多くの場合、LAS ファイルは ArcGIS Pro で使用する場合は、完全にあるいは正しく分類されていないため、LAS ポイントの分類を手動で編集することができます。[分類] タブでは、マップまたはシーンの LAS データセットの LAS ファイル上で実行された分類を対話形式で変更できます。選択したポイントに現在設定されている分類コードと分類フラグを対話形式で変更できます。
2D マップまたは 3D シーン内で LAS データセット ポイントを直接編集するか、必要に応じて 3D シーン内で断面図ビュー機能によって、シーンを側面表示にシフトすることもできます。
対話形式で編集できるのは、LAS データセットが参照する LAS ファイル内にその時点で定義されている分類のみです。ディスク上の LAS ファイルの分類コードを変更すると、行った変更が永続的に残ります。試験的なシナリオを実施する場合や、変更を元に戻せるようにする場合は、LAS ファイルのオリジナル データではなくコピーを操作対象にしてください。[LAS の抽出 (Extract LAS)] ジオプロセシング ツールを使用して、LAS ファイルの一部を抽出し、初期テストを実施することもできます。ZLAS ファイルは編集できません。LAS ファイルに抽出し、LAS データセットに再び追加してから分類を編集することを検討してください。
選択
LAS ポイントを 2D マップまたは 3D シーン ビューから選択するには複数のオプションがあります。LIDAR ポイントを分類するときには、データを最大解像度で表示することが有用です。2D マップ ビューでは、LAS データセットが最大解像度で表示されている場合に選択ツールが有効になります。[コンテンツ] ウィンドウで、LAS データセット レイヤーのデータ割合が 100 パーセントになっていることを確認できます。選択ツールの選択後に、ポイントが最大解像度かどうかを判別できます。3D シーン ビューでは、ポイントを最大解像度で選択する必要はありません。
[選択可能なポイント] オプション をクリックして、LAS データセットまたは LAS ファイルのレイヤー プロパティを開きます。レイヤー プロパティのウィンドウで、LAS データセット レイヤー用に選択できるポイントを指定できます。LAS データセットに含まれている分類が、[選択] タブにリスト表示されます。チェックボックスを使用して、特定の分類コードを選択可能にできます。これは、対話形式でポイントを分類する場合に便利です。たとえば、現在分類されていないポイントである特定のフィーチャを再分類する場合には、未分類のポイントのみを選択可能なポイントにすることが考えられます。[選択] タブには、[LAS データセット レイヤー] タブ グループの [分類] タブで [選択可能なポイント] をクリックすることでアクセスできます。
[可視ポイント] ボタン では、表示されている (覆い隠されていない) ポイントのみが選択されます。これにより、背景内に潜んでいるようなポイントを気付かず選択することがなくなります。
次の表に示すいずれかの選択ツールを使用して、ポイントを対話的に選択できます。選択ボタン をクリックすると、ドロップダウン メニューで選択ツールのリストが表示されます。選択ツールを使用しているときに [マップ操作] ツールを使用するには、C キーを押します。
選択ツール | 説明 |
---|---|
四角形 | デジタイズされた長方形に基づいてポイントを選択します。 |
ポリゴン | デジタイズされたポリゴンに基づいてポイントを選択します。 |
なげなわ | デジタイズされたなげなわに基づいてポイントを選択します。 |
円 | デジタイズされた円に基づいてポイントを選択します。 |
ライン | デジタイズされたラインに基づいてポイントを選択します。 |
ボックス | 3D ボックスに基づいてポイントを選択します。 |
球体 | 3D 球体に基づいてポイントを選択します。 |
円柱 | 3D 円柱に基づいてポイントを選択します。 |
電線 | 少数の選択に基づいてラインに沿って一連のポイントを選択するスマートな選択ツール (電線に沿ったポイントなど)。 |
3D 選択ツール
3D ビューで LAS ポイントを選択するために、3 つの 3D 体積ツールがあります。ボックス、球体、または円柱を使用して選択できます。3D 体積の選択ツールでは、ビューに表示されているフィーチャのみが選択されます。
- ボックス (3D のみ) - クリックしてボックスの最初のコーナーを設定します。ポインターを動かしてクリックし、次の 2 つのコーナーの頂点を追加して、長方形平面のフロントとサイドのエッジを作成します。再度ポインターを動かしてクリックし、ボックスの高さを設定します。必要に応じて R キーを押して、ボックスの各ディメンションの正確なリーチ距離を入力します。ボックスの最初のエッジで R キーを使用するときには、リーチ距離の値の入力後にクリックして、ボックスの方向を定義する必要があります。
- 球体 (3D のみ) - 1 回クリックして、球体の中心を設定します。ポインターを動かして 2 回目のクリックを行うか、R キーを押して半径の値を入力することで、球体のサイズを入力します。
- 円柱 (3D のみ) - クリックして、円柱の片側の中心を設定します。ポインターを動かして再度クリックして、円柱のもう一方の側を設定します。ポインターを動かしてクリックし、円柱の半径を設定します。必要に応じて R キーを押して、円柱の形状の正確なリーチ距離と半径距離を入力します。円柱の長さで R キーを使用するときには、リーチ距離の値の入力後にクリックして、円柱の 3D 方向を定義する必要があります。
[電線] 選択ツール
[電線] 選択ツール (3D のみ) は、3D シーン内の少数の選択に基づいてラインに沿って一連のポイントを選択するスマートな選択ツールです。電線に沿って少数のポイントを選択すると、パラメーターの範囲を超えるまで、ツールがラインに沿って複数のポイントを自動的に選択します。ポイントの選択後は、それらを電線の分類コードに再分類できます。可能なだけポイントを拡大して、ラインに沿ってポイントが選択されていることを確認することをお勧めします。3D で最高の結果を得るには、カメラ位置をラインの下に置く必要があるかもしれません。[選択可能なポイント] オプションを使用して、特定のクラス コードが割り当てられたポイントのみを選択することを検討してみてください。
[許容値] の値は、電線のモデル化に使用するポイント間に設定できる 3D における最大距離です。使用する値には、LIDAR ポイントの X、Y、Z ディメンションの位置精度とのリレーションシップが必要です。データの精度が高い場合は小さい値を使用します。データの精度が低ければ、大きい値を使用します。[最大ギャップ] パラメーターを使用して、スマート選択モデリングのギャップを許容できます。電線の一部が LIDAR リターンを返さないことがあります。こうしたデータのギャップは、指定した許容値を超える可能性があります。[最大ギャップ] 値を適用することで、ギャップをまたいで指定した距離までモデリングを続行し、所定の電線のポイントをさらに見つけることができます。
強風時に LIDAR データが収集された場合、その電線は電線が通常示すカテナリー曲線を示さないことがあります。[偏流補正の適用] チェックボックスをオンにして、電線選択ツールに偏流補正のパラメーターを適用します。強風によって電線は一方向に傾斜して揺れる可能性があります。[最大偏角] の値は、電線が中心から回転可能な最大角度です。[最大長] の値は、電線がこの距離より長い場合にはモデリングで風に対する補正を行うことになる、最大長です。
メモ:
場合によっては、電線の選択や再分類は、[電線] 選択ツールよりも断面図ビューで行った方がうまく処理できることがあります。多数の電線を含むタワーがある場合には、範囲内のすべてのラインを一度に選択することができます。
対話形式での LAS ポイントの分類
LAS ポイントを対話的に選択し、編集するには、次の手順に従います。
- [コンテンツ] ウィンドウで LAS データセットまたは LAS ファイル レイヤーを選択します。
- 目的の場所を参照し、LAS ポイントを選択して編集します。
- [LAS データセット レイヤー] の下で、[分類] タブをクリックします。
- あるいは、[断面図ビュー] グループのツールを使用し、分類の必要があるポイント範囲の断面図ビューを作成します。
断面図ビューの詳細については、「断面図ビュー」をご参照ください。
- [選択] ドロップダウン メニューをクリックして、選択ツールを選択します。
- 編集するポイントを選択します。
- [対話的編集] グループで [分類コード] ドロップダウン矢印をクリックして、選択したポイントの新しい分類コードを選択します。分類フラグを設定または消去することもできます。分類フラグを選択し、ドロップダウン メニューで [設定] または [消去] をクリックします。
- [変更を適用] をクリックして、編集をコミットします。
すべての変更は永続的で、元に戻すことはできません。
メモ:
[消去] をクリックして、選択したポイントを消去できます。