ナチュラル アース図法

説明

ナチュラル アース図法は、世界地図を折衷擬円筒図法で投影します。この図法では、外側子午線と極線が交差する部分の角には丸みがあり、地球は丸いことを示します。

この図法は、物理的なデータを表示することを念頭に、2007 年に Tom Patterson が考案しました。Bojan Šavrič、Tom Patterson、Bernhard Jenny が 2011 年にこの図法の数式を提唱しました。この図法は ArcGIS Pro 1.2 以降と ArcGIS Desktop 10.4 以降で使用できます。

ナチュラル アース図法の例
グリニッジを中心にしたナチュラル アース図法による地図投影を示します。

投影のプロパティ

次のサブセクションでは、ナチュラル アース図法のプロパティについて説明します。

経緯線

ナチュラル アース図法は擬円筒図法です。子午線は楕円弧を模する等間隔の多項式曲線です。中心子午線に対してくぼんだ形状であり、緯線とは直角に交差しません。緯線は不等間隔の直線です。赤道、両極、中央子午線は直線として投影されます。中心子午線は、投影された赤道の 0.52 倍の長さになります。境界子午線は、極線と交差する部分に丸みがあります。経緯線は赤道と中心子午線に対して対称的です。

歪み

ナチュラル アース図法は正角でも正積でもありません。一般に、形状、面積、距離、方向、角度に歪みが生じます。歪みのパターンは、一般的な折衷擬円筒図法と似ています。面積の歪みは緯度とともに大きくなりますが、経度による変化はありません。高緯度の面積は強調されます。角度の歪みは地図の中心では軽微ですが、エッジに向かうにつれて大きくなります。歪みの値は、赤道と中心子午線で対称的となります。

使用法

ナチュラル アース図法は一般的な世界地図に適しています。

制限事項

ナチュラル アース図法は球体でのみサポートされます。楕円体の場合、長半径が半径として使われます。

パラメーター

ナチュラル アース図法のパラメーターは次のとおりです。

  • 東距
  • 北距
  • 中央子午線

ソース

Šavrič, B., Jenny, B., Patterson, T., Petrovič, D. and Hurni, L. (2011). "A polynomial equation for the Natural Earth projection." Cartography and Geographic Information Science, 38 (4), p. 363-372. DOI: 10.1559/15230406384363

Jenny, B., Patterson, T. and Hurni, L. (2008). "Flex Projector-Interactive software for designing world map projections." Cartographic Perspectives, 59, p. 12-27. DOI: 10.14714/CP59.245.