多次元ラスターの集約 (Aggregate Multidimensional Raster) (Spatial Analyst)

Image Analyst ライセンスで利用できます。

Spatial Analyst のライセンスで利用可能。

概要

既存の多次元ラスター変数をディメンションに沿って結合することによって、多次元ラスター データセットを生成します。

使用法

  • [集約定義] パラメーターを使用すると、キーワード、値、または値の範囲を使用して、間隔を選択できます。たとえば、30 年間の海面温度データがあり、最大 100 メートルまで深度 5 メートルごとに毎日収集している場合、次のようなシナリオで、異なる間隔オプションを使用できます。

    • 毎日の温度データを月次データに集約します。月次データでは、結果は 12 個のタイム スライスを含む多次元ラスターとして表され、各スライスはすべての年の各月を集約したものです。[間隔キーワード] を選択し、そのキーワードを [毎月繰り返し] に設定します。
    • 毎日の温度データを月次データに集約します。そうすると、結果は 360 個のスライス、つまり 1 年あたり 12 個のタイム スライス (30 年 x 12 か月 = 360 個のスライス) を含む多次元ラスターになります。[間隔キーワード] を選択し、そのキーワードを [毎月] に設定します。
    • 毎月の温度データを 4 か月間隔に集約します。[間隔値] を選択し、[間隔値][4][単位][月] に設定します。
    • 0 ~ 25 メートル、25 ~ 50 メートル、50 ~ 100 メートルの温度データを集約します。[間隔範囲] を選択して、最小深度と最大深度を [0 25; 25 50; 50 100] に指定します。
  • サポートされている多次元ラスター データセットには、netCDF、GRIB、HDF、Esri の CRF などがあります。多次元モザイク データセットもサポートされています。

  • このツールは、多次元ラスター データセットを CRF (Cloud Raster Format) で生成します。現在、他の出力形式はサポートされていません。

  • デフォルトでは、出力された多次元ラスターは、LZ77 圧縮タイプを使用して圧縮されます。ただし、圧縮タイプを LERC に変更し、データに応じて最大誤差を調整することをお勧めします。たとえば、解析結果が小数点以下 3 桁まで正確であることを期待する場合は、0.001 を最大誤差に使用します。不要な精度要件は、処理時間およびストレージ サイズを増やすため、避けることをお勧めします。

    圧縮タイプを変更するには、環境設定を変更します。

構文

AggregateMultidimensionalRaster(in_multidimensional_raster, dimension, {aggregation_method}, {variables}, {aggregation_def}, {interval_keyword}, {interval_value}, {interval_unit}, {interval_ranges}, {aggregation_function}, {ignore_nodata})
パラメーター説明データ タイプ
in_multidimensional_raster

入力多次元ラスター データセット。

Raster Dataset; Raster Layer; Mosaic Dataset; Mosaic Layer; Image Service; File
dimension

集約のディメンション。このディメンションに沿って変数が集約されます。

String
aggregation_method
(オプション)

間隔内で集約されたスライスを結合するために使用される数学的手法を指定します。

  • MEAN間隔内のすべてのスライスでピクセルの平均値が計算されます。これがデフォルトです。
  • MAXIMUM間隔内のすべてのスライスでピクセルの最大値が計算されます。
  • MAJORITY間隔内のすべてのスライスでピクセルの最頻値が計算されます。
  • MINIMUM間隔内のすべてのスライスでピクセルの最小値が計算されます。
  • MINORITY間隔内のすべてのスライスでピクセルの最小頻値が計算されます。
  • MEDIAN間隔内のすべてのスライスでピクセルの中央値が計算されます。
  • RANGE間隔内のすべてのスライスでピクセルの値の範囲が計算されます。
  • STD間隔内のすべてのスライスでピクセルの値の標準偏差が計算されます。
  • SUM間隔内のすべてのスライスでピクセルの合計値が計算されます。
  • VARIETY間隔内のすべてのスライスでピクセルの個別値の数が計算されます。
  • CUSTOMカスタム ラスター関数に基づいてピクセルの値が計算されます。

aggregation_methodCUSTOM に設定すると、aggregation_function パラメーターが有効になります。

String
variables
[variables,...]
(オプション)

指定したディメンションに沿って集約する変数。変数を指定しない場合、選択したディメンションですべての変数が集約されます。

たとえば、日次温度データを月次平均値に集約するには、温度を集約する変数として指定します。変数を指定せず、変数として毎日の温度と毎日の降雨量がある場合、両方の変数が毎月の平均に集約され、出力多次元ラスターには両方の変数が含まれます。

String
aggregation_def
(オプション)

データを集約するディメンションの間隔を指定します。

  • ALLすべてのスライスでデータが集約されます。これがデフォルトです。
  • INTERVAL_KEYWORD一般的に知られている間隔を使用して、変数データが集約されます。
  • INTERVAL_VALUEユーザーが指定した間隔と単位を使用して、変数データが集約されます。
  • INTERVAL_RANGES指定した値または日付のペアの間にある変数データが集約されます。
String
interval_keyword
(オプション)

ディメンションに沿って集約するときに使用されるキーワードの間隔を指定します。このパラメーターは、aggregation_defINTERVAL_KEYWORD に設定されている場合に必須で、時間に沿って集約する必要があります。

  • HOURLYデータ値が毎時の時間ステップに集約され、結果には時系列のすべての時間が含まれます。
  • DAILYデータ値が日次時間ステップに集約され、結果には時系列のすべての日が含まれます。
  • WEEKLYデータ値が週次時間ステップに集約され、結果には時系列のすべての週が含まれます。
  • DEKADLYデータ値は、各 10 日間の 3 つの期間に集約されます。最後の期間は、10 日より多くなる場合と少なくなる場合があります。出力には、各月につき 3 つのスライスが含まれます。
  • PENTADLYデータ値は、各 5 日間の 6 つの期間に集約されます。最後の期間は、5 日より多くなる場合と少なくなる場合があります。出力には、各月につき 6 つのスライスが含まれます。
  • MONTHLYデータ値が月次時間ステップに集約され、結果には時系列のすべての月が含まれます。
  • QUARTERLYデータ値が毎四半期の時間ステップに集約され、結果には時系列のすべての四半期が含まれます。
  • YEARLYデータ値が年次時間ステップに集約され、結果には時系列のすべての年が含まれます。
  • RECURRING_DAILYデータ値が日次時間ステップに集約され、結果にはユリウス通日ごとに 1 つの集約値が含まれます。出力には、最大で 366 個の日次時間スライスが含まれます。
  • RECURRING_WEEKLYデータ値が週次時間ステップに集約され、結果には週ごとに 1 つの集約値が含まれます。出力には、最大で 53 個の週次時間スライスが含まれます。
  • RECURRING_MONTHLYデータ値が月次時間ステップに集約され、結果には月ごとに 1 つの集約値が含まれます。出力には、最大で 12 個の月次時間スライスが含まれます。
  • RECURRING_QUARTERLYデータ値が毎四半期の時間ステップに集約され、結果には四半期につき 1 つの集約値が含まれます。出力には、最大で 4 個の四半期時間スライスが含まれます。
String
interval_value
(オプション)

集約に使用される間隔のサイズ。このパラメーターは、aggregation_def パラメーターが INTERVAL_VALUE に設定されている場合に必須です。

たとえば、30 年間の毎月の温度データを 5 年ごとに集約するには、interval_value に 5 を入力し、interval_unitYEARS に指定します。

Double
interval_unit
(オプション)

interval_value パラメーターに使用する単位。このパラメーターは、dimension パラメーターが時間フィールドに設定されていて、aggregation_def パラメーターが INTERVAL_VALUE に設定されている場合に必須です。

時間以外で集約をしている場合、このオプションは使用できず、間隔値の単位は入力多次元ラスター データの変数単位と一致します。

  • HOURSデータ値が指定された間隔で毎時間の時間スライスに集約されます。
  • DAYSデータ値が指定された間隔で毎日の時間スライスに集約されます。
  • WEEKSデータ値が指定された間隔で毎週の時間スライスに集約されます。
  • MONTHSデータ値が指定された間隔で毎月の時間スライスに集約されます。
  • YEARSデータ値が指定された間隔で毎年の時間スライスに集約されます。
String
interval_ranges
[interval_ranges,...]
(オプション)

値テーブルで指定した間隔範囲が、値のグループを集約するのに使用されます。値テーブルは範囲の最小値と最大値のペアで構成され、データ タイプは Double または Date です。

このパラメーターは、aggregation_def パラメーターが INTERVAL_RANGE にされている場合に必須です。

Value Table
aggregation_function
(オプション)

集約するラスターのピクセル値を計算するのに使用するカスタム ラスター関数。入力は、関数チェーンまたはカスタム Python ラスター関数から作成されたラスター関数の JSON オブジェクトまたは *.rft.xml ファイルです。

このパラメーターは、aggregation_method パラメーターが CUSTOM に設定されている場合に必須です。

File; String
ignore_nodata
(オプション)

解析で NoData 値を無視するかどうかを指定します。

  • DATA 解析は、特定のディメンションに沿って有効なすべてのピクセルを含め、すべての NoData 値のピクセルを無視します。これがデフォルトです。
  • NODATA特定のディメンションに沿って NoData 値のピクセルが存在する場合、解析結果が NoData になります。
Boolean

戻り値

名前説明データ タイプ
out_multidimensional_raster

出力される CRF (Cloud Raster Format) 多次元ラスター データセット。

Raster

コードのサンプル

AggregateMultidimensionalRaster (多次元ラスターの集約) の例 1 (Python ウィンドウ)

この例では、温度データを毎年の平均温度値のデータに集約します。

import arcpy
from arcpy import env
from arcpy.sa import *
env.workspace = "C:/sapyexamples/data"
arcpy.CheckOutExtension("Spatial")
outAggMultidim = AggregateMultidimensionalRaster("C:/sapyexamples/data/climateData.crf", 
	"StdTime", "MEAN", "temperature", "INTERVAL_KEYWORD", "YEARLY", 
	"", "", "", "", "DATA")
outAggMultidim.save("C:/sapyexamples/output/YearlyTemp.crf")
AggregateMultidimensionalRaster (多次元ラスターの集約) の例 2 (スタンドアロン スクリプト)

この例では、毎日の降雨量と温度データを、毎月の最大降雨量と最大温度値のデータに集約します。

# Name: AggregateMultidimensionalRaster_Ex_02.py
# Description: Aggregates daily precipitation and temperature data into
#           monthly data with the maximum precipitation and temperature values
# Requirements: Spatial Analyst Extension

# Import system modules
import arcpy
from arcpy import env
from arcpy.sa import *

# Set environment settings
env.workspace = "C:/sapyexamples/data"

# Check out the ArcGIS Spatial Analyst extension license
arcpy.CheckOutExtension("Spatial")

""""
Usage: out_multidimensional_raster = AggregateMultidimensionalRaster(in_multidimensional_raster, dimension,
                                    {aggregation_method}, {variables}, 
                                    {aggregation_def}, {interval_keyword}, {ignore_nodata})
"""

# Define input parameters
inputFile = "C:/sapyexamples/data/dailyclimateData.crf"
dimensionName = "StdTime"
aggregationMethod = "Maximum"
variables = "temperature;precipitation"
aggregationDefinition = "INTERVAL_KEYWORD"
keyword = "MONTHLY"
ignore_nodata = "DATA"

# Execute AggregateMultidimensionalRaster
outAggMultidim = AggregateMultidimensionalRaster(inputFile, dimensionName,
	aggregationMethod, variables, aggregationDefinition, keyword, "", "", "", "",
	ignore_nodata)

# Save the output
outAggMultidim.save("C:/sapyexamples/output/monthlymaxtemp.crf")

ライセンス情報

  • Basic: 次のものが必要 Spatial Analyst または Image Analyst
  • Standard: 次のものが必要 Spatial Analyst または Image Analyst
  • Advanced: 次のものが必要 Spatial Analyst または Image Analyst

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