ストリーム レイヤーとは、ライブ観測のフィーチャ レイヤーです。フィーチャをマップやシーンに表示する方法やタイミング、その属性を操作する方法を調整することができます。
ストリーミング観測データの表示の管理
ストリーム レイヤーをシンボル表示する以外にも、ライブ観測データを表示する方法をコントロールすることができます。ストリーム レイヤーはソース ストリーム サービスに登録されているため、このサービスから配信される観測データは、情報のライブ ストリームとして表示されます。ストリームを開始および停止したり、新しい観測データが配信されるまでマップやシーンをクリアするために観測データを破棄したりすることができます。フィルター設定を適用して表示する観測データを制限できるほか、観測データの有効期限を設定して、観測データをマップやシーンに表示する期間を指定できます。
ストリームの開始と終了
観測データのライブ ストリームを開始または停止するには、次の手順を実行します。
- [コンテンツ] ウィンドウでストリーム レイヤーを選択します。
- [ストリーミング データ] グループの [データ] タブの [ストリーム レイヤー] で、[ストリームの開始] または [ストリームの停止] をクリックします。
- 観測データを破棄してマップまたはシーンをクリアにするには、[観測の破棄] をクリックします。
フィルター設定の適用
ストリーム レイヤーの表示を絞り込み、特定のタイプの観測データだけを表示することができます。観測データを絞り込むには、フィルター設定を適用します。これは、標準のフィーチャ レイヤーのフィルター設定と似ていますが、いくつかの追加の考慮事項があります。
フィルター設定を適用すると、ストリーム サービスとの新しい接続が確立されるため、表示が更新され、クエリに基づいてストリーミングが再開する前にすべての観測データがマップから消去されます。
ストリーム レイヤーにフィルター設定を適用すると、ストリーム サービスの接続に対してフィルターが適用されるため、クエリの条件を満たす観測データだけがストリーム レイヤーを通過します。つまり、ストリーム サービスが認識していない、OBJECTID や SYS_TIMESTAMP などのフィールドからクエリを構築することはできません。
有効なフィルター設定は、標準のフィーチャ レイヤーよりもストリーム レイヤーの方が限定されています。フィールドとリテラル値 (field1 > 1 など)、または同じタイプの 2 つのフィールド (field1 > field2 など) を比較することができます。演算順序を明確に優先させるには、括弧を使用します。このクエリは、次の演算子のみを使用する SQL where 句でなければなりません。
- AND
- OR
- NOT
- =
- !=
- <
- <=
- >
- >=
- IS NULL
- IS NOT NULL
- IN
- LIKE
ストリーム レイヤーにフィルター設定を適用するには、次の手順を実行します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、ストリーム レイヤーを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
- [レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスの [フィルター設定] タブで [項目の追加] をクリックしてクエリの構築を開始します。
- [OK] をクリックして、レイヤーにフィルターを適用します。
観測データの有効期限の設定
ストリームされた観測データは、マップやシーンに収集されます。観測データが非常に多く、高速でストリームされている場合は、マップやシーンの視覚的なメッセージがわかりにくくなることがあります。そこで、観測データの有効期限を設定しておくと、過去の観測データがマップ上に表示される期間をコントロールできます。収集する観測データの総数、または表示期間のいずれかに対してしきい値を設定できます。
トラック対応でないストリーム レイヤーに対して観測データの有効期限を設定するには、次の手順を実行します。
- [コンテンツ] ウィンドウでストリーム レイヤーを選択します。
- [ストリーム レイヤー] の [データ] タブにある [ストリーミング データ] グループで、[観測の有効期間] 見出しから次のいずれかのオプションを選択します。
- [最大観測数] - そのレイヤーのマップやシーンに蓄積される観測データの総数を指定します。
- [期間] - 期間を指定し、この期間よりも古い観測データがマップまたはシーンから削除されるようにします。
トラック対応のストリーム レイヤーの場合は、マップまたはシーン全体ではなくトラックごとに観測データの有効期限を設定します。トラック対応のストリーム レイヤーに対して観測データの有効期限を設定するには、次の手順を実行します。
- [コンテンツ] ウィンドウでストリーム レイヤーを選択します。
- [ストリーム レイヤー] の [データ] タブにある [ストリーミング データ] グループで、[観測の有効期間] 見出しから次のいずれかのオプションを選択します。
- [トラックあたりの最大観測数] - 各トラックに蓄積される観測データの総数を指定します。
- [トラックあたりの期間] - 期間を指定し、各トラックでこの期間よりも古い観測データがマップまたはシーンから削除されるようにします。
ストリーミング観測データの操作
ストリーム レイヤーの表示方法を指定する以外に、観測フィーチャを選択および表示して、ジオプロセシングの入力として使用することもできます。
観測データの選択
観測フィーチャは、標準のフィーチャ レイヤーと同じように対話的に、あるいは属性を使用して選択できますが、結果として得られる選択から選択レイヤーは作成できません。標準のフィーチャ レイヤーとは異なり、マップやプロジェクトを保存しても、選択はマップやレイヤーで維持されません。
属性テーブルの操作
ストリーム レイヤーの属性テーブルは、ストリーム サービスのブロードキャスト観測に基づく現在のメモリ内の観測データ、フィルター設定 (ある場合)、および観測データの有効期限の設定で構成されます。ストリームを停止し、属性テーブルを開いて、そのストリームを表示します。属性テーブルのレコードを見るには、ストリームを停止する必要があります。属性テーブルには、サービスが停止したときの観測データの静的なスナップショットが表示されます。マップまたはシーンから観測データを破棄すると、これらのレコードは属性テーブルからも消去されます。
チャートの作成
ストリーミング データのチャートを作成して、ストリーミング データ内のパターンとトレンドを調査できます。ストリームを停止し、データのスナップショットからチャートを作成します。
ジオプロセシングでのストリーム レイヤーの使用
ストリーム レイヤーの観測データは、ジオプロセシング ツールへの入力として使用できますが、データは動的なので、ジオプロセシング ツールを開いたら入力ストリームを停止し、処理が完了した後で再開することをお勧めします。
ストリーム レイヤーの共有
ストリーム レイヤーからレイヤー ファイル (*.lyrx) を作成できますが、レイヤー パッケージ (*.lpkx) は作成できません。ストリーム レイヤーを含むマップを Web マップとして共有できますが、マップ レイヤーやストリーム レイヤーをマップ イメージ レイヤーまたは Web フィーチャ レイヤーとして共有することはできません。
ストリーム レイヤーを含むマップやシーンはレイアウトに配置できますが、ストリーム レイヤーはレイヤーとともに適切に印刷したり、エクスポートしたりできません。