ピラミッドの構築 (Build Pyramids) (データ管理)

概要

ラスター データセットのラスター ピラミッドを構築します。

このツールは、ピラミッドの削除にも使用することができます。ピラミッドを削除するには、[ピラミッド レベル] パラメーターを 0 に設定します。

ピラミッドの構築 (Build Pyramids)

使用法

  • ピラミッドを構築すると、ラスター データセットの表示パフォーマンスが向上します。

  • ピラミッド構築は、データセットごとに 1 回実行するだけで済みます。ラスター データセットを表示するたびに、構築したピラミッドがアクセスされます。

  • 行内または列内のピクセル数が 1,024 未満のラスター データセットに対しては、ピラミッドが構築されません。ラスター データセットが極めて小さいことから、ピラミッドを構築してもパフォーマンス向上の効果がないため、ピラミッドは必要ありません。

  • ECW や MrSID などのウェーブレット圧縮ラスター データセットは、ピラミッド構築の必要がありません。そのような形式のものには、エンコーディング時に作成される内部ピラミッドが含まれています。

  • [ラスター格納] 環境で、ピラミッド ファイルの圧縮タイプを選択することができます。圧縮を選択すると、*.ovr ファイルのサイズが小さくなります。IMAGINE 形式および古いバージョンの ArcGIS では低解像度データセット (*.rrd) ファイルが作成されます。この種類のファイルは圧縮できません。

  • デフォルトのピラミッド圧縮では、データのタイプに応じて、最適な圧縮タイプが使用されます。[LZ77][JPEG]、または圧縮なしを手動で選択することもできます。

  • JPEG 圧縮は、JPEG の仕様に従ってデータを格納できるファイル形式でのみ使用できます。「サポートされているラスター データセット ファイル形式のリスト」に、JPEG 形式がサポートできる仕様がリストされています。

構文

BuildPyramids(in_raster_dataset, {pyramid_level}, {SKIP_FIRST}, {resample_technique}, {compression_type}, {compression_quality}, {skip_existing})
パラメーター説明データ タイプ
in_raster_dataset

ピラミッドを構築する対象となるラスター データセット。

入力には、縦横 (ロウ、カラム) それぞれ 1,024 ピクセル以上が必要です。

Raster Dataset; Raster Layer
pyramid_level
(オプション)

構築する低解像度データセット レイヤーの数を選択します。デフォルト値は -1 で、完全なピラミッドを構築します。値を 0 にすると、ピラミッド レベルなしになります。

ピラミッドを削除するには、レベルの数値を 0 に設定します。

指定できるピラミッド レベルの最大数は 29 です。30 以上の値を指定した場合、値は -1 に戻され、ピラミッドの完全なセットが作成されます。

Long
SKIP_FIRST
(オプション)

最初のピラミッド レベルをスキップするかどうか選択します。第 1 レベルをスキップすると使用するディスク スペースが若干少なくなりますが、その縮尺でのパフォーマンスも低下します。

  • NONE最初のピラミッド レベルは構築されません。これがデフォルトです。
  • SKIP_FIRST最初のピラミッド レベルは構築されません。
Boolean
resample_technique
(オプション)

ピラミッドの構築に使用するリサンプリング手法。

  • NEARESTこの手法は、リサンプリング時に最も近いセルの値を使用して、出力セルに値を割り当てます。これがデフォルトです。
  • BILINEARこの手法は、4 個の最近隣入力セルの中心の重み付けされた距離に基づいてセルの新しい値を算出します。
  • CUBICこの手法は、16 個の最近隣入力セルの中心を通る滑らかなカーブの適合に基づいてセルの新しい値を算出します。
String
compression_type
(オプション)

ラスター ピラミッドを構築するときに使用する圧縮タイプ:

  • DEFAULTウェーブレット圧縮を使用してソース データを圧縮すると、JPEG 圧縮タイプでピラミッドが構築されます。それ以外の場合は、LZ77 が使用されます。これがデフォルトの圧縮方法です。
  • LZ77LZ77 圧縮アルゴリズムがピラミッドの構築に使用されます。LZ77 はすべてのデータ タイプに使用できます。
  • JPEGJPEG 圧縮アルゴリズムを使用してピラミッドが構築されます。JPEG 圧縮仕様に準拠したデータだけが、この圧縮タイプを使用できます。[JPEG] を選択した場合は、圧縮品質を設定できます。
  • JPEG_YCbCrLuma (Y) と chroma (Cb と Cr) 色空間成分を使用する不可逆圧縮を使用してピラミッドが構築されます。
  • NONEピラミッドを構築するときに、圧縮を行いません。
String
compression_quality
(オプション)

JPEG 圧縮方法でピラミッドを構築するときに使用する圧縮品質。指定する値は、0 ~ 100 の間の値でなければなりません。100 に近い数は高品質な画像を生成しますが、圧縮比は低くなります。

Long
skip_existing
(オプション)

不足している箇所のピラミッドだけを構築するか、存在していてもピラミッドも再生成するかを指定します。

  • OVERWRITEすでに存在している場合でも、ピラミッドを構築します。したがって、既存のピラミッドは上書きされます。これがデフォルトです。
  • SKIP_EXISTING存在していないピラミッドだけを構築します。
Boolean

派生した出力

名前説明データ タイプ
out_raster

出力ラスター データセット。

ラスター データセット

コードのサンプル

BuildPyramids (ピラミッド構築) の例 1 (Python ウィンドウ)

以下は、BuildPyramids ツールを実行する Python サンプルです。

import arcpy
arcpy.BatchBuildPyramids_management(
     "C:/data/img1.tif;C:/data/img2.img", "6", "SKIP_FIRST",
      "BILINEAR", "JPEG", "50", "SKIP_EXISTING")
BuildPyramids (ピラミッド構築) の例 2 (スタンドアロン スクリプト)

以下は、BuildPyramids ツールを実行する Python スクリプト サンプルです。

#Build Pyramids for multiple raster datasets in the workspace
#Skip the dataset that already has pyramid
#Build pyramids with compression and level setting

import arcpy
arcpy.env.workspace = "C:/Workspace"

    
inras = "image1.tif;image2.img;fgdb.gdb/image3"
pylevels = "6"
skipfirst = "SKIP_FIRST"
resample = "BILINEAR"
compress = "JPEG"
quality = "80"
skipexist = "SKIP_EXISTING"

arcpy.BatchBuildPyramids_management(
     inras, pylevels, skipfirst, resample, compress,
     quality, skipexist)

環境

ピラミッド

ピラミッド レベル、ピラミッド圧縮、リサンプリング方法は、IMG 形式には適用されません。

並列処理ファクター

CRF 形式のみでサポートされます。

ライセンス情報

  • Basic: はい
  • Standard: はい
  • Advanced: はい

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