到達圏解析レイヤー

到達圏を利用すると、次のような質問に答えることができます。

  • ここから 5 分間走行すると、どこまで行くことができるのか。
  • 店舗から運転距離が 3 マイル以内のエリアはどこか。
  • 消防署から 4 分以内のエリアはどこか。

到達圏の作成は、ポイントのバッファー処理に似ています。ポイントをバッファー処理する場合、直線距離を指定し、その距離内のエリアを示す円を作成します。ポイントの周囲に到達圏を作成する場合も同様に距離を指定しますが、バッファーとは異なり、道路網などのネットワークに沿って移動できる最大距離を表します。その結果、指定した距離内に到達できる道路を覆う到達圏が作成されます。

たとえば、以下の図は、5 マイルのバッファー (暗い円) と 5 マイルの到達圏 (バッファー内にある明るい色の不規則な形状) を比較したものです。

到達圏とバッファー
5 マイルのバッファー (円) 対 5 マイルの到達圏 (円内の不規則な形状)

到達圏は、人や物がネットワークに沿って移動する動きをモデル化したものです。バッファーは、任意の方向に障害なく移動できることを想定しています。

応急手当のできる施設から 5 マイルの走行距離内の人口を調べたい場合は、到達圏を使用して道路に沿った距離を計測し、潜在的な患者の移動をモデル化することが適切です。直線のバッファーを使用して人口数を計測すると、本当に 5 マイル以内の移動距離で施設に到着できる人の人口を過大に評価することになります。

到達圏をカスタマイズするには、到達圏解析レイヤーのプロパティを設定し、解析レイヤーを構成するフィーチャクラスのフィールド値を設定します。

以下では、到達圏解析レイヤーとその解析プロパティおよびフィーチャクラスについて説明します。

施設フィーチャクラス

入力施設の周囲に、出力到達圏ポリゴンが作成されます。到達圏解析レイヤーが解析の実行時に参照する入力フィールド値を指定できます。このフィーチャクラスは、解析が完了したら出力フィールド値も格納します。次の表に、施設フィーチャクラスの入力フィールドと入力/出力フィールドを示します。

施設: 入力フィールド

入力フィールド説明

ObjectID

システムで管理される ID フィールド。

Shape

ネットワーク解析オブジェクトの地理的な位置を示すジオメトリ フィールド。

Name

ネットワーク解析オブジェクトの名前。

Attr_[Cost]

(たとえば、Minutes 属性が移動コストの場合は「Attr_Minutes」となります)

このフィールドは、施設の追加の時間、距離、その他の移動コストを格納します。このフィールドに値を追加すると、到達圏の範囲が狭まります。

運転時間をコストとして使用して 3 つの施設の到達圏を検索する場合は、施設で消費する時間を Attr_DriveTime フィールドに格納します。

たとえば、消防署の応答時間を表す到達圏を計算する場合には、Attr_DriveTime に、各消防署の出動時間 (消防署の職員が適切な防護装備を身に付けて消防署を出発するまでの時間) を格納できます。消防署 1 の出動時間が 1 分で、消防署 2 の出動時間が 3 分であるとします。両方の消防署の 5 分間の到達圏を計算する場合、消防署 1 の実際の到達圏は 4 分間となります (5 分間のうち 1 分間が出動時間として必要になるため)。同様に、消防署 2 の到達圏はわずか 2 分間となります。

DriveTime 値の異なる到達圏

入力した値が解析に影響するのは、フィールド名 (Attr_Cost) の Cost の部分が、解析レイヤーまたは移動モードで選択されたコスト属性と一致する場合だけです。たとえば、5 を Attr_DriveMinutes に追加したが、解析に使用されるコスト属性が TruckTime の場合、追加された 5 分は解析結果に含まれません。一方、ネットワーク コスト属性を DriveMinutes に変更した場合、これは Attr_DriveMinutes と対応するため、入力した 5 分が結果に追加されます。

Breaks_[Cost]

(たとえば、DriveTime 属性がネットワークの移動コストの場合は「Breaks_DriveTime」となります)

Breaks_[Cost] フィールドには、到達圏施設ごとに異なるポリゴン閾値を格納できます。つまり、2 つの施設がある場合、一方の施設の 5 分間と 10 分間の到達圏ポリゴンを生成し、もう一方の施設の 6 分間、9 分間、12 分間の到達圏ポリゴンを生成することができます。

ポリゴン閾値の異なる、異なる施設の到達圏

スペースで区切られた文字列を使用して、複数の閾値を指定する必要があります。たとえば、所定の施設に対して 6 分、9 分、12 分のポリゴンを指定するには、フィールド値を「6 9 12」にする必要があります。

Breaks_[Cost] フィールドに指定した値によって、[カットオフ] 解析レイヤー設定がオーバーライドされます。Breaks_[Cost] フィールドに値を指定しないと、[カットオフ] 設定に基づいて施設の到達圏ポリゴンが生成されます。

ネットワーク ロケーション フィールド

  • SourceID
  • SourceOID
  • PosAlong
  • SideOfEdge
  • SnapX
  • SnapY
  • SnapZ
  • DistanceToNetworkInMeters

これらのプロパティを組み合わせて、オブジェクトが配置されているネットワーク上のポイントを表します。

ネットワーク上での入力の特定の詳細

CurbApproach

CurbApproach フィールドには、車両が施設に到着する方向および施設から出発する方向を指定します。アプローチが車両の片側のみに制限されると、到達圏の範囲がさらに限定されます。

CurbApproach の値には、4 つのオプションがあります。

  • Either side of vehicle (0) - 施設が車両の右側または左側のどちら側にあっても、到達圏はその施設で開始または終了できます。

    次の図は、車両が出発するときに施設が右側または左側にあることを示しています。

    [Either side of vehicle (車両の両側)] に設定された CurbApproach

  • Right side of vehicle (1) - 施設が車両の右側にある場合に到達圏は施設で開始または終了できます。

    次の図は、車両が出発するときに施設が右側にあることを示しています。

    [Right side of vehicle (車両の右側)] に設定されている CurbApproach (右側通行の場合)

  • Left side of vehicle (2) - 施設が車両の左側である場合に到達圏は施設で開始または終了できます。

    次の図は、車両が出発するときに施設が左側にあることを示しています。

    [Left side of vehicle (車両の左側)] に設定された CurbApproach

  • No U-Turn (3) - 到達圏の場合、このオプションは [Either side of vehicle (車両の両側)] と同じように機能します。

U ターンとアプローチ制限の詳細

施設: 入力/出力フィールド

入力/出力フィールド説明

Status

このフィールドは、その地点のステータスを示します。ステータスは解析実行後に変化することがあります。このフィールドの値は、次に示す値のドメインによって制約されます (それぞれのコード値は括弧内に示されています)。

  • OK (0) - 地点が有効です。
  • Not located (1) - 地点がネットワーク上で正常に特定されませんでした。
  • Network element not located (2) - その地点のネットワーク ロケーション フィールドによって特定されるネットワーク エレメントが見つかりません。これは、その地点があるはずのネットワーク エレメントが削除され、ネットワーク ロケーションが再計算されなかった場合に発生する可能性があります。

解析の実行が終了したら、ステータスを次のいずれかのステータス値に変更できます。

  • OK (0) - ネットワーク ロケーションは正常に評価されました。
  • Element not traversable (3) - 地点があるネットワーク エレメントは通過不能です。この状態は、規制属性によってネットワーク エレメントが規制されている場合に発生する可能性があります。
  • Invalid field values (4) - 1 つまたは複数の地点のフィールド値が、解析レイヤーのコード値ドメインまたは範囲ドメインから外れています。たとえば、正の数値が必要な場合に負の数値が存在しています。
  • Not reached (5) - 解析によってその地点に到着できません。他の入力から切り離された別個のネットワーク領域にその地点が存在するか、バリアまたは制限によってその地点との往来が禁止されています。
  • Time window violation (6) - 指定されたタイム ウィンドウ内にその地点に到着できませんでした。このステータスは、タイム ウィンドウをサポートする解析タイプにのみ適用されます。
  • Not located on closest (7) - 規制またはバリアがあるため、その地点に最も近いネットワーク ロケーションを通過できません。これにより、代わりに最も近い通過可能なネットワーク フィーチャ上にその地点が配置されています。

ポリゴン フィーチャクラス

ポリゴン フィーチャクラスは、結果の到達圏ポリゴンを格納します。このポリゴンは、指定された時間、距離、その他の移動コスト カットオフ内に到着できるネットワークのエリアをカバーします。このフィーチャクラスは、解析レイヤーへの入力は提供せず、出力情報のみを格納します。

ポリゴン フィーチャクラスを生成するには、[到達圏] タブの [出力ジオメトリ] グループで、[出力シェープ タイプ][ポリゴン] ポリゴン または [ポリゴンおよびライン] ポリゴンおよびライン に設定します。

ポリゴン: 出力フィールド

次の表に、ポリゴン フィーチャクラスの出力フィールドを示します。

出力フィールド説明

ObjectID

システムで管理される ID フィールド。

Shape

内部で格納されるポリゴンのジオメトリ。

Name

到達圏ポリゴンの名前には、関連付けられた施設とカットオフ範囲を示す名前が使用されます。たとえば、「Headquarters : 0.0 – 5.0」の場合は、Headquarters という施設から 5 分以内に通行可能なすべてのエッジを網羅したポリゴンを表すことになります。

FacilityID

関連付けられた施設の一意の ID。

FromBreak

ポリゴンの閾値範囲の下限値です。

ToBreak

ポリゴンの閾値範囲の上限値です。

ライン フィーチャクラス

ライン フィーチャクラスは、結果の到達圏をライン フィーチャとして格納し、指定された時間、距離、その他の移動コスト カットオフ内に到着できる道路またはネットワーク エッジをカバーします。到達圏解析はネットワーク ラインに沿った測定値に基づいているため、ラインはポリゴンよりも到達圏をより忠実に表します。

ライン フィーチャクラスは、解析レイヤーへの入力は提供せず、出力のみを格納します。

到達圏のラインは到達圏解析においてデフォルトで生成されませんが、生成するオプションを選択できます。[到達圏] タブの [出力ジオメトリ] グループで、[出力シェープ タイプ][ライン] ライン または [ポリゴンおよびライン] ポリゴンおよびライン に設定します。

ライン: 出力フィールド

[ライン] フィーチャクラスの出力フィールドを次の表に示します。

出力フィールド説明

ObjectID

システムで管理される ID フィールド。

Shape

内部で格納されるラインのジオメトリ。

FacilityID

関連付けられた施設の一意の ID。

FromCumul_[Cost]

(たとえば、Miles 属性が移動コストの場合は「FromCumul_Miles」となります)

このフィールドには、施設からライン フィーチャの始点までのパスの累積コストが含まれます。この値には、ラインの始点での隣接ジャンクションのコストが取り込まれます。このフィールドは、コスト属性および累積属性に対して生成されます。

ToCumul_[Cost]

(たとえば、Miles 属性が移動コストの場合は「ToCumul_Miles」となります)

このフィールドには、施設からライン フィーチャの終点までのパスの累積コストが含まれます。ラインの終点での隣接ジャンクションのコストは、この値から除外されます。このフィールドは、コスト属性および累積属性に対して生成されます。

SourceID

各到達圏のラインは、ネットワーク ソースのフィーチャクラス (到達圏解析を実行するネットワーク データセットを作成するために使用されるフィーチャクラス) のフィーチャを通過します。このフィールドでは、通過対象のフィーチャが属する、ソース フィーチャクラスの一意の ID を指定します。

SourceOID

到達圏が通過する、基本となるソース フィーチャの ObjectID。

FromPosition

基本となるソース フィーチャに沿って、到達圏ラインが始まる場所を指定します。

  • 値が 0 (ゼロ) の場合は、基本となるソース フィーチャの始点で到達圏ラインが始まることを示します。
  • 値が 1 の場合は、ソース フィーチャの終点で到達圏ラインが始まることを示します。
  • 0 (ゼロ) と 1 の間の値は、基礎となるソース フィーチャに沿ってあるポイントでラインが開始することを示します。たとえば、値が 0.25 の場合、基礎となるソース フィーチャのデジタイズされた方向に沿って 25 パーセント前進したところでラインが開始することを示しています。

ToPosition

基本となるソース フィーチャに沿って、到達圏ラインが終了する場所を指定します。

  • 値が 0 (ゼロ) の場合は、基本となるソース フィーチャの始点で到達圏ラインが終わることを示します。
  • 値が 1 の場合は、ソース フィーチャの終点で到達圏ラインが終わることを示します。
  • 0 (ゼロ) と 1 の間の値は、基礎となるソース フィーチャに沿ってあるポイントでラインが終了することを示します。たとえば、値が 0.25 の場合、基礎となるソース フィーチャのデジタイズされた方向に沿って 25 パーセント前進したところでラインが終了することを示しています。

到達圏解析レイヤーのプロパティ

解析レイヤーで設定できるプロパティを次に示します。これらは [到達圏] タブにあり、[コンテンツ] ウィンドウで到達圏レイヤーまたはそのサブレイヤーのいずれか 1 つが選択されている場合のみ使用できます。

到達圏リボン

実行

[実行] 実行[解析] グループ内にあります。入力フィーチャを読み込み、解析プロパティを設定した後にクリックすると、到達圏解析を実行します。

施設のインポート

[施設のインポート] 施設のインポート[入力データ] グループ内にあります。クリックすると、ポイント フィーチャ レイヤーなどの別のデータ ソースから施設フィーチャクラスにフィーチャを読み込みます。

バリアのインポート

[ポイント バリアのインポート] ポイント バリアのインポート[ライン バリアのインポート] ライン バリアのインポート、または [ポリゴン バリアのインポート] バリアのインポート をクリックすると、別のフィーチャ レイヤーなどの別のデータ ソースから、バリア フィーチャクラス (ポイント バリア、ライン バリア、またはポリゴン バリア) の 1 つにフィーチャを読み込みます。

フィーチャ作成

[フィーチャ作成] ボタン フィーチャ作成 をクリックして [フィーチャ作成] ウィンドウを開きます。利用可能なテンプレートを選択して現在のマップにフィーチャを作成します。

モード

[モード] ドロップダウン リストを使用すると、移動モードを選択できます。移動モードは、歩行者、車、トラック、その他の移動モードの移動をまとめてモデリングする設定のグループです。このドロップダウン リストで選択できる項目は、ネットワーク解析レイヤーが参照しているネットワーク データ ソースに対して構成されている移動モードによって異なります。

方向

次に示されているように、移動時間またはその他のコストを累積することで、施設から出発する方向の到達圏を作成するか、施設に向かう方向の到達圏を作成するかを選択できます。

  • [施設から] - 到達圏は、施設から外周に向かって計測されます。
    施設から
  • [施設へ] - 到達圏は、外周から施設に向かって計測されます。
    施設へ

一方通行の規制が適用されたネットワークで、進行方向により異なる移動時間を設定すると、異なる到達圏が作成されます。方向は、到達圏解析の目的に応じて選択する必要があります。たとえば、宅配ピザの到達圏の場合、ピザは店舗から顧客に配達されるため、施設から移動する方向 ([施設から]) で作成されます。また、病院の到達圏の場合、患者の緊急移動は病院に向かう方向だけであり、その後しばらくは自宅に戻ることはないので、[施設へ] を選択します。

[方向] の設定は、[タイプ][時刻][日付] で指定した時間と日付を Network Analyst がどのように解釈するかに影響します。

  • [施設から] - 時刻と日付は、到達圏が施設でいつ開始するかを示します。
    出発する時刻
  • [方向][施設] に設定すると、時刻と日付は、到達圏がいつ施設で終了するかを示します。
    到着する時刻

施設にサービス時間が設定されている場合 (つまり、施設の Attr_[Cost] フィールドが正の値の場合)、移動方向が「施設へ」のときは終了時刻の直前に、移動方向が「施設から」のときは開始時刻の直後にサービス時間が結果に含められます。

カットオフ

計算する到達圏の範囲は、[カットオフ] テキスト ボックスで指定します。たとえば、カットオフを 10 に設定すると、施設から 10 単位 (10 分、10 マイルなど) の到達圏が作成されます。選択した移動モードの単位は、[モード] ドロップダウン リストの右側に示されます。

10 分間の到達圏ポリゴン

[カットオフ] プロパティは、施設の Breaks_[Cost] フィールドの値が NULL であるときに使用されます。A と B という 2 つの施設があり、それらの運転時間エリアを検索するとします。施設 A の Breaks_DriveTime の値は 3 です。施設 B の Breaks_DriveTime フィールドの値はありません。[カットオフ] を 5 (分) に設定して到達圏を検索すると、施設 A は 3 分間の到達圏、施設 B は 5 分間の到達圏が作成されます。

オーバーライドとデフォルトのカットオフ

メモ:

[カットオフ] は、Break_Cost フィールドに数値が格納されていない施設にデフォルト値を割り当てます。

複数の閾値を設定することで、同心状の到達圏を生成できます。たとえば、各施設の 2、3、4 分間の到達圏を検索する場合、[カットオフ] テキスト ボックスに「2, 3, 4」と入力します。

2、3、4 分間の到達圏

コスト属性の累積

[移動モード] グループの [コスト属性の累積] ドロップダウン メニューを使用して、累積するコスト属性を構成できます。ネットワーク データ ソースがサービスの場合、出力ジオメトリ タイプにラインが含まれない場合、またはコスト属性が存在しない場合、このドロップダウン メニューは使用できません。属性は、グループ ヘッダーとして示される単位ドメインごとにグループ化されます ([時間][距離] など)。チェックボックスがオンの場合、解析時に解析レイヤーがこのオンになっている属性を累積します。

[コスト属性の累積] ドロップダウン メニュー

同じレイヤー タイプの複数の解析レイヤーが選択されている場合、すべてのレイヤーが 1 つの属性に対して同一のオンになったステータスを共有しているのでなければ、チェックボックスは混合状態を示します。次の画像では、[WeekendFallbackTravelTime] 属性が複数のレイヤーに対して選択されているため、ここにはチェック マークがあります。

混合状態を示すチェック マーク

選択したレイヤーが 1 つの属性に対してオンになったステータスを共有している場合、チェックボックスはその状態を示します。

チェックボックスは属性に対してオンになっています。

日時

[到着/出発の日時タイプ] ドロップダウン リストは、[日時] グループにあり、コストの単位が時間ベースの場合に使用できます。このドロップダウン リストでは、ルートが最初のストップを出発する時間を表す特定の日付と時刻の値を指定するかどうかを選択できます。特定の日付と時刻を設定する主な目的は、変動する交通状況または公共交通機関のスケジュールを利用して解析を実行することです。ただし、解析で交通量または公共交通機関を使用する場合は、ネットワーク データセットまたはルート サービスに交通量データまたは公共交通機関を含める必要があります。

ドロップダウン リストでは次のオプションが選択できます。

  • [時間を使用していません] - ネットワーク データ ソースに時間ベースのデータが含まれているかどうかに関係なく、結果は静的な移動時間に基づきます。ネットワーク エッジ上の移動時間は、1 日を通して変動しません。[時刻][日付] テキスト ボックスは使用できません。

  • [日時] - 開始時間を時刻とカレンダー日付で指定します。この情報を入力できるように、[時刻][日付] テキスト ボックスが使用可能になります。

  • [曜日] - 時刻と曜日を指定します。この情報を入力できるように、[時刻][日付] テキスト ボックスが使用可能になります。曜日を設定するには、次のいずれかの値を [日付] テキスト ボックスに入力します:

    • 月曜日
    • 火曜日
    • 水曜日
    • 木曜日
    • 金曜日
    • 土曜日
    • 日曜日

  • [今日] - 時刻を指定します。日付は現在の日付になります。時刻を入力できるように、[時刻] テキスト ボックスが使用可能になります。[日付] テキスト ボックスは [今日] に設定され、変更できないように無効になります。

  • [現在の日時] - 解析を実行する際に、日付と時刻が現在の日付と時刻に設定されます。これは、ネットワーク データセットにライブ交通量データが構成されており、解析を実行した直後に取り込まれるルートがドライバーに配信される場合に便利です。[時刻][日付] テキスト ボックスは変更できないように無効になります。

[基準タイム ゾーン]ドロップダウン リストでは、解析で使用するタイム ゾーンを選択できます。次のようなオプションがあります。

  • ロケーションのローカル タイム
  • UTC (世界協定時)

ポリゴン、ライン、またはポリゴンおよびライン

出力として、ポリゴン ポリゴン、ライン ライン、またはポリゴンおよびライン ポリゴンおよびライン のどれを生成するかを選択します。

ネットワーク データ ソースがラインの生成をサポートしていないバージョンの Portal for ArcGIS のサービスである場合、ポリゴンおよびライン出力とライン出力は使用できません。

ポリゴン詳細レベル

出力ポリゴンの詳細レベルを指定するには、[ポリゴン詳細レベル] プロパティを設定します。

  • [単純化] - このオプションは、ネットワーク データセットに階層属性が含まれている場合に使用できます。

    階層的な到達圏解析では、下位ランクのエッジよりも上位ランクのエッジが優先されます。つまり、施設が生活道路 (階層の最下位ランク) 沿いに存在する場合、ソルバーはそのエリアの生活道路まで対象を広げますが、一般道路と幹線道路に向かって階層を上がろうとします。一般道路と幹線道路に戻ったら、残りの到達圏を通じて生活道路を無視します。幹線道路に階層を上げると、一般道路と生活道路は無視されます。主にこの階層方式のために、非階層到達圏は階層到達圏に比べて一般に品質が高くなります。

    単純化

  • [標準精度] - 標準ポリゴンは適度な精度で高速に生成されますが、到達圏ポリゴンの境界線に近づくと品質が多少低下します。標準詳細ポリゴンを出力すると、島状に発生する到達圏外のネットワーク エレメント (道路など) までポリゴンに含まれる場合があります。

    標準精度

  • [高精度] - このオプションを選択すると、最も詳細なポリゴンを取得できます。ポリゴン内にホールが存在する場合があります。ホールは、カットオフ インピーダンスを超えていないか、交通規制のために到達できない島状のネットワーク エレメントを表します。高精度のポリゴンは、生成するのに最も時間がかかります。

    ホールが生成されるのは、[高精度] ポリゴンと [オーバーラップ] または [ディゾルブ] 出力ジオメトリ設定を使用している場合に限ります。[分割] 設定を使用している場合は、ポリゴン内にホールが生成されません。

    高精度

ヒント:

ネットワーク データセットに到達圏インデックスを作成すると、処理時間を最適化し、標準精度および高精度のポリゴンの質を向上させることができます。

境界タイプ

複数の施設のポリゴンまたはラインの生成ではいくつかのオプションを使用できます。

  • [オーバーラップ] - このオプションを選択した場合、施設ごとに異なるポリゴンが生成されます。各ポリゴンは重なり合います。
    重なり合うポリゴン
    重複するラインの場合、複数の施設の到達圏内にあるネットワークの部分で、施設ごとに 1 本のラインが生成されます。
    重複するライン
  • [ディゾルブ] - このオプションを使用すると、同じカットオフ値を持つ複数の施設のポリゴンが 1 つのポリゴンにマージされます。ポリゴンは、特定の閾値が設定されているために他と接していない場合でも、マージされて 1 つのマルチパート ポリゴンになります。このオプションはラインには適用されません。
    ディゾルブされたポリゴン
  • [分割] - このオプションを選択した場合、施設ごとに最寄りの異なるポリゴンが生成されます。各ポリゴンは重なり合うことはありません。
    ポリゴンの分割
    分割ラインの場合、各ラインが重なり合うことはありません。ラインは、複数の施設から到達できる場合でも、常に最も近い施設に割り当てられます。
    分割ライン

ポリゴン リングまたはディスク

同心状の到達圏ポリゴンのタイプを、「ディスク」、「リング」のいずれかにできます。

  • リング - 出力ポリゴンは、最も近いカットオフ値の間のみに拡大します。より小さいブレーク値の領域は含まれません。連続するブレーク値の間の領域に、ポリゴンが作成されます。
    リング
  • ディスク - 出力ポリゴンは、施設からカットオフまで拡大します。5 分到達圏と 10 分到達圏を生成すると、10 分到達圏ポリゴンは 5 分到達圏ポリゴンの領域、および 5 分から 10 分までのブレーク値の領域もカバーします。
    ディスク

除外するエッジ ソース

[除外するエッジ ソース] ドロップダウン メニュー 除外するエッジ ソース を使用して、到達圏ポリゴンを生成するときに特定のネットワーク データセットのエッジ ソースを除外することを選択できます。除外されたソースの周囲には、解析で通過された場合でも、ポリゴンが生成されません。

到達圏ポリゴンからネットワーク ソースを除外しても、そのソースの通行が防止されるわけではありません。到達圏ポリゴンからソースを除外した場合、到達圏のポリゴンの形状のみに影響が生じます。特定のネットワーク ソースの通行を防止するには、ネットワーク データセットの定義時に適切な規制を設定する必要があります。

ポリゴンの精度が損なわれるため、または到達圏解析にそれほど重要ではないため、ポリゴン生成に含めたくないネットワーク ソースがある場合に役立ちます。たとえば、道路および線路の複合ネットワークで徒歩時間の到達圏を作成する場合、ポリゴン生成から線路を除外するように選択する必要があります。移動者は線路を使用できますが、線路の途中で止まり、近くの建物に入ることはできません。代わりに、線路の全長を移動し、地下鉄システムの駅を出てから、道路を使って建物まで歩く必要があります。この場合、線路の周囲にポリゴン フィーチャを生成しても正確な結果は作成されません。

このパラメーターは、出力ジオメトリ タイプにポリゴンが含まれない場合、ネットワークに 1 つ以下のエッジ ソースしか存在しない場合、ネットワーク データ ソースが ArcGIS Online サービスである場合、またはネットワーク データ ソースがソースの除外をサポートしていないバージョンの Portal for ArcGIS のサービスである場合は使用できません。

ポリゴンの切詰め距離

[ポリゴンの切詰め距離] ポリゴンの切詰め距離 は、到達されるネットワーク エッジから到達圏ポリゴンがどの程度近い必要があるかを制御します。切詰め距離は、ライン バッファー サイズと同様に、他に到達可能な道路が近くにない場合に、到達圏ポリゴンが延長すべき道路からの距離を表します。これは、道路から到達可能と見なす道路の中心線からの距離をおおまかにモデル化します。ネットワークが非常にまばらで、フィーチャが存在しない広範領域が到達圏内に含まれるのを防ぎたい場合に役立ちます。

パラメーターには距離の値と単位が含まれます。デフォルト値は 100 メートルです。このパラメーターは、次の場合に無効になります。

  • [出力シェープ タイプ][ライン] に設定されている場合。
  • [ポリゴン詳細レベル][単純化] に設定されている場合。