リリースおよびパッチ

ArcGIS Pro ソフトウェア リリースはセマンティック バージョニング仕様に準拠しています。この仕様では、major.minor.patch スキーマに準拠してソフトウェア バージョンが定義されます。メジャーおよびマイナー リリースでは新しい機能が導入されます。パッチは既知の問題に対処しますが、新しい機能を提供しません。

以下に仕様の例を示します。

  • バージョン 2.x から 3.x への変更はメジャー リリースです。
  • バージョン x.3 から x.4 への変更はマイナー リリースです。
  • バージョン x.x.1 から x.x.2 への変更はパッチです。

メジャー リリース

メジャー リリースでは、後方互換性のない変更が導入されます。これには、ArcGIS Pro プロジェクト ファイル (*.aprx) のほか、プロジェクト テンプレート、レイヤー、マップ、レイアウトなどのドキュメント形式への変更が含まれます。メジャー リリースでは、ArcGIS Pro SDK for .NET の API の最新の変更も導入されます。

あるメジャー リリース ソフトウェア バージョンで作成された ArcGIS Pro プロジェクトは、以前のメジャー リリースの ArcGIS Pro バージョンでは開けません。たとえば、ArcGIS Pro 2.x で作成されたプロジェクトは、ArcGIS Pro 1.x では開けません。バージョン 1.x と互換性のある形式でバージョン 2.x プロジェクトを直接保存することはできません。ただし、一部のプロジェクト アイテムは 1.x 形式のパッケージを作成できます。詳細については、下の「パッケージ」のセクションをご参照ください。

プロジェクトはメジャー リリース間で前方互換性があります。たとえば、ArcGIS Pro 1.x で作成されたプロジェクトは、ArcGIS Pro 2.x で開くことができます。ただし、プロジェクトがバージョン 2.x で保存されると、バージョン 1.x で再び開くことはできません。

パッケージ

マップ パッケージ、モバイル マップ パッケージ、レイヤー パッケージ、ジオプロセシング パッケージは、すべてのメジャー リリースに互換性があります。たとえば、2.x プロジェクトで作成されたマップ パッケージには、マップの 2.x バージョンと 1.x バージョンの両方が含まれています。シームレスなユーザー エクスペリエンスを実現するため、パッケージを開くと、ソフトウェアと互換性のあるバージョンが自動的に開きます。

メモ:

ArcGIS Pro 2.02.12.2 で作成されたプロジェクト パッケージには、プロジェクトの 2.x および 1.x バージョンの両方が含まれます。ArcGIS Pro 2.3 以降で作成されたプロジェクト パッケージには、プロジェクトの 2.x バージョンのみが含まれます。

アドイン

アドインは、メジャー リリース間で後方互換性も前方互換性もありません。バージョン 2.x 向けに構築されたアドインは、バージョン 1.x では読み込まれません。バージョン 1.x 向けに構築されたアドインは、バージョン 2.x では読み込まれません。メジャー リリースでは、最新バージョンの ArcGIS Pro SDK for .NET を使用してアドインを再構築する必要があります。詳細については、「開発者のための新機能」をご参照ください。ユーザーはアドインの更新版についてプロバイダーに問い合わせる必要があります。

マイナー リリースおよびパッチ

マイナー リリースおよびパッチで導入されるすべての変更には、後方互換性と前方互換性があります。マイナー リリースおよびパッチは、既存のプロジェクトとシームレスに連携します。

マイナー リリースおよびパッチは累積追加されています。マイナー リリースまたはパッチをインストールすると、スキップしたマイナー リリースまたはパッチの機能も組み込まれます。たとえば、バージョン x.x.1 からバージョン x.x.3 にアップデートすると、このアップデートにより、バージョン x.x.2 の機能も組み込まれます。バージョン x.x.3 をインストールする前に、バージョン x.x.2 の増分アップデートを実行する必要はありません。

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