横正積円筒図法

説明

横正積円筒図法とは、正積円筒図法のトランスバース アスペクトです。この図法は、指定の子午線上で南北の範囲が広いマップに適しています。

横正積円筒図法は、1772 年に Johann H. Lambert が提唱しました。回転楕円体の数式は、1985 年に John P. Snyder が考案しました。ArcGIS Pro 1.3 以降と ArcGIS Desktop 10.4.1 以降で使用できます。

横正積円筒図法の例
横正積円筒図法を次に示します。

投影のプロパティ

次のサブセクションでは、横正積円筒図法のプロパティについて説明します。

経緯線

横正積円筒図法は横円筒図法です。中心子午線と天底子午線は、投影図中央で 1 本の垂直線として表示されます。

中心子午線から 90°離れた子午線の北側は、北極を通過する水平線として表示されます。同様に、これらの子午線の南側は南極を通過する水平線として表示されます。その他の子午線は、赤道と垂直に交差する複素曲線として投影されます。

赤道は 2 つに分割されます。1 つ目の部分には、中心子午線の 90°の範囲内にある子午線が含まれており、マップ中央の水平の直線として投影されます。これは、投影した領域を 2 つの半球 (北半球と南半球) に分割します。赤道の 2 つ目の部分は、マップ上部と下部の 2 本の直線として投影されます。

その他の緯線は複素曲線です。両極はポイントとして投影され、いずれも各半球の中心にあります。中心子午線からちょうど 90°離れている赤道上の 2 つのポイントは、垂直な直線として投影され、これが投影図の左端と右端になります。回転楕円体では、これら 2 本の線は各極に対してくぼんだ形状の 2 本の曲線になります。

歪み

この図法は、等積 (正積) 図法です。形状、方向、角度、距離には歪みが生じます。投影された中心子午線上と天底子午線上では、縮尺は正確です。中心子午線から 90°ほど離れた場所の形状は歪みが激しく、縦方向に伸びています。縮尺係数が 1 以下の場合、正確な縮尺の線は中心子午線と投影のエッジの間になり、マップの縦方向の伸びは小さくなります。

使用法

横正積円筒図法は、南北の範囲が広い大縮尺のマップに適しています。

パラメーター

横正積円筒図法のパラメーターは次のとおりです。

  • 東距
  • 北距
  • 中央子午線
  • 縮尺係数
  • 中心の緯度

ソース

Snyder, J. P. (1985). "The Transverse and Oblique Cylindrical Equal-Area Projection for the Ellipsoid." Annals of the Association of American Geographers, 75 (3), p. 431-442.

Snyder, J. P. (1987). Map Projections: A Working Manual. U.S. Geological Survey Professional Paper 1395. Washington, DC: United States Government Printing Office.

Snyder, J. P. and Voxland, P. M. (1989). An Album of Map Projections. U.S. Geological Survey Professional Paper 1453. Washington, DC: United States Government Printing Office.