概要
指定した始点から接続性または通過可能性に基づいて選択されたフィーチャを返します。
トレース ネットワークのトレース機能を使用すると、ネットワーク内のパスを解析できます。通過可能性は、構成要件を満たす接続されたフィーチャによって確立されたパスを指します。
デフォルトでは、トレース結果は選択セットとして返され、ライン フィーチャ全体が含まれています。部分的なフィーチャの結果を返すには、[結果タイプ] パラメーターを [ジオメトリの集約] に設定します。始点またはバリアが中間部分で接続しているジャンクション上に配置されている場合、トレース結果はエッジ フィーチャの一部のエレメントを返します。バリアがエッジに沿って配置されている場合、トレース結果は中間部分で接続している最も近いジャンクションで停止できます。トレースの結果、生成される選択セットまたは出力フィーチャクラスは、別のマップやネットワークのダイアグラム ビューに伝達されるか、別のツールまたはトレースの入力として使用されます。
使用法
ネットワーク トポロジを有効化する必要があります。
[トレース (Trace)] ツールはネットワーク トポロジに依存しているため、ダーティ エリアがトレース範囲内に存在する場合、トレース結果が正確であるという保証はありません。トレース対象エリアのネットワーク トポロジは、ネットワークへの最新の変更または更新を反映するよう、整合チェックを行う必要があります。
構文
Trace(in_trace_network, trace_type, starting_points, {barriers}, {path_direction}, {shortest_path_network_attribute_name}, {include_barriers}, {validate_consistency}, {ignore_barriers_at_starting_points}, {allow_indeterminate_flow}, {condition_barriers}, {function_barriers}, {traversability_scope}, {functions}, {output_conditions}, {result_types}, selection_type, {clear_all_previous_trace_results}, {trace_name}, {aggregated_points}, {aggregated_lines})
パラメーター | 説明 | データ タイプ |
in_trace_network | トレースを実行するトレース ネットワーク。 | Trace Network; Trace Network Layer |
trace_type | 実行するトレースのタイプを指定します。
| String |
starting_points | トレースの始点を表すポイント、ライン、またはポリゴン フィーチャクラス。デフォルトでは TN_Temp_Starting_Points フィーチャクラスが使用され、[トレース位置] ウィンドウの [始点] ツールを使用して始点を作成したときに、プロジェクトのデフォルト ジオデータベースに生成されます。 | Feature Layer |
barriers (オプション) | トレースのバリアを表すポイント、ライン、またはポリゴン フィーチャクラス。デフォルトでは TN_Temp_Barriers フィーチャクラスが使用され、[トレース位置] ウィンドウの [バリア] ツールを使用して始点を作成したときに、プロジェクトのデフォルト ジオデータベースに生成されます。 | Feature Layer |
path_direction (オプション) | トレース パスの方向を指定します。パスの通過にかかるコストは、shortest_path_network_attribute_name パラメーターの値によって決定されます。このパラメーターは、[SHORTEST_PATH] トレース タイプを実行する場合にのみ適用されます。
| String |
shortest_path_network_attribute_name (オプション) | パスの計算に使用されるネットワーク属性の名前。最短パス解析トレースを実行すると、形状の長さなど、数値のネットワーク属性を使用して、最短パスが計算されます。コストに基づくパスと距離に基づくパスの両方が得られます。最短パス解析トレースを実行する場合は、このパラメーターは必須です。 | String |
include_barriers (オプション) | 通過可能性バリア フィーチャをトレース結果に含めるかどうかを指定します。
| Boolean |
validate_consistency (オプション) | 通過したフィーチャのいずれかでダーティ エリアが発生した場合、エラーを返すかどうかを指定します。これは、トレースがネットワーク内を一貫したステータスでフィーチャを通過することを保証する唯一の方法です。ダーティ エリアを削除するには、ネットワークトポロジを整合チェックします。
| Boolean |
ignore_barriers_at_starting_points (オプション) | 始点ではトレース構成内のバリアを無視するかどうかを指定します。
| Boolean |
allow_indeterminate_flow (オプション) | フロー方向が不定または未定のフィーチャをトレースするかどうかを指定します。このパラメーターは、上流解析トレースまたは下流解析トレースを実行する場合にのみ適用されます。
| Boolean |
condition_barriers [Name, Operator, Type, Value, Combine Using,...] (オプション) | ネットワーク属性との比較に基づいて、フィーチャに対して通過可能性バリア条件を設定します。条件バリアは、ネットワーク属性、演算子とタイプ、および属性値を使用します。たとえば、フィーチャが ArtificialPath の特定の値と等しい Code 属性を持っている場合に、トレースを停止します。フィーチャがこの条件を満たしている場合、トレースが停止します。複数の属性を使用している場合、Combine Using コンポーネントを使用して、[And] または [Or] 条件を定義できます。 条件バリアの構成は次のとおりです。
Operator コンポーネントは次のとおりです。
Type コンポーネントは次のとおりです。
Combine Using コンポーネントは次のとおりです。
| Value Table |
function_barriers [Function, Attribute, Operator, Value, Use Local Values,...] (オプション) | 関数に基づいて、フィーチャに対する通過可能性バリアを設定します。関数バリアを使用して、たとえば、始点からトレースが移動できる距離の制限したり、トレースを停止するための最大値を設定したりできます。たとえば、通過した各ラインの長さが、それまでに移動した合計距離に追加されます。移動した全長が指定された値に達した場合、トレースが停止します。 関数バリアの構成は次のとおりです。
Function コンポーネントは次のとおりです。
Operator コンポーネントは次のとおりです。
Use Local Values コンポーネントは次のとおりです。
| Value Table |
traversability_scope (オプション) | 実施する通過可能性のタイプを指定します。通過可能性範囲は、通過可能性がジャンクション、エッジ、またはその両方のいずれに適用されるかを決定します。たとえば、レクリエーション コースのネットワークにおいて、パス タイプが砂利で、通過可能性範囲がジャンクションのみに設定されている場合にトレースを停止するように条件バリアを定義すると、砂利のパスが検出された場合でも、このパス タイプはエッジにしか適用されないため、トレースは停止しません。つまり、このパラメーターは、トレースで、ジャンクションを無視するか、エッジを無視するか、またはトレース内のジャンクションとエッジを両方含めるかを示します。
| String |
functions [[Function, Attribute, Filter Name, Filter Operator, Filter Type, Filter Value],...] (オプション) | 演算関数をトレース結果に適用します。 関数の構成は次のとおりです。
Function コンポーネントには、次のオプションがあります。
たとえば、20 の値を持つ始点フィーチャが存在するとします。次のフィーチャは 30 の値を持っています。MIN 関数を使用している場合、結果は 20 になります。MAX 結果は 30、ADD の結果は 50、AVERAGE の結果は 25、COUNT の結果は 2、SUBTRACT の結果は -10 になります。 Filter Operator コンポーネントには、次のオプションがあります。
Filter Type コンポーネントには、次のオプションがあります。
| Value Table |
output_conditions [[Name, Operator, Type, Value, Combine Using],...] (オプション) | ネットワーク属性に基づいて返されるフィーチャのタイプ。たとえば、Tap フィーチャ以外をすべて除外するよう構成されたトレースでは、Tap 属性が割り当てられていないトレース済みフィーチャは、結果に含まれません。そのカテゴリがあるトレース対象フィーチャは結果選択セットに返されます。複数の属性を使用すると、Combine Using オプションを使用して、[And] 条件または [Or] 条件を定義できます。 出力条件の構成は次のとおりです。
Operator コンポーネントには、次のオプションがあります。
Type コンポーネントには、次のオプションがあります。
Combine Using コンポーネントには、次のオプションがあります。
| Value Table |
result_types [result_types,...] (オプション) | トレースによって返される結果のタイプを指定します。
| String |
selection_type | どのように選択を適用するか、選択がすでに存在する場合にはそれをどうするかを指定します。
| String |
clear_all_previous_trace_results (オプション) | 集約されたジオメトリを格納するために選択されたフィーチャクラスの内容を切り捨てるか追加するかを指定します。このパラメーターは、集約されたジオメトリの結果タイプのみに適用されます。
| Boolean |
trace_name (オプション) | トレース操作の名前。この値は出力フィーチャクラスの TRACENAME フィールドに格納され、トレース結果の識に役立ちます。このパラメーターは、集約されたジオメトリの結果タイプのみに適用されます。 | String |
aggregated_points (オプション) | 集約された結果ジオメトリを含む出力マルチポイント フィーチャクラス。デフォルトでは、このパラメーターは Trace_Results_Aggregated_Points というシステムで生成されるフィーチャクラスを使用して設定され、プロジェクトのデフォルト ジオデータベースに格納されます。 このフィーチャクラスが存在しない場合は、自動的に作成されます。既存のフィーチャクラスも、集約されたジオメトリの格納に使用できます。デフォルト以外のフィーチャクラスを使用する場合は、TRACENAME という文字列フィールドを含むマルチポイント フィーチャクラスである必要があります。このパラメーターは、集約されたジオメトリの結果タイプのみに適用されます。 | Feature Class |
aggregated_lines (オプション) | 集約された結果ジオメトリを含む出力ポリライン フィーチャクラス。デフォルトでは、このパラメーターは Trace_Results_Aggregated_Lines というシステムで生成されるフィーチャクラスを使用して設定され、プロジェクトのデフォルト ジオデータベースに格納されます。 このフィーチャクラスが存在しない場合は、自動的に作成されます。既存のフィーチャクラスも、集約されたジオメトリの格納に使用できます。デフォルト以外のフィーチャクラスを使用する場合は、TRACENAME という文字列フィールドを含むポリライン フィーチャクラスである必要があります。このパラメーターは、集約されたジオメトリの結果タイプのみに適用されます。 | Feature Class |
派生した出力
名前 | 説明 | データ タイプ |
updated_trace_network | 更新されるトレース ネットワーク。 | 任意の値 |
コードのサンプル
Trace 関数を使用して、HydroNetwork というトレース ネットワークに対して下流解析トレースを実行します。
import arcpy
arcpy.Trace_tn(r"C:\MyProject\NHD.gdb\Hydro\HydroNetwork",
"DOWNSTREAM", r"C:\MyProject\NHD.gdb\TN_Temp_Starting_Points")
環境
ライセンス情報
- Basic: いいえ
- Standard: はい
- Advanced: はい