概要
ジオメトリを複数のレイヤーから 1 つのレイヤーにオーバーレイします。オーバーレイを使用して、空間フィーチャを結合、消去、変更、または更新することができます。
オーバーレイは、「何の上には何があるか」という地理で最も基本的な質問の 1 つに答えるために使用されます。以下に例を示します。
- 100 年の氾濫原内にどのような土地区画があるか (ここでいう「内」は「上」と同じ意味です)。
- どのような土壌タイプの上にどのような土地利用があるか
- 軍用基地の跡地にどのような鉱山があるか
図
使用法
このジオプロセシング ツールは ArcGIS Enterprise 10.6 1 以降で使用できます。
次に、使用例を示します。
- 環境を担当する部署は、家畜の放牧が州の水質に与える影響を監視したいと考えています。生物学者とこの部署は共同で、放牧地区と見なされる土地が特定の集水域と交差する場所を決定する必要があります。[オーバーレイ] を使用すると、交差するエリアを見つけることができます。
- ある開発会社は、州内の中央に位置している 3 つの郡のうちの 1 つでゴルフ リゾートを建設しようと考えています。計画を開始する前に、この会社は、リゾート用に購入できる私有地がそれらの郡内に十分にあるかどうかを確認する必要があります。[オーバーレイ] を使用すると、選択した郡部から公有地を削除できます。
ArcGIS Enterprise 10.6.1 では、入力レイヤーとオーバーレイ レイヤーのジオメトリ タイプが一致している必要があります。ArcGIS Enterprise 10.7 では、その他の関係もサポートされます。
ArcGIS Enterprise 10.6.1 で使用できるジオメトリ タイプが異なる場合のオーバーレイ操作 ([インターセクト] および [イレース]) の概要を次の表に示します。
入力レイヤー (緑) およびオーバーレイ レイヤー (黄色) インターセクト結果 イレース結果 ポリゴン オーバーレイ レイヤー (緑) および入力レイヤー (黄)。
入力およびオーバーレイ レイヤーの交差するポリゴン。B は B と 2 の交差部分です。D は D と 4 の交差部分です。E は E と 5 の交差部分です。
[イレース] 操作の実行結果としてのポリゴンの状況。E は完全に削除され、B と D の一部が削除されました。A と C は削除されていません。
ライン オーバーレイ レイヤー (緑) および入力レイヤー (黄)。
[インターセクト] 操作の実行結果としてのラインの状況。B は B と 2 の交差部分です。D は D と 4 の交差部分です。
[イレース] 操作の実行結果としてのラインの状況。フィーチャ B は完全に削除され、D の一部が削除されました。A と C は削除されていません。
ポイント オーバーレイ レイヤー (緑) および入力レイヤー (黄)。
[インターセクト] 操作の結果であるポイント。C は C と 3 の交差部分です。
[イレース] 操作の実行結果としてのポイントの状況。フィーチャ C は削除されました。A と B は、操作の結果です。
ArcGIS Enterprise 10.6.1 では、レイヤーが両方ともポリゴンの場合、[重複する入力レイヤーを含める] パラメーター (Python では include_overlaps=NOT_OVERLAPPING) をオフにすることにより、解析を高速化できます。次の両方の条件が満たされた場合にだけ、この入力をオフにしてください。
- 入力レイヤーのフィーチャが他の入力レイヤーのフィーチャと重複していない。
- オーバーレイ レイヤーのフィーチャが他のオーバーレイ レイヤーのフィーチャと重複していない。
自己交差オーバーラップそれぞれに対して一意の結果が返されないようにする場合にも、このパラメーターをオフにできます。 たとえば、国勢調査区画に自己重複しているフィーチャがなく、分断されている別のポリゴン レイヤーにオーバーレイされている場合、このパラメーターをオフにできます。このパラメーターは ArcGIS Enterprise 10.7 以降では使用されません。
ArcGIS Enterprise 10.7 以降、サポートされているオーバーレイ方法と入力ジオメトリを以下の表に示します。
入力およびオーバーレイ ジオメトリ タイプ インターセクト イレース ユニオン (10.7 で使用可能) アイデンティティ (10.7 で使用可能) シンメトリック ディファレンス (10.7 で使用可能) ポイントとポイント
10.6.1 以降で利用可能
10.6.1 以降で利用可能
10.7 以降で利用可能
10.7 以降で利用可能
ポイントとポリライン
10.7 以降で利用可能
ポイントとポリゴン
10.7 以降で利用可能
10.7 以降で利用可能
ポリラインとポイント
10.7 以降で利用可能
ポリラインとポリライン
10.6.1 以降で利用可能
10.6.1 以降で利用可能
10.7 以降で利用可能
10.7 以降で利用可能
ポリラインとポリゴン
10.7 以降で利用可能
10.7 以降で利用可能
ポリゴンとポイント
10.7 以降で利用可能
ポリゴンとポリライン
10.7 以降で利用可能
ポリゴンとポリゴン
10.6.1 以降で利用可能
10.6.1 以降で利用可能
10.7 以降で利用可能
10.7 以降で利用可能
10.7 以降で利用可能
オーバーレイの方法 説明 インターセクト
入力フィーチャと重なり合っている、オーバーレイ内のフィーチャまたはフィーチャの部分が維持されます。 入力とフィーチャのジオメトリは同じである必要があります。
これがデフォルトです。
イレース
オーバーレイ フィーチャと重なり合っている、入力フィーチャ内のフィーチャまたはフィーチャの部分が削除されます。
ユニオン
結果に、入力レイヤーとオーバーレイ レイヤーの幾何学的ユニオンが含まれます。すべてのフィーチャとその属性がレイヤーに書き込まれます。
アイデンティティ
結果に、入力フィーチャとオーバーレイ フィーチャのフィーチャまたは部分フィーチャが含まれます。入力レイヤーおよびオーバーレイ レイヤーの両方で重複するフィーチャまたはフィーチャ部分が出力レイヤーに書き出されます。
シンメトリック ディファレンス
結果に、重なり合っていない入力レイヤーとオーバーレイ レイヤーのフィーチャまたは部分フィーチャが含まれます。
構文
OverlayLayers(input_layer, overlay_layer, output_name, overlay_type, {include_overlaps}, {data_store})
パラメーター | 説明 | データ タイプ |
input_layer | オーバーレイ レイヤーにオーバーレイされるポイント フィーチャ、ライン フィーチャ、またはポリゴン フィーチャ。 | Feature Set |
overlay_layer | 入力レイヤー フィーチャにオーバーレイされるフィーチャ。 | Feature Set |
output_name | 出力フィーチャ サービスの名前。 | String |
overlay_type | 実行するオーバーレイのタイプを指定します。
| String |
include_overlaps (オプション) | 一方または両方の入力レイヤーに重複フィーチャを含めるかどうかを指定します。
| Boolean |
data_store (オプション) | 出力の保存先の ArcGIS Data Store を指定します。デフォルトは、SPATIOTEMPORAL_DATA_STORE です。SPATIOTEMPORAL_DATA_STORE に格納されたすべての結果は、WGS84 で保存されます。RELATIONAL_DATA_STORE に格納された結果は、それらの座標系を維持します。
| String |
派生した出力
名前 | 説明 | データ タイプ |
output | 1 つのレイヤーへの複数のレイヤーのオーバーレイ。 | フィーチャ セット |
コードのサンプル
次の Python ウィンドウ スクリプトは、OverlayLayersツールの使用方法を示しています。
#-------------------------------------------------------------------------------
# Name: OverlayLayers.py
# Description: Remove areas that are already developed from proposed development sites
#
# Requirements: ArcGIS GeoAnalytics Server
# Import system modules
import arcpy
# Set local variables
inFeatures = "https://myGeoAnalyticsMachine.domain.com/geoanalytics/rest/services/DataStoreCatalogs/bigDataFileShares_cityData/BigDataCatalogServer/areasOfInterest"
overlayFeatures = "https://myGeoAnalyticsMachine.domain.com/geoanalytics/rest/services/DataStoreCatalogs/bigDataFileShares_cityData/BigDataCatalogServer/commercial"
outFS = "DevelopmentSites"
overlayType = "ERASE"
dataStore = "SPATIOTEMPORAL_DATA_STORE"
# Execute Overlay Layers
arcpy.geoanalytics.OverlayLayers(inFeatures, overlayFeatures, outFS,
overlayType, dataStore)
環境
- 出力座標系
解析で使用される座標系。このパラメーターで指定されない限り、入力の座標系で解析が行われます。GeoAnalytics ツール の場合、最終結果は WGS84 のビッグ データ ストアに保存されます。
ライセンス情報
- Basic: 次のものが必要 ArcGIS GeoAnalytics Server
- Standard: 次のものが必要 ArcGIS GeoAnalytics Server
- Advanced: 次のものが必要 ArcGIS GeoAnalytics Server