Indoors ネットワークの更新

Indoors の機能のライセンスが付与されたポータルで利用できます。​

次の状況によってデータが変更されたとき、場合によってネットワーク データセットを更新する必要があります。

  • 新しい建物がサイトに追加される。
  • 建物に 1 フロアまたは複数フロアが追加される。
  • 1 フロアまたは複数フロアが改築される。

ネットワーク データセットを更新するには、作成時と同じ手順で行いますが、更新されるフィーチャに対してのみ作業します。

経路の更新

[入力レベル フィーチャ] パラメーターで定義された建物 (施設) またはフロア (レベル) に対して、[屋内経路の生成 (Generate Indoors Pathways)] ツールを実行します。[屋内経路の生成 (Generate Indoors Pathways)] ツールがデータが入力済みの Indoors ワークスペースで実行された場合、ツールは、FACILITY_ID およびLEVEL_ID の値が [入力レベル フィーチャ] と一致している経路フィーチャを削除し、選択したエリアに新しいフィーチャを生成します。

  1. [属性検索 (Select Layer By Attribute)] ツールを使用して、更新するエリアのフロア フットプリント フィーチャを選択します。

    ArcGIS Indoors Information Model では、フロア フットプリント フィーチャは [Levels] フィーチャクラスにあります。

    メモ:

    [入力レベル フィーチャ] パラメーターに、レイヤーで選択したフロア フィーチャが指定されなかった場合、[屋内経路の生成 (Generate Indoor Pathways)] ツールは、レイヤーのすべてのフロアの経路を更新します。

  2. フロア改築の場合は、フロアが最初に処理されたときと同じ [格子密度] の値を使用します。

    これにより、既存の遷移フィーチャは、更新された PrelimPathways に引き続き接続されます。

  3. [屋内経路の生成 (Generate Indoor Pathways)] ツールを実行します。

    選択したフロアで、経路フィーチャが更新されます。

フロア遷移の更新

データが入力済みの Indoors ジオデータベースで [フロア遷移の生成 (Generate Floor Transitions)] ジオプロセシング ツールを実行して、新しい建物への遷移の追加、既存の建物のフロアへの遷移の追加、改築されたフロアの遷移の更新などができます。

いずれの更新シナリオでも、[既存の遷移の削除] チェックボックスがオンの場合、[フロア遷移の生成 (Generate Floor Transitions)] ツールは、入力レイヤーの空間ポリゴンに空間的に交差する遷移フィーチャを削除し、建物全体のフィーチャを作成しなおします。既存のフィーチャを削除しないと、入力空間フィーチャの遷移が作成され、既存フィーチャは元の状態のまま残ります。

遷移を更新するためのワークフローは、建物の更新タイプに応じて異なります。どのワークフローを選択しても、PrelimTransitions フィーチャクラスに対して更新が行われます。[屋内経路の間引き (Thin Indoor Pathways)] ツールは、Transitions フィーチャクラスの既存フィーチャを削除し、PrelimTransitions フィーチャクラスで更新されたフィーチャと置き換えます。遷移フィーチャに対して属性の更新が行われた場合は、更新処理中に PrelimTransitions フィーチャクラスに属性の更新が適用されます。

新しい建物への遷移の生成

新しい建物によりサイトを更新するには、次の手順に従います。

  1. 新しい建物に対して [PrelimPathways] フィーチャクラスの該当フィーチャが生成されていることを検証します。
  2. [フロア遷移の生成 (Generate Floor Transitions)] ツールで、必要に応じて条件式を使用して、新しい遷移のために処理する空間タイプをフィルター処理します。
  3. 必要に応じて遅延の値を入力して、エレベーターの待ち時間を追加します。
  4. [既存フィーチャの削除] チェックボックスをオフにします。
  5. [フロア遷移の生成 (Generate Floor Transitions)] ツールを実行します。

    遷移フィーチャが [ターゲット遷移] フィーチャクラスに追加されます。

  6. 階段フィーチャの形状変更

フロアが新築または改築された既存の建物に遷移を生成します。

エレベーターと階段が同じ場所にある改築フロアの場合、フロア遷移フィーチャの更新は必ずしも必要ありません。[屋内経路の生成 (Generate Indoor Pathways)] ツールで PrelimPathway フィーチャを更新した後、PrelimTransitions の始点と終点が 1 つの頂点から 4 メートル以内にあることを確認します。[屋内経路の間引き (Thin Indoor Pathways)] ツールは、この許容範囲内のフィーチャを自動的に接続します。さらに遷移の更新が必要な場合は、次の手順に従います。

  1. 新築または改築フロアに対して PrelimPathways フィーチャクラスの該当フィーチャが更新されていることを検証します。
  2. [フロア遷移の生成 (Generate Floor Transitions)] ツールで、必要に応じて条件式を使用して、新しい遷移のために処理する空間タイプをフィルター処理します。
  3. 必要に応じて遅延の値を入力して、エレベーターの待ち時間を追加します。

    既存の遅延値は、エレベーターの待ち時間が入力された場合、選択したすべての建物に対して新しい待ち時間が反映されるよう更新されます。

  4. [既存フィーチャの削除] チェックボックスをオンにします。
  5. [フロア遷移の生成 (Generate Floor Transitions)] ツールを実行します。

    PrelimTransitions フィーチャクラスの既存フィーチャは、フィルター処理された空間フィーチャで削除され、建物全体で再作成されます。

  6. 階段フィーチャの形状変更

新しいフロアへの遷移フィーチャの手動作成

建物全体に新しい遷移を生成せずに建物にフロアを追加する場合は、[垂直方向に複製] ツールを使用して既存のフィーチャを手作業で複製することができます。エレベーターの昇降路または階段が上または下に延長される場合は、このワークフローを適用できます。

  1. エレベーターのみの場合は、[フロア遷移の生成 (Generate Floor Transitions)] ツールを実行して、垂直ライン遷移を作成します。
  2. [編集] タブをクリックします。
  3. [選択] ボタン 四角形による選択 をクリックします。
  4. 複製するフロアに隣接する遷移フィーチャを選択します。
  5. [変更] ボタン フィーチャの修正 をクリックします。

    [フィーチャの修正] ウィンドウが表示されます。

  6. [垂直方向に複製] 垂直方向に複製 をクリックし、ツールを使用して追加されるフロアに階段を作成します。
    1. [垂直方向のオフセット] テキスト ボックスに、フロアの相対的な高さを入力します。
    2. [複製回数] テキスト ボックスに、階段を延長するフロアの数を入力します。
      メモ:

      建物のフロアの高さが一定でない場合は、[垂直方向に複製] ツールを、異なるオフセット値を使って複数回実行する必要があります。

    3. 始点と終点が PrelimPathways フィーチャクラスの交点の頂点にスナップされていること、および Z 値を検証します。
    4. [複製] ボタンをクリックします。
    5. 属性テーブルで、追加された階段ごとに From HeightTo HeightFrom LevelTo LevelFrom Vertical Order、および To Vertical Order フィールドを更新します。
  7. PrelimTransitions フィーチャクラスのすべてのフィーチャが作成されるまで、必要に応じてこの手順を繰り返します。
  8. [ジオメトリ属性の計算 (Calculate Geometry Attributes)] ツールを実行し、 [プロパティ] パラメーターに [長さ (3D)] を設定して Length (3D) 属性を計算して正確な移動時間を求めます。

更新された経路の間引き

フィルター設定や選択を使用して [入力レベル フィーチャ] パラメーターのフィーチャをフィルター処理することで、データが入力済みの Indoors ジオデータベースの建物またはフロアのサブセットに対し、[屋内経路の間引き (Thin Indoor Pathways)] ツールを実行することができます。

[屋内経路の間引き (Thin Indoor Pathways)] ツールを、データが入力済みの Indoors ジオデータベースで実行すると、次のように処理が行われます。

  • FACILITY_ID および LEVEL_ID の値が処理対象エリアに一致する [ターゲット経路] の既存の経路フィーチャは削除されます。[入力経路フィーチャ] で指定された更新対称のフィーチャは、[ターゲット経路] に付加されます。
  • FACILITY_ID の値が処理対象エリアに一致する [ターゲット経路] の既存の経路フィーチャは削除されます。[入力遷移フィーチャ] で指定された更新対称のフィーチャは、[ターゲット遷移] に付加されます。

次の手順に従って、更新済み経路を間引きます。

  1. 目標物 (POI)、イベント、ユニットなど、ルート検索に必要なポイントとポリゴンが、新しいエリアで更新されていることを確認します。
  2. 入力ジオデータベースから、ネットワーク データセット (Network_ND) を削除します。
  3. [屋内経路の間引き (Thin Indoor Pathways)] ツールが更新エリアに対して実行されるよう [入力レベル フィーチャ] パラメーターを設定して、ツールを実行します。ルート検索する位置として、更新されたポイントとポリゴンの位置を使用します。

更新された経路の分類

データが入力済みの Indoors ジオデータベースで [屋内経路の分類 (Classify Indoor Pathways)] ツールを実行すると、改築された建物またはフロアの経路ランクをプライマリまたはセカンダリに更新することができます。

[ターゲット経路] パラメーターには、改築されたフロアまたは建物の、更新後の間引き経路フィーチャが入力されます。ツールは、任意の数の建物の 1 フロア以上に対して実行できます。

メモ:

すでにランク付けされている経路でツールを実行しないでください。実行すると、ネットワークのサイズが大きくなります。

  1. 改築されたフロアまたは建物で、間引かれた経路が更新されていることを確認します。
  2. 入力ジオデータベースから、ネットワーク データセット (Network_ND) を削除します。
  3. [屋内経路の分類 (Classify Indoor Pathways)] ツールで、フィルター設定または選択により、特定の空間に対する分類をフィルター処理します。
  4. [屋内経路の分類 (Classify Indoor Pathways)] ツールを実行します。

    更新したフロアまたは建物の経路分類が更新されます。

  5. ネットワーク データセットを作成し構築します。