ArcGIS Pro でマップを解析または共有する前に、入手または作成した空間データセットからマップを作成する必要があります。 データを適切に整理し、管理可能なサイズに分割してシンボル化し、属性テーブルを最適化する作業は重要なので、習慣化することをお勧めします。 この作業を行うことで、より詳細にわたって解析、探索、編集、可視化を行う際に時間や労力の節約につながります。
概要
- ビデオの長さ: 3:49。
- このビデオは ArcGIS Pro 2.4 を使用して作成されています。
このチュートリアルでは、政府の地理空間ポータルからダウンロードしたデータを整理し、マップを作成します。 データをシンボル化し、ブックマークを作成して目標物を示し、投影法を変更して今後の Web 共有向けに最適化します。 その後、「Web マップの共有」チュートリアルに進み、そのマップをオンラインで共有する方法を学びます。
- 所要時間: 30 分
- ソフトウェア要件:
- ArcGIS Pro
- ArcGIS Online または ArcGIS Enterprise ポータル接続
メモ:
オンライン ヘルプのチュートリアル手順には、現在のソフトウェア リリースの外観と機能が反映されています。以前のソフトウェア バージョンをお使いの場合は、オフライン ヘルプ システムを使用してチュートリアルを開きます。オンライン ヘルプ システムからオフライン ヘルプ システムに切り替えるには、「ArcGIS Pro ヘルプについて」トピックで「ヘルプ ソースの設定」をご参照ください。ArcGIS Pro がない場合、ArcGIS Pro の無料トライアルにサイン アップできます。
データのダウンロード
マングローブは独特かつ貴重な沿岸の沼地のエコシステムの一種であり、ここに生育する木々をまとめてマングローブと呼びます。 世界中の熱帯沿岸地域に存在しており、保護とエコツーリズムの取り組みの対象となっています。
ニュージーランドの政府機関が一般公開しているデータをダウンロードし、ニュージーランドのマングローブと、マングローブにアクセスする周辺トレイルのマップを作成します。
メモ:
地理空間ポータルからデータを検索し、ダウンロードすることは、マップ作成プロセスの重要な手順です。 このチュートリアルではデータは支給されますが、ニュージーランドの LINZ データ サービスや koordinates 空間データ ポータルを利用してデータの参照を練習することもできます。 このチュートリアルで使用されるデータを検索することも、興味のあるデータを参照することもできます。
提供されたデータをダウンロードするには、次の手順に従います。
- ArcGIS Online の「マップの作成」概要ページを開きます。
- [ダウンロード] をクリックします。
- コンピューターの [ダウンロード] フォルダーで Author_a_map.zip を右クリックし、わかりやすい場所に展開します。
プロジェクトの作成
必要に応じて、開始ページのシステム テンプレートか自分で作成したテンプレートから ArcGIS Pro プロジェクトを開始できます。 このプロジェクトからマップ システム テンプレートを使用します。このテンプレートは、マップ ビューを持つプロジェクトを開きます。
- 必要に応じて、ArcGIS Pro を起動してサイン インします。
- 開始ページで [マップ] をクリックし、デフォルト マップを開くプロジェクトを開始します。
メモ:
プロジェクトをすでに開いている場合は、リボン上の [プロジェクト] タブをクリックします。 左側にあるタブのリストで [新規作成] をクリックします。 [プロジェクト テンプレート] で [マップ] をクリックします。
- [新しいプロジェクトの作成] ダイアログ ボックスの [名前] テキスト ボックスに「New Zealand Mangroves」と入力します。
デフォルトでは、プロジェクトは [場所] ボックスに表示されたパスに保存されます。 プロジェクトを別の場所に保存する場合は、[参照] をクリックして、保存先のフォルダーを参照します。
- [OK] をクリックします。
プロジェクトがアクティブなマップ ビューで開きます。
- リボンの [表示] タブをクリックします。 [ウィンドウ] グループで [ウィンドウのリセット] をクリックし、[マッピング用にウィンドウをリセット (デフォルト)] をクリックします。
これにより、[コンテンツ] ウィンドウと [カタログ] ウィンドウが開き、他のウィンドウが閉じられます。
マップへのデータの追加
ダウンロードしたデータにアクセスするには、フォルダー接続を作成します。
- [カタログ] ウィンドウで [フォルダー] を右クリックして、[フォルダー接続の追加] をクリックします。
- 参照ダイアログ ボックスで、Author_a_map.zip ファイルを展開した場所を参照します。 そのフォルダーをクリックして選択し、[OK] をクリックします。
- [カタログ] ウィンドウで、[フォルダー] を展開して [Author_a_map] フォルダーを展開します。
[Author_a_map] フォルダーには、[nz-mangrove-polygons-topo-150k] というフォルダーと [author_a_map_NZ] というジオデータベースが含まれます。
メモ:
特に、大きなデータ コレクションに属する場合は、オンライン ソースからダウンロードしたデータセットには説明的な長い名前が付けられていることがあります。 この場合、[nz-mangrove-polygons-topo-150k] というフォルダー名は、場所、テーマ、ジオメトリ タイプ、このフォルダーに含まれるデータの容量を示しています。 次のセクションでは、フォルダーにデータセットをエクスポートして、より簡潔な名前を付けます。
- ジオデータベースを展開します。
ここには、[DOC_Tracks] という名前のポリライン フィーチャクラスと、[North_South_NZ] という名前のポリゴン フィーチャクラスが含まれます。
- [DOC_Tracks] を右クリックし、[現在のマップに追加] をクリックします。
マップが再描画され、ニュージーランド自然保護局 (DOC) が管理するニュージーランド全土のトレイル ネットワークが表示されます。
- [カタログ] ウィンドウで、[nz-mangrove-polygons-topo-150k] フォルダーを展開します。
フォルダーには、メタデータを含むポリゴン シェープファイル ()、テキスト ファイル ()、XML ファイル () が含まれます。
- シェープファイルを [カタログ] ウィンドウからマップにドラッグします。
レイヤーが [コンテンツ] ウィンドウに追加されます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[nz-mangrove-polygons-topo-150k] レイヤーを右クリックして [レイヤーにズーム] をクリックします。
マングローブのポリゴンは小さいので、マップでは見づらいかもしれません。
- リボンの [マップ] タブをクリックします。 [ナビゲーション] グループで [定率拡大] を何度かクリックし、マングローブ フィーチャが表示されるまで必要に応じてマップの表示範囲を移動します。
取得したデータが地表のフィーチャと一致することが重要です。そのため、衛星画像を使用してよく確認します。
- [マップ] タブの [レイヤー] グループで、[ベースマップ] をクリックし、[ラベル付き衛星画像] を選択します。
メモ:
ArcGIS Pro で、ArcGIS 組織サイトの Esri ベクター ベースマップ を使用するよう構成されている場合、ベースマップ ギャラリーのコンテンツは異なる可能性があります。 [ラベル付き衛星画像] が表示されない場合は、[衛星画像ハイブリッド] など類似しているものを探してください (使用可能な画像ベースマップであればどれでも使用できます)。
- [マップ] タブの [ナビゲーション] グループで、[マップ操作] ツール が選択されていることを確認します。 マングローブの領域付近を拡大します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[nz-mangrove-polygons-top-150k] レイヤーのオフとオンを切り替えます。
レイヤーは、海岸線と浅瀬に沿った濃い緑の植生と一致しています。 後ほど、メタデータを表示してデータの理解を深めます。
- [カタログ] ウィンドウ ([コンテンツ] ウィンドウではない) で [nz-mangrove-polygons-topo-150k] シェープファイルを右クリックし、[メタデータの表示] をクリックします。
カタログ ビューが表示されます。 カタログ ビューの左側には、[nz-mangrove-polygons-topo-150k] フォルダーのアイテムが表示されています。 シェープファイルが選択されています。 右側の詳細パネルには、選択したアイテムのメタデータが表示されます。
ヒント:
詳細ウィンドウが開いていない場合は、リボンの [表示] タブをクリックします。 [オプション] グループで、[詳細パネル] をクリックします。
- メタデータをスクロールして、データの重要な特性をメモします。
- データは 1:50,000 の縮尺で作成されています ([概要] フィールド)。
- 座標系はニュージーランドの横メルカトル図法 (国の標準) です ([説明] フィールド)。
- このデータは 2018 年 5 月時点で最新です ([説明] フィールド)。
- データ ソースは、Land Information New Zealand となっています。これは、地理情報を提供するニュージーランド公式の政府機関です ([著作権] フィールド)。
- このデータは 1:5,000 から 1:150,000,000 までのマップ縮尺での表示に適しています ([縮尺範囲] フィールド)。
- 終了したら、表示タブをクリックしてマップをアクティブにします。
シェープファイルのプロジェクト ジオデータベースへのエクスポート
ダウンロードしたデータには問題ないので、これをプロジェクト ジオデータベースに移動して、すべてのプロジェクト データを 1 か所にまとめて整理しておきます。
- [カタログ] ウィンドウで、[データベース] を展開します。
[New_Zealand_Mangroves.gdb] はプロジェクトのデフォルトのジオデータベースです 。 ここにジオプロセシングの出力が保存され、マップで使用したすべてのデータを格納します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[nz-mangrove-polygons-topo-150k] レイヤーを右クリックして [データ] > [フィーチャのエクスポート] をクリックします。
[フィーチャのエクスポート] ウィンドウが表示されます。 [入力フィーチャ] パラメーターが [nz-mangrove-polygons-topo-150k] に正しく設定されています。
メモ:
便宜上、一部のジオプロセシング ツールはフローティング ウィンドウで開きます。 これらのツールも [ジオプロセシング] ウィンドウで開くことができます。
- New Zealand Mangroves.gdb をデフォルトの [出力場所] としてそのまま使用します。
- [出力名] ボックスに「Mangroves」と入力します。
- [OK] をクリックします。
新しい [Mangroves] フィーチャクラスがプロジェクトのジオデータベースに追加され、対応するレイヤーがマップに追加されます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[nz-mangrove-polygons-topo-150k] レイヤーを右クリックして [削除] をクリックします。
- [クイック アクセス ツールバー] で、[保存] をクリックして、プロジェクトを保存します。
北島のトレイルの選択
マングローブはニュージーランドの北端でしか見られないため、マップには南島のトレイルは必要ありません。 北島のトレイルのフィーチャクラスを作成し、それを [DOC_Tracks] フィーチャクラスの代わりに使用します。 次に、新しいフィーチャクラスの属性テーブルを検証し、修正します。
- [カタログ] ウィンドウの [Author_a_map] フォルダーで [author_a_map_NZ] ジオデータベースを展開します。 [North_South_NZ] フィーチャクラスを、衛星画像ベースマップの上部の [コンテンツ] ウィンドウにドラッグします。
メモ:
[North_South_NZ] フィーチャクラスは、ニュージーランドの行政区は反映していません。 国を 2 つの島を中心に 2 つのフィーチャに分けているだけです。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[North_South_NZ] レイヤーを右クリックして [レイヤーにズーム] をクリックします。
これで、ニュージーランド全体が表示されます。
- 必要に応じて拡大して表示範囲を移動し、北島をマップ ビューの中心に配置します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、選択したレイヤーを右クリックし、[属性テーブル] をクリックします。
- 行ヘッダー (1 行目の左端にあるグレーの小さな四角形) をクリックし、North のレコードを選択します。
テーブル内でレコードがハイライト表示され、マップ上で北島が選択されます。
- 必要に応じて、リボンの [マップ] タブをクリックします。 [選択] グループで、[空間条件で選択] をクリックします。
[空間条件で選択 (Select By Location)] ウィンドウが表示されます。
- [入力フィーチャ] を [DOC Tracks] に設定します。 [リレーションシップ] をデフォルト値である [交差する] のままにしておきます。 [選択フィーチャ] を [North_South_NZ] に設定します。
[North_South_NZ] レイヤーの選択済みフィーチャ ([North Island]) と交差するトレイルが選択されます。
- [OK] をクリックします。
ニュージーランド北部のトレイルが選択されます。 マップ ビューの右下隅に、1,459 個のフィーチャが選択されていることが示されます (これには、選択された [North Island] フィーチャが含まれます)。選択したトレイルを新しいフィーチャクラスにコピーします。
- [コンテンツ] ウィンドウで [DOC Tracks] を右クリックし、[データ] > [フィーチャのエクスポート] をクリックします。
[フィーチャのエクスポート] ウィンドウが表示されます。 [入力フィーチャ] パラメーターが [DOC Tracks] に設定され、[出力場所] パラメーターが [New Zealand Mangroves.gdb] に設定されます。
- [出力名] ボックスに「Trails」と入力します。
- [OK] をクリックします。
新しい [Trails] フィーチャクラスがプロジェクトのジオデータベースに追加され、レイヤーがマップに追加されます。
- [マップ] タブの [選択] グループで、[選択解除] をクリックします。
- [コンテンツ] ウィンドウで「DOC Tracks」レイヤーをクリックして選択します。 Ctrl キーを押しながら [North_South_NZ] レイヤーをクリックして選択することもできます。 選択したレイヤーをどちらか右クリックし、[削除] をクリックします。
レイヤーはマップから削除され、属性テーブルが閉じられます。
[Trails] 属性テーブルの編集
データセットには、特定のプロジェクトには不要な情報が含まれていることがあります。 余分なデータがあるとファイル サイズが大きくなり、必要な作業に集中できなくなります。 元の DOC Tracks フィーチャクラスはすでに小規模な地理領域に縮めています。 このセクションでは、[Trails] 属性テーブルを編集し、不要な属性を削除します。 完全なデータセットは、[DOC Tracks] テーブルに保持されています。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Trails] レイヤーを右クリックし、[属性テーブル] をクリックします。
属性テーブルには 7 つのフィールドが含まれています。 [STLength] フィールドと [Shape_Length] フィールドの値は同じです。 [STLength] フィールドは、元の DOC_Tracks データセットの一部でした。 [Shape_Length] フィールドは、選択したトレイルを新しいフィーチャクラスにエクスポートした際に、自動的に追加されました。 この段階では、[STLength] フィールドを削除できます。
- 属性テーブルで、[STLength] フィールド名を右クリックして [削除] をクリックします。
- [フィールドの削除] プロンプトで、[はい] をクリックします。
このプロジェクトでは、[CAPTURE_ACCURACY] フィールドも必要ありません。 削除することもできますが、ここでは非表示にします。
- 属性テーブルで [CAPTURE_ACCURACY] フィールド名を右クリックし、[フィールドを非表示] をクリックします。
フィールドは表示されなくなりますが、引き続きテーブルには属しているので、必要に応じて回復することができます。 最後に、[OBJECT_TYPE_DESCRIPTION] フィールドにエイリアスを割り当て、より簡潔な表示名を付けます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Trails] レイヤーを右クリックし、[設計] > [フィールド] をクリックします。
テーブルのフィールド ビューが開きます。 リボン上に [フィールド] タブが表示されます。 フィールド ビューでは [CAPTURE_ACCURACY] フィールドは存在するが、表示設定プロパティがオフになっています。
- [エイリアス] 列で、OBJECT_TYPE_DESCRIPTION という値をクリックして選択します。 値をもう一度クリックして編集できるようにします。 エイリアスを [Description] に変更して Enter キーを押します。
- リボンの [フィールド] タブの [変更] グループで、[保存] をクリックします。
- [フィールド: Trails] ビューを閉じます。
- [Trails] 属性テーブルに Description エイリアスが表示されることを確認します。 必要に応じて、テーブル ビューの下部にある [テーブルの更新] をクリックします。
- [Trails] テーブルを閉じます。
- [クイック アクセス ツールバー] で、[保存] をクリックします。
マングローブ周辺のトレイルの特定とエクスポート
元のフィーチャクラスのサブセットから、小さい [Trails] フィーチャクラスを作成しました。 今回は、別のロケーション クエリを使用し、マングローブから可視範囲内にあるトレイルを選択します。 既存の [Trails] レイヤーは、コンテキスト用としてマップに残しておきます。
マングローブ付近のトレイルを選択したら、選択したフィーチャをエクスポートします。 新しいデータセットを作成せずに選択したフィーチャからマップ レイヤーを作成することはできますが、これらの選択レイヤーは Web マップではサポートされていません。 マップをポータルに共有したいため、新しいフィーチャクラスを作成します。
- [マップ] タブの [選択] グループで、[空間条件で検索] をクリックします。
- [空間条件で選択] ウィンドウで、次のパラメーターを設定します。
- [入力フィーチャ] で [Trails] を選択します。
- [リレーションシップ] で [一定距離内にある] を選択します。
- [選択フィーチャ] で [Mangroves] を選択します。
- [検索距離] で「150」と入力し、[メートル] を選択します。
- [選択タイプ] で、[新規選択セット] を選択します。
- [OK] をクリックします。
マップ ビューの下部で、9 個のトレイルが選択されます。
- [コンテンツ] ウィンドウで [Trails] をレイヤー右クリックし、[データ] > [フィーチャのエクスポート] をクリックします。
[フィーチャのエクスポート] ウィンドウが表示されます。 [入力フィーチャ] パラメーターが [Trails] に正しく設定され、[出力場所] パラメーターがデフォルトのジオデータベースに設定されます。
- [出力名] ボックスに「Trails_Near_Mangroves」と入力します。
- [OK] をクリックします。
新しいフィーチャクラスがプロジェクト ジオデータベース内に追加され、レイヤーがマップに追加されます。
- [マップ] タブの [選択] グループで、[選択解除] をクリックします。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Trails] チェックボックスをオフにして、レイヤーを非表示にします。 [Trails_Near_Mangroves] レイヤーを右クリックし、[レイヤーにズーム] をクリックします。
新しいレイヤーのトレイルは小さく、見つけるのが困難です。
オレンジ色の円は、マングローブ近辺にあるいくつかのトレイルの場所を表します。 - マングローブ付近のいくつかのトレイルを拡大します。
- [Trails] レイヤーをもう一度オンにします。
2 つのレイヤーは同じ色でシンボル表示され、区別できません。 後でマップ シンボルをカスタマイズする際に修正します。
- 必要に応じて、[Trails_Near_Mangroves] レイヤーをクリックして選択します。 もう一度クリックして、レイヤー名を編集可能にします。 アンダースコアをスペースに置換して「Trails Near Mangroves」にします。 Enter キーを押します。
- [保存] をクリックします。
マップ プロパティの変更
マップ内のレイヤーは、それぞれ異なる座標系を持つ場合があります。 ArcGIS Pro では、マップ内で座標系がリアルタイムの投影を介してリコンサイルされるため、これは問題ではありません。 すなわち、特定の座標系がデフォルトでマップに割り当てられ、この座標系にないレイヤーは再投影されます。 このリコンサイルは自動的に行われます。
デスクトップ マップでは、サポートされている座標系は、すべてマップに割り当てできます。 デフォルトの座標系 (マップに追加された、ベースマップ レイヤー以外の最初のレイヤーで定義済み) を使用することも、マップの場所や目的に合わせた別の座標系を選択することもできます。 ただし、マップを Web で共有する場合は、マップの座標系はベースマップ レイヤーと同じである必要があります。 すべての Esri ベースマップは WGS 1984 Web メルカトル (球体補正) 座標系を使用します。
座標系の詳細については、「座標系、投影法、および座標変換」をご参照ください。
- [コンテンツ] ウィンドウの [描画順序] の下で、[マップ] を右クリックして [プロパティ] をクリックします。
[マップ プロパティ] ダイアログ ボックスが表示されます。
- 左側にあるタブのリストで [座標系] をクリックします。
[現在の XY] ボックスで、マップは現在ニュージーランド横メルカトル図法で投影されていることを確認します。
- [使用可能な XY 座標系] リストの [レイヤー] で [WGS 1984 Web Mercator (auxiliary sphere)] を展開します。 必要に応じ、[NZGD 2000 New Zealand Transverse Mercator] も展開します。
ヒント:
[マップ プロパティ] ダイアログ ボックスの辺や角をドラッグし、サイズを変更します。
マップの 2 つのレイヤー (ベースマップと、場所名の参照レイヤー) は Web メルカトル座標系です。 3 つのレイヤー (自分で追加し、処理したレイヤー) はニュージーランド横メルカトル図法です。
最終的な目標は、「Web マップの共有」チュートリアルで実行するとおり、マップを Web で共有することです。 そのためには、マップの座標系がベースマップの座標系、すなわち、Web メルカトルと一致する必要があります。
- 必要に応じ、[使用可能な XY 座標系] で [WGS 1984 Web Mercator (auxiliary sphere)] をクリックして選択します (見出しを展開したときに、すでに選択されている可能性もあります)。
[現在の XY] ボックスが更新され、選択した座標系が反映されます。 これは、[Trails]、[Trails Near Mangroves]、[Mangrove] レイヤーがリアルタイムに投影される座標系です (以前は、ベースマップおよび参照レイヤーはニュージーランド横メルカトル図法にリアルタイム投影されていました)。
- ダイアログ ボックスの下部で、[日付変更線周辺の折り返しの有効化] チェックボックスをオンにします。
Web メルカトル投影法は国際日付変更線 (ニュージーランドの東) で終わるため、このオプションは便利です。
さらに、マップ全体表示を対象エリアに制限します。
- 左側にあるタブのリストで [範囲] をクリックします。
- [カスタム範囲の使用] オプションをクリックします。 [レイヤーの範囲] で [Trails] にマウス ポインターを合わせ[すべてのフィーチャ] をクリックします。
右側の [選択範囲] ボックスが、選択内容で更新されます。
- [OK] をクリックします。
- [マップ] タブの [ナビゲーション] グループで、[全体表示] をクリックします。
マップがズームし、ニュージーランドの北島を表示します。 これがマップの新しい全体表示です。
日付変更線の折り返しと範囲の設定は、ArcGIS Pro のマップのナビゲーションで便利な機能です。 これらの設定は、マップを Web で共有するためには、不要です。
- [クイック アクセス ツールバー] で、[保存] をクリックして、プロジェクトを保存します。
シンボルの変更
マングローブのフィーチャはサイズが小さいため、見づらくなっています。 さらに、マップ レイヤーに割り当てられたシンボルはランダムなので、満足できないこともあります。 3 つすべてのマップ レイヤーのシンボルを変更します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Mangroves] レイヤーを右クリックし、[シンボル] をクリックします。
[シンボル] ウィンドウが開き、[Mangroves] レイヤーのシンボル プロパティが表示されます。
- [シンボル] ウィンドウの [シンボル] の横で、レイヤーのシンボルをクリックします。
ウィンドウが切り替わり、シンボル書式オプションが表示されます。
- ウィンドウの上部にある [プロパティ] タブをクリックします。
- [表示設定] で、[色] を [色なし] に設定します。 [アウトライン色] を [マンゴー] などの薄いオレンジ色に、[アウトライン幅] を [2 pt] にそれぞれ設定します。 [適用] をクリックします。
マングローブは、マップを全体表示しても見やすくなりました。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Trails] レイヤーのシンボルをクリックします (レイヤー名ではなく、シンボルをクリックしてください)。
[シンボル] ウィンドウが更新され、[Trails] レイヤーのシンボルの書式設定プロパティが表示されます。 ウィンドウの上部の [プロパティ] タブは選択されたままです。
- [シンボル] ウィンドウで [色] を [インディコライト グリーン] などの水色に変更します。 [ライン幅] が [1 pt] であることを確認し、[適用] をクリックします。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Trails Near Mangroves] レイヤーのシンボルをクリックします。
- [シンボル] ウィンドウで [色] を [ペリドット グリーン] などの明るい緑色に変更し、[適用] をクリックします。
ブックマークの作成
マングローブから可視範囲内にあるトレイルは、いくつかのエリアに集中しています。 ブックマークを追加し、マップ ユーザーが重要な場所に移動できるようにします。
- リボンの [マップ] タブの [照会] グループで、[場所検索] をクリックします。
[場所検索] ウィンドウが表示されます。
- [場所検索] ウィンドウの検索ボックスに「Okura Bush Scenic Reserve」と入力して、Enter キーを押します。
マップ上で対象の場所がズームされ、一時的なマーカーが付けられます。
- 縮小し、すべてのマングローブと地域の周辺トレイルをすべて示すマップ範囲に移動します。 以下の図をガイドとして使用してください。
- [マップ] タブの [ナビゲーション] グループで、[ブックマーク] をクリックして [新しいブックマーク] をクリックします。
- [ブックマークの作成] ダイアログ ボックスで、[名前] を「Okura Scenic Reserve」に変更し、[OK] をクリックします。
この手順を繰り返し、残り 2 つのブックマークも追加します。
- [場所検索] ウィンドウの検索ボックスに入力されている検索用語をクリアし、「Tauranga, NZ」と入力します。 候補のドロップダウン リストから、最初の候補をクリックします (検索用語に一致します)。
- 以下の画像をガイドとして使用し、必要に応じてマップの画面移動とズームを行って、すべての港を表示します。
ヒント:
[XY へ移動] ツールを使用する場合は、必ず単位を m (メートル) に設定し、[X] が「19600000」、[Y] が「-4520000」メートルの場所に移動します。 次のブックマーク (Matangirau, Auckland) には、[X] が「19340000」、[Y] が「-4170000」メートルの場所を使用します。
- 「Tauranga Harbor」という名前を付けて、この場所をブックマークに保存します。
- 「Matangirau, Auckland」の場所を探します。 ズーム アウトし、大きな湾を取り囲むマングローブを表示します。
- この場所に「Waitaruke」という名前を付けてブックマークに保存します。
- [マップ] タブで [ブックマーク] をクリックします。 3 つの各ブックマークのサムネイル画像をクリックし、ズームします。
- [ナビゲーション] グループで [全体表示] をクリックします。
- [場所検索] ウィンドウを閉じます。
- プロジェクトを保存します。
このチュートリアルでは、マップ作成の重要な部分、つまり、データへのフォルダー接続の作成、データの探索、整理、処理、マップのシンボル化について学習しました。 このマップは、ArcGIS 組織と共有する目的で設計しました。その方法については、「Web マップの共有」チュートリアルをご参照ください。