ArcGIS Pro は、以前表示した範囲で作業するときに、キャッシュを使用してパフォーマンスを最適化します。このキャッシュは、マップ内のフィーチャを編集する場合など、マップ、レイヤー プロパティ、または含まれるデータを変更するときに更新されます。シーンでは、キャッシュは [3D レイヤー] カテゴリに表示されるジオメトリとシンボルも維持するので、複数のカメラ位置で再利用できます。
ほとんどの場合、レイヤー プロパティのキャッシュ オプションは、キャッシュを頻繁に無効化したり、キャッシュをまったく使用しないように設定できます。これは、フィーチャが第三者によって定期的に更新される (別のユーザーによる編集など) ことがわかっている場合に便利です。
フィーチャ レイヤーに対するキャッシュ
フィーチャ レイヤーのキャッシュ動作は、[レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスで設定できます。
- [コンテンツ] ウィンドウでフィーチャ レイヤーを右クリックし、[プロパティ] をクリックして [レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスを開きます。
- [キャッシュ] タブで、次のいずれかのオプションを選択します。
- [セッション間でキャッシュを維持。データの更新時にキャッシュを無効化]- データが更新されると、キャッシュが削除されます。このオプションでは、キャッシュはデータに変更がない限り、セッション間でキャッシュを維持します。データを更新すると、キャッシュが更新されます。
- [セッション間でキャッシュを維持。指定した分数後にキャッシュを自動的に削除]- 指定した時間制限に基づきキャッシュが自動的に削除されます。データが特定の時間間隔で常に更新されることがわかっている場合は、このオプションを使用します。
- [セッション終了時にキャッシュを削除]- ArcGIS Pro を終了するたびに、キャッシュが破棄されます。
- [キャッシュを作成しない]- 絶えず変化する非常に動的なデータの場合、このオプションを使用します。
[キャッシュの削除] をクリックすると、レイヤーの現在のキャッシュを直ちに削除できます。
Web フィーチャ レイヤー (フィーチャ サービス) に対するキャッシュ
Web フィーチャ レイヤーを操作するときのキャッシュ オプションは、[セッション終了時にキャッシュを削除] と [キャッシュしない] の 2 つだけです。これらのレイヤー タイプでは、スケジュールに沿ってキャッシュを更新したり、セッション終了後もキャッシュを維持するオプションは利用できません。
Web フィーチャ レイヤーとバージョン管理機能に対するキャッシュ
Web フィーチャ レイヤーが公開されていて、バージョン管理サービス (VMS) 機能が有効な場合、キャッシュはアプリケーションによって管理されます。このシナリオでは、キャッシュを使用し、セッションの終了時に削除するオプションがデフォルトで有効になっており、これを変更することはできません。デフォルト バージョンを使用して編集しているときは、引き続きキャッシュを手動でいつでも削除できます。名前付きバージョンで編集しているときは、編集が加えられたが保存または破棄されていない場合は、キャッシュを削除できません。サーバー上で編集が行われたが、現在の ArcGIS Pro セッションにはまだ反映されていない場合には、バージョンが更新されたときにもキャッシュが削除されます。アプリケーションは、フィーチャ サービスから返される編集応答を介して、キャッシュをサーバーと同期しようとします。編集応答が大きすぎる場合、アプリケーションはローカル キャッシュのコピーを破棄します。キャッシュを再開するには保存または破棄する必要があることを示すメッセージが表示されます。編集を保存または破棄すると、アプリケーションの現在の状態を使用して、ローカル キャッシュが再作成されます。
ヒント:
- マップ内のすべてのレイヤーのキャッシュを削除するには、マップ ウィンドウの [更新] ボタン をクリックするか、Ctrl + F5 キーを押します。
- キャッシュ オプションは、複数のレイヤーに対して同時に変更できます。[コンテンツ] ウィンドウで対象のレイヤーをハイライト表示して、その共有プロパティにアクセスします。