フィールド演算 (Calculate Field) (データ管理)

概要

フィーチャクラス、フィーチャ レイヤー、またはラスターのフィールドの値を計算します。

使用法

  • Python 式の詳細については、「フィールド演算 (Calculate Field) の Python の例」をご参照ください。

    Arcade 条件式の詳細については、「ArcGIS Arcade ガイド」をご参照ください。

    SQL 式の詳細については、「フィールドの計算」をご参照ください。

  • [フィーチャ レイヤーの作成 (Make Feature Layer)][属性検索 (Select Layer By Attribute)] でクエリから作成されたフィーチャなど、一連の選択されているフィーチャに対してこのツールを使用すると、選択されているレコードのみが更新されます。

  • 1 回の操作につき、1 つのフィールドにのみ演算を適用できます。複数の計算を適用するには、[フィールド演算 (複数) (Calculate Fields)] ツールを使用します。

  • 既存のフィールドの値は上書きされます。元の値を維持するには、入力テーブルのコピーを作成します。

  • Python の演算の場合、フィールド名は感嘆符で囲まれている必要があります (!fieldname!)。

    Arcade の演算の場合、フィールド名に接頭辞 $feature. が付与されている必要があります ($feature.fieldname)。

  • テキスト フィールドまたは文字フィールドの文字列の演算を行う場合、ダイアログ ボックスでは、文字列を二重引用符で囲む必要があり (「"string"」)、スクリプトでは、二重引用符で囲まれた文字列をさらに一重引用符で囲む必要があります (「'"string"'」)。

  • 数値を指定するフィールドの演算を行うには、[条件式] パラメーターに数値を入力します。値を引用符で囲む必要はありません。

  • レガシー:

    arcgis.rand() は、ArcGIS Pro 2.0 以降サポートされなくなりました。代わりに、Python の random モジュールを使用する、同等の関数を使用する必要があります。random モジュールを正常に使用するには、[コード ブロック] パラメーターにインポートとして追加します。

  • [コード ブロック] パラメーターを使用すると、複雑な式を作成できます。コード ブロックは、ダイアログ ボックスに直接入力することも、スクリプトで連続する文字列として入力することもできます。式とコード ブロックは接続されています。コード ブロックの結果が式に渡される必要があるため、コード ブロックが式に関連付けられている必要もあります。

    [コード ブロック] パラメーターは Python 式でのみサポートされています。

  • [コード ブロック] パラメーターでは、Python の math モジュールおよび形式を使用できます。追加のモジュールをインポートすることもできます。math モジュールは、数論的関数と表現関数、べき関数と対数関数、三角関数、角度変換関数、双曲線関数、および数学定数を提供します。math モジュールの詳細については、Python のヘルプをご参照ください。

  • GeometrytypeextentcentroidfirstPointlastPointarealengthisMultipart (たとえば、partCount) などの !shape.area! オブジェクトのプロパティを使用して、Python 式を作成することができます。

  • Python 式では、ジオメトリの area プロパティや length プロパティに面積や長さの単位を指定して、値を異なる計測単位 (!shape.length@kilometers! など) に変換できます。データが地理座標系に格納されており、距離単位 (たとえば、マイル) が指定されている場合、長さは測地線アルゴリズムを使用して計算されます。地理データで面積単位を使用すると、グローブ全体で度 (10 進) が一定でないため、正確な結果になりません。

    • 面積計測単位のキーワード:
      • ACRES | ARES | HECTARES | SQUARECENTIMETERS | SQUAREDECIMETERS | SQUAREINCHES | SQUAREFEET | SQUAREKILOMETERS | SQUAREMETERS | SQUAREMILES | SQUAREMILLIMETERS | SQUAREYARDS | SQUAREMAPUNITS | UNKNOWN
    • 長さ計測単位のキーワード:
      • CENTIMETERS | DECIMALDEGREES | DECIMETERS | FEET | INCHES | KILOMETERS | METERS | MILES | MILLIMETERS | NAUTICALMILES | POINTS | UNKNOWN | YARDS
  • geodesicArea または geodesicLength プロパティを面積や長さの計測単位と組み合わせて Python 式で使用すると、測地線に基づくフィーチャの面積や長さを計算できます (例: !shape.geodesicArea@hectares! または !shape.geodesicLength@miles!)。

  • ArcGIS アプリケーションは、*.cal ファイルの読み書きに UTF-16-LE エンコードを使用します。出力が UTF-16-LE エンコードを使用して書き込まれている限り、その他のアプリケーション (メモ帳など) を使用して、*.cal ファイルを作成または変更できます。他のエンコードを使用すると、ファイルがコード ブロックに読み込まれなくなります。

  • 結合したデータの演算を行う際、結合された列を直接演算することはできません。元のテーブルの列の演算を直接行うことはできます。結合されたデータの演算を行うには、まず、結合されたテーブルまたはレイヤーをマップに追加する必要があります。そうすると、このデータの演算を単体で行うことができるようになります。これらの変更は結合された列に反映されます。

  • NULL を含む文字列フィールドの連結やゼロ除算を試みる Python 式は、このフィールド値として NULL を返します。

  • このツールでは出力範囲の環境設定が考慮されるということに注意してください。この範囲内にあるフィーチャに対してのみ、フィールド値が計算されます。環境設定は、テーブルなどの非空間データに対しては効果がありません。

  • [フィールド演算 (Calculate Field)] は、フィールド ドメイン情報の転送環境を優先します。この環境が有効な場合、関連するドメインを持つすべてのフィールドは、フィールドの値の代わりにドメインの説明を使用します。ドメインを持たないフィールドの値は影響を受けません。

  • フィーチャ サービスの計算の高速化をサポートするために SQL 式が実装されました。一度に 1 つのフィーチャまたは行を計算する代わりに、フィーチャ サービスに 1 つのリクエストが設定されるので、計算が大幅に高速化します。

    SQL 式をサポートするのはフィーチャ サービスのみです。他の形式では、Python または Arcade 式を使用します。

構文

CalculateField(in_table, field, expression, {expression_type}, {code_block}, {field_type})
パラメーター説明データ タイプ
in_table

新しい演算で更新されるフィールドを含んでいるテーブル。

Mosaic Layer; Raster Layer; Table View
field

新しい演算で更新するフィールド。

指定された名前のフィールドが入力テーブルに存在しない場合は、フィールドが追加されます。

Field
expression

選択されている行を設定する値を作成するために使用される単純な演算式。

SQL Expression
expression_type
(オプション)

使用される式のタイプを指定します。

レガシー:

PYTHON および PYTHON_9.3 は下位互換性のために引き続きサポートされますが、選択肢としてはリストされません。これらのキーワードを使用する Python スクリプトは引き続き動作します。

Python 3 (Python では PYTHON3) は、日付フィールドの値を Python の datetime オブジェクトとして返します。PYTHON および PYTHON_9.3 は、日付フィールドの値を文字列として返します。

  • PYTHON3Python 式のタイプです。これがデフォルトです。
  • ARCADEArcade 条件式のタイプです。
  • SQLSQL 式です。

Python 式の詳細については、「フィールド演算 (Calculate Field) の例」をご参照ください。

Arcade 条件式の詳細については、「ArcGIS Arcade ガイド」をご参照ください。

SQL 式の詳細については、「フィールドの計算」をご参照ください。

フィーチャ サービスの計算の高速化をサポートするために SQL 式が実装されました。一度に 1 つのフィーチャまたは行を計算する代わりに、フィーチャ サービスに 1 つのリクエストが設定されるので、計算が大幅に高速化します。

SQL 式をサポートするのはフィーチャ サービスのみです。他の形式では、Python または Arcade 式を使用します。

String
code_block
(オプション)

複雑な式に入力するコード ブロック。

String
field_type
(オプション)

新しいフィールドのフィールド タイプ。フィールド名が入力テーブルに存在しない場合にのみ、このパラメーターが使用されます。

フィールドのタイプがテキストの場合、新しいフィールドの長さは 512 です。シェープファイルおよび dBASE ファイルの場合、フィールドの長さは 254 です。新しいフィールドの長さは、[フィールドの変更 (Alter Field)] ツールを使用して調整できます。

  • TEXT任意の文字列。
  • FLOAT -3.4E38〜1.2E38の範囲の有理数。
  • DOUBLE -2.2E308〜1.8E308の範囲の有理数。
  • SHORT -32,768〜32,767の範囲の整数。
  • LONG -2,147,483,648〜2,147,483,647の範囲の整数。
  • DATE日付と時刻。
  • BLOB大容量バイナリ オブジェクト。
  • RASTERラスター画像。ArcGIS ソフトウェアでサポートされているラスター データセット形式はすべて格納できますが、小さい画像のみを使用することを強くお勧めします。
  • GUIDGUID (Globally Unique Identifier)
String

派生した出力

名前説明データ タイプ
out_table

更新されたテーブル。

テーブル ビュー; ラスター レイヤー; モザイク レイヤー

コードのサンプル

CalculateField (フィールド演算) の例 1 (Python ウィンドウ)

次の Python ウィンドウ スクリプトは、イミディエイト モードで CalculateField 関数を使用する方法を示しています。

import arcpy
arcpy.env.workspace = "C:/data"
arcpy.AddField_management("vegtable.dbf", "VEG_TYP2", "TEXT", "", "", "20")
arcpy.CalculateField_management("vegtable.dbf", "VEG_TYP2", 
                                '!VEG_TYPE!.split(" ")[-1]', "PYTHON3")
CalculateField (フィールド演算) の例 2 (スタンドアロン スクリプト)

CalculateField を使用して、新しいフィールドに重心の値を割り当てます。

# Name: CalculateField_centroids.py
# Import system modules
import arcpy
# Set environment settings
arcpy.env.workspace = "C:/data/airport.gdb"
 
# Set local variables
inFeatures = "parcels"
fieldName1 = "xCentroid"
fieldName2 = "yCentroid"
fieldPrecision = 18
fieldScale = 11
 
# Add fields
arcpy.AddField_management(inFeatures, fieldName1, "DOUBLE", 
                          fieldPrecision, fieldScale)
arcpy.AddField_management(inFeatures, fieldName2, "DOUBLE", 
                          fieldPrecision, fieldScale)
 
# Calculate centroid
arcpy.CalculateField_management(inFeatures, fieldName1, 
                                "!SHAPE.CENTROID.X!",
                                "PYTHON3")
arcpy.CalculateField_management(inFeatures, fieldName2, 
                                "!SHAPE.CENTROID.Y!",
                                "PYTHON3")
CalculateField (フィールド演算) の例 3 (スタンドアロン スクリプト)

CalculateField とコード ブロックを使用して、範囲に基づいて値の演算を行います。

# Name: CalculateField_ranges.py
# Import system modules
import arcpy
 
# Set environment settings
arcpy.env.workspace = "C:/data/airport.gdb"
 
# Set local variables
inTable = "parcels"
fieldName = "areaclass"
expression = "getClass(float(!SHAPE.area!))"
codeblock = """
def getClass(area):
    if area <= 1000:
        return 1
    if area > 1000 and area <= 10000:
        return 2
    else:
        return 3"""
 
# Execute AddField
arcpy.AddField_management(inTable, fieldName, "SHORT")
 
# Execute CalculateField 
arcpy.CalculateField_management(inTable, fieldName, expression, "PYTHON3", 
                                codeblock)
CalculateField (フィールド演算) の例 4 (スタンドアロン スクリプト)

CalculateField を使用して、新しいフィールドにランダム値を割り当てます。

# Name: CalculateField_Random.py
# Import system modules
import arcpy
import random
 
# Set environment settings
arcpy.env.workspace = "C:/data/airport.gdb"
  
# Set local variables
inFeatures = "parcels"
fieldName = "RndValue"
expression = "random.randint(0, 10)"
code_block = "import random"
 
# Execute AddField
arcpy.AddField_management(inFeatures, fieldName, "LONG")
 
# Execute CalculateField 
arcpy.CalculateField_management(inFeatures, fieldName, expression, "PYTHON3", 
                                code_block)
CalculateField (フィールド演算) の例 5 (Python ウィンドウ)

次の Python ウィンドウ スクリプトは、CalculateField のイミディエイト モードで ARCADE 関数を使用する方法を示しています。

import arcpy
arcpy.env.workspace = "C:/data/fgdb.gdb"
arcpy.CalculateField_management("data", "new_value", "$feature.value1 + $feature.value2", "ARCADE")
CalculateField (フィールド演算) の例 6 (Python ウィンドウ)

次の Python ウィンドウ スクリプトは、CalculateField のイミディエイト モードで SQL 関数を使用する方法を示しています。

import arcpy
feature_service = "<a feature service url>"
arcpy.CalculateField_management("data", "NEW_VALUE", "SAMPLE * (BASELINE - 40)", "SQL")

環境

フィールド ドメインの説明を転送

この環境が有効な場合、関連するドメインを持つすべてのフィールドは、フィールドの値の代わりにドメインの説明を使用します。ドメインを持たないフィールドの値は影響を受けません。

ライセンス情報

  • Basic: はい
  • Standard: はい
  • Advanced: はい

関連トピック