)] ツールは、単一入力としてポイント フィーチャを必要とします。
密度は、必要に応じて 1 つ以上の count フィールドを使用して計算できます。count フィールドは、各位置のインシデントの数を指定する数値フィールドです。都市や高速道路などのフィーチャでは、人口または交通レーンの密度をそれぞれ計算するときに count フィールドが使用されます。count フィールドを指定すると、ポイントの密度に加えて count フィールドの密度も計算されます。
解析のため、入力ポイントはビンに集約されます。データを集約するには、ビン サイズを指定する必要があります。デフォルトでは、出力結果の単位は平方キロメートルです。
入力ポイントは、指定したサイズと形状 (六角形または四角形) のビンに集約されます。六角形に集約している場合、ビン サイズ d は各六角形の高さになり、生成される六角形の幅は、高さの 2 倍を 3 の平方根で除算した値になります。四角形に集約している場合は、ビンのサイズは四角形の高さ (幅と同じ) になります。
ビン サイズより大きな近傍サイズを指定する必要があります。近傍サイズは、対象フィーチャ (ビン) と同じ近傍内の入力フィーチャを検索するために使用されます。
近傍サイズの値が大きいほど、単純化された密度の出力が作成されます。値が小さいほど、詳細を示す出力が作成されます。
近傍内にあるポイントだけが、密度の計算時に考慮されます。特定のセルの近傍内にポイントがない場合、そのセルには値が割り当てられません。
密度の計算には、2 つの重み付けオプションがあります。[一様分布] オプションは、近傍内のすべての値を合計し、それらを面積で除算します。[カーネル] オプションは、対象フィーチャからの距離によって近傍の値を重み付けし、各ポイントに滑らかなテーパ サーフェスを合わせるカーネル関数を適用します。
ポイントを含むビンの近傍内のエリアのみが返されます。
面積単位の係数単位がポイント間の距離に比べて小さい場合、出力値も非常に小さくなる可能性があります。大きな値を得るには、大きな単位の面積単位の係数 (たとえば、[平方メートル] ではなく [平方キロメートル]) を使用します。
[密度の計算 (Calculate Density)] ツールでは、エリア レイヤーが投影座標系になくてはなりません。データが投影されておらず、投影座標系を設定していない場合、解析は正積円筒図法 (WKID 54034) で実施されます。
密度値は常に浮動小数値になります。
[密度の計算 (Calculate Density)] ツールでは、時間ステップを使用して解析することもできます。各時間ステップは、時間ステップ外のフィーチャとは切り離して解析されます。時間ステップを使用するには、入力データを時間対応にし、任意の時点を時間で表す必要があります。時間ステップを適用すると、出力フィーチャはフィールドで表した時間間隔になります。
時間ステップを使用して入力フィーチャを解析した場合、各時間ステップは、時間ステップ外部にあるフィーチャとは独立して解析されます。
[時間ステップの基準] パラメーターには、日時の値または日付のみの値を指定できますが、時間のみの値を指定することはできません。
次のフィールドが出力フィーチャに含められます。
フィールド名 詳細 density
所定のポリゴンの密度。これは、指定した単位の縮尺係数で返されます。
density_<fieldname>
所定のフィールドで重み付けされた密度。これは、1 つ以上のフィールドが指定された場合のみ返されます。
start_datetime
時間ステップを指定した場合、出力ポリゴンは時間間隔を持ちます。このフィールドは開始時間を表します。
end_datetime
時間ステップを指定した場合、出力ポリゴンは時間間隔を持ちます。このフィールドは終了時間を表します。
次のヒントを 1 つ以上使用することで、[密度の計算 (Calculate Density)] ツールのパフォーマンスを向上させることができます。
- 対象データのみを解析するように、範囲環境を設定します。
- 大きいビンは、小さいビンよりパフォーマンスが高くなります。使用すべきサイズがわからない場合は、大きいビンのプロトタイプから開始します。
- ビンと同様に、大きい時間ステップは小さい時間ステップよりパフォーマンスが高くなります。
- ビン サイズに対する近傍サイズの比率を減らします。ビンのサイズの 3 倍の近傍サイズは、ビン サイズの 10 倍の近傍サイズよりパフォーマンスが高くなります。
- 解析が実行されている場所に対してローカルなデータを使用します。
ジオプロセシング ツールは、ArcGIS GeoAnalytics Server を活用しています。解析は GeoAnalytics Server で実行され、結果が ArcGIS Enterprise のコンテンツに保存されます。
GeoAnalytics Server ツールを実行する場合、解析は GeoAnalytics Server で実行されます。最適なパフォーマンスを得るためには、ArcGIS Enterprise ポータルでホストされているフィーチャ レイヤーかビッグ データ ファイル共有を通じて、GeoAnalytics Server にデータを提供する必要があります。GeoAnalytics Server のローカルにないデータは、解析が開始する前に GeoAnalytics Server に移動されます。つまり、ツールを実行する時間が長くなり、場合によっては ArcGIS Pro から GeoAnalytics Server にデータを移動できないこともあります。エラーの閾値はネットワークの速度や、データのサイズや複雑さに左右されます。したがって、データを必ず共有するか、ビッグ データ ファイル共有を作成することをお勧めします。
次のツールを使用して、類似の解析を実行することもできます。
- [GeoAnalytics Desktop] ツールボックスまたは [GeoAnalytics Server] ツールボックス内の [ポイントの集約 (Aggregate Points)]
- [Spatial Analyst] ツールボックス内の [ポイント密度 (Point Density)] ツール。
- [Spatial Analyst] ツールボックス内の [カーネル密度 (Kernel Density)] ツール。
- [標準フィーチャ解析] ツールボックス内の [密度の計算 (Calculate Density)] ツール。
構文
CalculateDensity(input_layer, output_name, bin_type, bin_size, weight, neighborhood_size, {fields}, {area_unit_scale_factor}, {time_step_interval}, {time_step_repeat}, {time_step_reference}, {data_store})
パラメーター | 説明 | データ タイプ |
input_layer | 密度の計算に使用するポイント。 | Feature Set |
output_name | 出力フィーチャ サービスの名前。 | String |
bin_type | 解析で使用されるビンの形状を指定します。
| String |
bin_size | 入力フィーチャの集約に使用するビンのサイズ。四角形のビンを生成する場合、指定された数値と単位によって、四角形の高さと長さが決まります。六角形の場合、指定された数値と単位によって、平行な 2 辺の距離が決まります。 | Linear Unit |
weight | 密度計算に適用される重み付けを指定します。
| String |
neighborhood_size | 密度計算に適用される検索範囲。 | Linear Unit |
fields [fields,...] (オプション) | 各フィーチャの値を示す 1 つ以上のフィールド。値フィールドは、連続サーフェスを作成する地形上に分散する個数や数量です。 フィールドの値は数値である必要があります。デフォルトでは、入力ポイント数の密度が常に計算されます。 | Field |
area_unit_scale_factor (オプション) | 出力密度値の面積単位を指定します。デフォルトの単位は、出力空間参照の単位に基づきます。
| String |
time_step_interval (オプション) | 時間ステップの期間を指定する値。このパラメーターは、入力ポイントが時間対応であり、特定時点を表す場合にのみ使用できます。 時間ステップは、入力が時間対応である場合にのみ適用できます。 | Time Unit |
time_step_repeat (オプション) | 時間ステップの間隔が発生する頻度を指定する値。このパラメーターは、入力ポイントが時間対応であり、特定時点を表す場合にのみ使用できます。 | Time Unit |
time_step_reference (オプション) | 時間ステップを揃える基準日時を指定。デフォルト値は、1970 年 1 月 1 日 12:00 a.m. です。このパラメーターは、入力ポイントが時間対応であり、特定時点を表す場合にのみ使用できます。 | Date |
data_store (オプション) | 出力の保存先の ArcGIS Data Store を指定します。デフォルトは、SPATIOTEMPORAL_DATA_STORE です。SPATIOTEMPORAL_DATA_STORE に格納されたすべての結果は、WGS84 で保存されます。RELATIONAL_DATA_STORE に格納された結果は、それらの座標系を維持します。
| String |
派生した出力
名前 | 説明 | データ タイプ |
output | 各セルの近傍内にあるポイント フィーチャから求められる単位面積ごとの値。 | フィーチャ セット |
コードのサンプル
次の Python ウィンドウ スクリプトは、CalculateDensityツールの使用方法を示しています。
#-------------------------------------------------------------------------------
# Name: Calculate Density.py
# Description: Calculate density using the count of points as well as the severity
# value of outbreaks by week.
# Requirements: ArcGIS GeoAnalytics Server
# Import system modules
import arcpy
# Set local variables
# This example used a big data file share name "HealthInfo" with dataset
# "Outbreaks" registered on a GeoAnalytics server
inFeatures = "https://MyGeoAnalyticsMachine.domain.com/geoanalytics/rest/services/DataStoreCatalogs/bigDataFileShares_HealthInfo/BigDataCatalogServer/Outbreaks"
# By default, the count of points will be used in addition to any other fields
# that are specified
fields = "Severity"
# Set the size of bins and neighborhood and the time step size
binSize = "1 Kilometers"
neighborhoodSize = "2 Kilometers"
timeStepInterval = "1 Weeks"
# Specify output info
outFS = "OutbreakDenisty"
dataStore = "SPATIOTEMPORAL_DATA_STORE"
# Execute Calculate Density
arcpy.geoanalytics.CalculateDensity(inFeatures, outFS, 'HEXAGON', binSize,
'UNIFORM', neighborhoodSize, fields,
'SQUARE_KILOMETERS', timeStepInterval, None,
None, dataStore)
環境
- 出力座標系
解析で使用される座標系。このパラメーターで指定されない限り、入力の座標系で解析が行われます。GeoAnalytics ツール の場合、最終結果は WGS84 のビッグ データ ストアに保存されます。
ライセンス情報
- Basic: 次のものが必要 ArcGIS GeoAnalytics Server
- Standard: 次のものが必要 ArcGIS GeoAnalytics Server
- Advanced: 次のものが必要 ArcGIS GeoAnalytics Server