色管理とは、ディスプレイや出力デバイスで色が一貫的に表示されるようにする ArcGIS Pro のアプリケーション設定です。アプリケーションの [設定] ページから有効にできます。色管理はデフォルトでは無効になっています。つまり、色管理は行われません。
色管理の有効化
ArcGIS Pro で色管理を有効にするには、次の手順に従います。
- [プロジェクト] タブをクリックして、アプリケーション設定を開きます。
- [オプション] をクリックして [オプション] ダイアログ ボックスを開きます。
- [アプリケーション] 見出しの下にある [色管理] タブをクリックします。
- [色管理] タブで [色管理の有効化] トグル ボタンをクリックしてオンにします。
有効にすると、ArcGIS Pro の次のプロジェクト アイテムに対して色管理の設定を指定できます。
- マップ
- シーン
- レイアウト
- レポート
- スタイル
[色管理] アプリケーション設定は、色管理される新しいプロジェクト アイテムのデフォルトの色空間とカラー プロファイルを指定し、色がプロジェクト アイテム間で移動するときに使用される色変換ポリシーを決定します。
カラー モデル
色管理されるすべての新しいプロジェクト アイテムに割り当てられる、デフォルトのカラー モデル (RGB か CMYK) を指定します。必要に応じて、各プロジェクト アイテムのカラー モデルを変更することもできます。
カラー プロファイル
カラー プロファイルとは、デバイスが色の値をキャプチャ、レンダリング、その他の解釈方法に対応するファイルで、これらの値をそのデバイスで理解できるようにします。
たとえば、スキャナーなどの入力デバイスに関連付けられているカラー プロファイルでは、デバイスの RGB 値 200,100,100 に対応する、視覚的に正確な赤色を説明します。モニターなどのディスプレイ デバイスや、プリンターなどの出力デバイスについても、同じ色の値の解釈を説明する同様のプロファイルがあります。写真などのドキュメントや、このケースのような ArcGIS Pro プロジェクト アイテムにも同様にカラー プロファイルをタグ付けし、その色の値を理解できるようにします。
色校正したモニターに色を表示したり、プロジェクト アイテム間で移動したり、PDF ファイルやプリンターに出力したりすると、色管理システムはプロファイルとカラー変換ルールを使用して、色が視覚的に変わらないように (Lab などデバイス中立な色空間を通じて) 色の値を新しい値に変換します。
新たに作成したプロジェクト アイテムのデフォルトのカラー プロファイルは、アプリケーション設定で設定します。必要に応じ、各プロジェクト アイテムに対して異なるカラー プロファイルを関連付けることもできます。
ArcGIS Pro アプリケーションで使用可能なカラー プロファイルは次のとおりです。
- sRGB IEC61966-2-1 noBPC
- U.S. Web Coated (SWOP) v2
- Windows オペレーティング システムに保存されたカラー プロファイル
Windows にカラー プロファイルを追加するには、[コントロール パネル] を開いて [色の管理] を探します。[色の管理] ダイアログ ボックスの [カラー プロファイル] タブで、[追加] をクリックします。
カラー変換
デフォルトのカラー プロファイルに加え、[色管理] アプリケーション設定にはカラー変換ルールも含まれます。これらのルールは、1 つのカラー プロファイルから別のカラー プロファイルに色を変換する際の色管理システムのガイドとなります。
カラー変換には 3 つのコンポーネントがあります。
[カラー変換ルール] - カラー プロファイル間で色を移動するときに、その変換方法を指定します。次のオプションから選択します。
[カラー アピアランスを保持]。ほとんどの場合は、このオプションを指定します。このオプションは、色を表示する場所にかかわらず視覚的な一貫性を保つという、色管理の基本的な目的に沿っています。色の値は変更されます。
[カラー値を保持]。この設定はカラー プロファイルを無視し、色を変更しないままデバイス間でやり取りします。色は、視覚的に一貫しない可能性があります。これは、特定の色の値を保持する必要がある場合に使用します。
[レンダリング インテント] - 出力先の色空間に対応する色がない場合、色を変換する方法を指定します。色は、出力先のカラー モデルで描写できるすべての色の色域外 (範囲外) にあります。以下の方法から選択します。
[相対色域]。色域外の色は、色域内で最も近い対応色に変換され、出力先の色空間の白点に対して調整を行います。色域内の色はほとんど影響を受けません。これが望ましいインテントであることが多いため、デフォルトとして設定されています。
[知覚]。ソース色空間の色域全体が、ターゲット色空間の色域に収まるよう圧縮されます。すべての色の色調と彩度が影響を受けますが、色のトーンの視覚的な違いは保持されます。
[彩度]。色域外の色が、出力先の色域内にちょうど収まるように変換されます。色空間全体を圧縮して影響を及ぼすのではなく、ソース色空間がターゲット色空間に収まるよう切詰められます。色調と明るさを犠牲にして、彩度を保持します。
[絶対色域]。相対色域インテントと同様、この方法も色域外の色を色域内で最も近い対応色に変換しますが、ソース色空間のホワイト ポイントに対する調整は行いません。このインテントは、正確な描写を維持するためにスポット カラーが使用されている場合に選択します。
- [黒点補正] - 色を変換したときに、ソース プロファイルの黒点を出力先プロファイルのブラック ポイントに対応させ、その他すべての色を相対的に調整します。黒点は、プロファイル内でレンダリング可能な、最も黒く、最も密度の高い色を指します。マップやレイアウトに小さなブラック タイプが多数含まれる場合は、ブラック ポイント アルゴリズムを使用します。
既存のアイテムまたはインポートされたアイテムの操作
マップ、シーン、レイアウト、スタイルなどのアイテムを ArcGIS Desktop または古い ArcGIS Pro プロジェクトからインポートするとき、カラー モデルは RGB に設定され、カラー プロファイルの sRGB IEC61966-2-1 noBPC および U.S. Web Coated (SWOP) v2 がアイテムに適用されます。
コンピューターにインストールされていないカラー プロファイルをプロジェクトが参照している場合は、警告が表示されます。欠落しているカラー プロファイルをインストールするか、利用できる適切な代替カラー プロファイルを選択します。