ArcGIS Runtime SDK で使用するモバイル シーン パッケージの作成

ArcGIS Runtime SDK で使用するモバイル シーン パッケージの作成に関するベスト プラクティスについて、以下に説明します。

データに関する検討事項

3D オブジェクト シーン レイヤーのテクスチャを最適化するには、[モバイル シーン パッケージの作成 (Create Mobile Scene Package)] ツールの [テクスチャの最適化] パラメーターで [モバイル] オプションを使用することをお勧めします。このパラメーターでは、モバイル デバイスで最大 20 パーセントのテクスチャを最適化できる ETC2 圧縮を使用してテクスチャを作成します。アルゴリズムが最適なテクスチャを検索する必要があるため、パッケージの作成には多大な時間がかかることがあります。

シーンにネットワーク データセットを参照するネットワーク レイヤーが含まれている場合、そのシーンは、ルート検索およびルート案内用の交通ネットワークとしてモバイル マップ パッケージに含まれます。ネットワークが参照しているすべてのフィーチャクラスおよびテーブルは、そのモバイル シーン パッケージの一部になります。そのためシーンの一部ではないレイヤーが含まれる場合があります。たとえば、シーン内にネットワーク レイヤーだけがある場合、パッケージには、そのネットワークに関連付けられている道路、ジャンクション、およびターンのフィーチャクラスが含まれます。

ネットワーク データセットについてモバイル シーン パッケージ化をサポートするには、次のような注意すべき制限があります。

  • ネットワーク データセットをベースマップ内に配置することはできません。
  • ネットワーク データセットは、ジオデータベースの一部でなければなりません。SDC 形式またはシェープファイル形式のネットワークは除外されます。
  • ネットワーク データセットは、ArcGIS Desktop 10 以降のものでなければなりません。ネットワークがそれ以前のバージョンのものである場合は、ジオデータベースとネットワークをアップグレードします。
  • ネットワーク データセットに不明な座標系を指定することはできません。
  • ネットワーク データセットは VB スクリプト エバリュエーターも Python スクリプト エバリュエーターも使用できません。
  • ネットワーク データセットはカスタム COM エバリュエーターを使用できません。
  • ライブ交通量を使用するネットワーク データセットはパッケージ化されますが、ライブ交通量コンポーネントはサポートされていないので使用されません。

モバイル デバイスにモバイル シーン パッケージを配置できるだけの空き容量があることを確認してください。[対象地域] パラメーターを使用して、対象地域 (AOI) が小さいモバイル シーン パッケージを作成します。詳細については、「対象地域に関する検討事項」をご参照ください。

シーンに関する検討事項

ArcGIS Runtime SDK はグローバル シーンのみをサポートしています。水平座標系は、WGS 1984 と Web メルカトル (球体補正) のみサポートされています。グローバル ビュー モードで Web メルカトル (球体補正) のモバイル シーン パッケージを作成するには、ベースマップを作成し、そのベースマップをシーンに追加することを検討してください。詳細については、「ベースマップと標高レイヤー」をご参照ください。

アクセスに関する検討事項

モバイル シーン パッケージを ArcGIS 組織アカウントを持っていないユーザーと共有するには、[匿名での使用] パラメーターを使用します。

匿名での使用を有効化するには ArcGIS Publisher エクステンションが必要です。

メモ:

[匿名での使用] パラメーターは、ArcGIS Publisher エクステンションが ArcGIS Pro でライセンスされている場合のみ、ジオプロセシング ツールで使用できます。

有効期限に関する検討事項

[シーンの有効期限を有効化] パラメーターを使用して、モバイル シーン パッケージの有効期限に関連する追加パラメーターを表示します。

[期限切れのシーンのアクセス] パラメーターを使用して、有効期限の切れたシーンを ArcGIS Runtime SDK アプリで開いたときに実行される操作を制御できます。シーンを警告とともにユーザーに表示するか、ユーザーにシーンが期限切れであることを知らせ、開くことができないようにすることができます。

[有効期限日] パラメーターを使用して、パッケージの有効期限が切れる時間、日付、または日時を設定できます。

シーンの作成者は [有効期限メッセージ] パラメーターを使用して、シーンが期限切れになったときにユーザーが行うべき操作を通知できます。文字数に制限はありません。メッセージには URL、電話番号、特殊文字を含めることもできます。

メモ:

有効期限に関するパラメーターは、ArcGIS Publisher エクステンションが ArcGIS Pro でライセンスされている場合のみ、ジオプロセシング ツールで使用できます。

バージョンの考慮事項

以前の ArcGIS Runtime SDK アプリは、新しい機能をサポートしていない可能性があります。以前のアプリでの問題を回避するために、モバイル シーン パッケージのバージョンのメジャー バージョンが更新され、以前の ArcGIS Runtime SDK アプリがパッケージを開くことを防ぎます。メジャー バージョンは、次の機能により更新される場合があります。

  • ラスター データセットの標高ソース
  • キャッシュされたイメージ サービスの標高ソース
  • TPKX の標高ソース レイヤー、操作レイヤーまたはベースマップ レイヤー
  • キャッシュされたイメージ サービスのベースマップ レイヤーまたは操作レイヤー
  • シーン サービスの操作レイヤー

ArcGIS Runtime SDK アプリ

モバイル シーン パッケージは、100.5 リリース以降のカスタム 3D ArcGIS Runtime SDK アプリでサポートされています。ここには、ArcGIS Earth 1.10ArcGIS Earth Mobile、および ArcGIS AppStudio 4.0 が含まれます。

ArcGIS Runtime SDK でモバイル シーン パッケージを使用する方法については、「ArcGIS Pro からモバイル シーン パッケージを開く」をご参照ください。