ユーティリティ ネットワークは、バルブや回路などの相互接続された物理的アセットと、それらを介して流れる水、天然ガス、電気などの物質を表すマップです。ユーティリティ ネットワークは、ネットワーク トポロジ、接続性ルール、関連付けルールを使用して、データの整合性を維持します。
たとえば、電気ネットワークを編集する場合、電柱を移動すると、それに付属する変圧器も移動することができます。プリセット テンプレートを持つ集合ダクトを作成すると、ネットワークに定義されているネットワーク ルールと関連付けに準拠する内部コンポーネントも作成できます。
ネットワークを作成し整合チェックを完了すると、トレース ツールを使用してネットワークを解析し、接続している関連フィーチャを特定できます。結果は選択セットとして、他のマップ ビューやネットワーク ダイアグラム ビューに反映できます。
次のセクションでは、ユーティリティ ネットワークの編集を開始する際に使用できる基本的なワークフローについて説明します。特定のツールを使用する詳細な手順については、[コンテンツ] ウィンドウを参照するか、キーワードまたは文字列を使用してヘルプを検索してください。
編集ツールの機能の概要については、「ユーティリティ ネットワークの編集について」をご参照ください。
プロジェクトを開く
マップとフィーチャ サービスを含むプロジェクトを開くか、フィーチャ サービスを新しいマップに追加します。ユーティリティ ネットワークは、ブランチ バージョン対応登録されている公開済みフィーチャ サービスを使用して、マップでのみ編集できます。
ヒント:
オンライン ポータルからプロジェクト パッケージをダウンロードするには、ブラウザーに URL を入力します (例: https://utilitynetwork.myorganization.com/portal/home/)。
ポータル接続の詳細については、「ArcGIS Pro からのポータル接続の管理」をご参照ください。
- 必要に応じて、ArcGIS Pro を起動してサイン インします。
- 開始ページで、次のいずれかを実行します。
- プロジェクト を開きます。
- [参照] をクリックして、プロジェクトを参照します。
- プロジェクト テンプレート を使用して、新しいプロジェクトを作成します。
メモ:
[ポータル] 接続でプロジェクトを開くと、プロジェクト パッケージ (*.ppkx) がダウンロードされ、<User Documents>\ArcGIS\OnlineProjects フォルダーに解凍されます。プロジェクトを閉じると、解凍されたプロジェクト ファイル (*.aprx) が最近使用したプロジェクトのリストに表示されます。
- [表示] タブの [ウィンドウ] グループで、[カタログ] ドロップダウン矢印をクリックした後、[カタログ ウィンドウ] をクリックします。
[カタログ] ウィンドウが表示されます。
- マップを右クリックして、[開く] をクリックします。
メモ:
サービスの共有状況に応じて、[プロジェクト] タブまたは [ポータル] タブに表示されます。
新しいブランチ バージョンの作成
ブランチ バージョンを作成する際には、バージョンの名前、オプションの説明、他のユーザーに付与するアクセス レベルを指定します。バージョンの所有者は、これらのプロパティの変更とバージョンの削除をいつでも行うことができます。
- [表示] タブの [ウィンドウ] グループで、[コンテンツ] をクリックします。
[コンテンツ] ウィンドウが表示されます。
- [データ ソース別にリスト] タブ をクリックします。
- フィーチャ サービスをクリックします (例: SDE.DEFAULT (NapervilleElectric_Oracle))。
リボンに [データ ソース] コンテキスト タブが表示されます。
- [バージョニング] タブの [バージョニング] グループで、[新規バージョン] をクリックします。
[新規バージョン] ダイアログ ボックスが表示されます。
- 次の情報を入力します。
- [名前] - 作成するバージョンの名前です。
- [説明] - 新規バージョンの目的を説明する簡潔な文章です。
- [アクセス権] セクションで、次のいずれかをクリックします。
- [プライベート] - 所有者またはジオデータベース管理者のみがバージョンを表示または変更できます。
- [プロテクト] - すべてのユーザーがバージョンを表示できますが、編集できるのは所有者とジオデータベース管理者のみです。
- [パブリック] - 読み取り/書き込み (更新、挿入、削除) の権限を持つすべてのユーザーがバージョンを表示または編集できます。
- [この新規バージョンに変更] をオンにします。
- [OK] をクリックします。
エリアの特定
大きなデータセットを編集する場合、ロケーターを使用して、新しいアセットを作成したりネットワークを変更したりする必要のある住所または道路にズームすることができます。ロケーターは、ポータル接続からプロジェクトに自動的に追加されます。X、Y 位置の検索に特定のロケーターを設定する必要はありません。
- [マップ] タブの [照会] グループで、[場所検索] をクリックします。
- [場所検索] ウィンドウに、住所または道路の交差点を入力し (例: W Bauer Rd & N Eagle St)、Enter キーを押します。
ウィンドウに住所の候補リストが表示されます。
- 住所の候補をダブルクリックするか、次のいずれかを実行します。
- 右クリックし、[ズーム] をクリックします。
- 右クリックし、[画面移動] をクリックします。
マップが住所または道路名にズームまたは画面移動します。
新しいネットワーク フィーチャの作成
ユーティリティ ネットワークを作成すると、新しいフィーチャは、ネットワークに定義されたルールと関連付けに自動的に準拠します。
- [編集] タブの [スナップ] グループで、[スナップ] をクリックして、スナップの基本設定を有効にし、ポインターをマップに戻します。
スナップ設定により、ジャンクションおよびエッジ接続性ルールに準拠するよう自動的に変更されます。スナップはオフにすることはできますが、スナップ先のレイヤーを変更することはできません。
- [編集] タブの [フィーチャ] グループで、[作成] をクリックします。
[フィーチャ作成] ウィンドウが表示されます。
- リストをフィルタリングするために検索ボックスにキーワードを入力します。たとえば、「overhead」と入力し、Enter キーを押します。
検索条件に一致するフィーチャ テンプレートがウィンドウに表示されます。
- ネットワーク フィーチャのアセットを作成するフィーチャ テンプレートをクリックします (例: ヒューズ バンクのアセンブリを作成するプリセット テンプレート)。
ヒント:
プリセット テンプレートを使用すると、1 クリックでアセンブリとそのコンポーネントを作成できます (例: ヒューズ バンクまたはキャビネット内の電気デバイスのクラスター)。関連付けられているフィーチャは、ユーティリティ ネットワークに定義されているルールに自動的に準拠します。
プリセット テンプレートを作成する手順については、「プリセット テンプレートの作成」をご参照ください。
- アクティブなスナップ設定を使用して、ネットワーク フィーチャを作成します。
- 作図ツールバーで、[完了] をクリックするか、F2 キーを押します。
新しく追加されたフィーチャのダーティ トポロジ エリアが作成されます。
ネットワーク トポロジの整合チェック
有効化されたネットワーク トポロジを整合チェックすると、ネットワークが更新されて変更が反映されます。
- [コンテンツ] ウィンドウで [描画順にリスト] タブ をクリックします。
ヒント:
ネットワークに定義されたルール、関連付け、その他のプロパティを表示するには、ネットワーク レイヤーを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
詳細については、「ユーティリティ ネットワーク レイヤー プロパティ」をご参照ください。
- ユーティリティ ネットワーク レイヤーをクリックします (例: Electric Utility Network)
リボンに [ユーティリティ ネットワーク] コンテキスト タブが表示されます。
- [データ] タブの [ネットワーク トポロジ] グループで、[整合チェック] ドロップダウン矢印をクリックし、[現在の範囲] をクリックします。
ネットワーク トポロジが整合チェックされ、ダーティ エリアが消えます。
- [編集] タブの [編集の管理] グループで、[保存] をクリックします。
[編集の保存] ダイアログ ボックスが表示されます。
- [はい] をクリックします。
トレースの実行
ユーティリティ ネットワークをトレースすると、接続されたフィーチャまたは関連付けられたフィーチャで定義されているネットワーク内のパスが解析されます。トレースを構成して、上流、下流、または接続されたループ沿いのフィーチャを特定したり、2 点間の最短パスを特定したりできます。
詳細については、「ユーティリティ ネットワークのトレース」をご参照ください。
ネットワーク ダイアグラムの作成
ネットワーク ダイアグラムは、選択したネットワーク フィーチャとその接続をスケール処理せずに簡潔に示したビューで、ジャンクション、エッジ、コンテナーを表示します。ダイアグラムの表示設定を制御するには、ツリー、回路図、地理的表現などの複数のレイアウトから 1 つを選択します。
詳細については、「ネットワーク ダイアグラムについて」をご参照ください。