BIM クラウド コネクションを使用すると、オンラインの BIM クラウド ストレージ リポジトリ (Autodesk BIM 360 など) のコンテンツにアクセスし、そのコンテンツを ArcGIS Pro で使用できます。
BIM クラウド リポジトリを使用すると、CAD データセット (*.dwg ファイル、*.dgn ファイルなど) および BIM ファイル ワークスペース (*.rvt ファイル) をオンラインに保存できます。ArcGIS プラットフォーム以外で同じデータを操作する他のチームと連携することもできます。リポジトリに接続すると、そこに含まれているフォルダーとファイルを参照し、必要なコンテンツをダウンロードし、プロジェクトで使用できます。
ほとんどの場合、ローカル コンピューターを構成して、クラウド ストアへの接続を確立する際に必要な情報が管理者から提供されます。
メモ:
ArcGIS Pro で現在サポートされている BIM クラウド リポジトリは、Autodesk BIM 360 のみです。
BIM クラウド コネクションの作成
BIM クラウド ストレージ リポジトリにアクセスし、そのデータを ArcGIS Pro で使用するには、BIM クラウド コネクション ファイル (*.bcc) を作成します。
- BIM クラウド コネクションを作成します。
- カタログ ビューを開き、[コンテンツ] ウィンドウの [プロジェクト] をクリックし、カタログ ビューをクリックしてアクティブ化します。リボン上の [カタログ] タブにある [作成] グループで、[新規作成] ドロップダウン矢印 をクリックして、[新しい BIM クラウド コネクション] をクリックします。
- [挿入] タブの [プロジェクト] グループで、[接続] ドロップダウン矢印 をクリックして、[新しい BIM クラウド コネクション] をクリックします。
[BIM クラウド コネクションの追加] ダイアログ ボックスが表示されます。
- [コネクション ファイル名] テキスト ボックスに、アクセスする BIM クラウド ストアの説明的な名前を入力します。
- [接続タイプ] ドロップダウン リストをクリックし、適切な接続タイプをクリックします。
メモ:
ArcGIS Pro で現在サポートされている BIM クラウド リポジトリは、Autodesk BIM 360 のみです。 - [OK] をクリックします。
- [サイン イン] ウィンドウが表示されたら、BIM クラウド リポジトリのアカウントに関する認証情報を指定します。
[サイン イン] ウィンドウに表示されるプロンプトに従って、ArcGIS Pro でのクラウド リポジトリからコンテンツへのアクセスを許可するための応答を指定します。たとえば、Autodesk BIM 360 では、リポジトリのデータにアクセスするには、ArcGIS Pro を認証する必要があります。
BIM クラウド コネクション ファイル (*.bcc) がプロジェクトのホーム フォルダーに作成されます。この接続ファイルを参照しているアイテムがプロジェクトに追加され、BIM クラウド コネクション が [カタログ] ウィンドウとカタログ ビューの [BIM クラウド コネクション] カテゴリ に表示されます。
- BIM クラウド コネクションをダブルクリックして、含まれているアイテムを参照します。
クラウド ストレージ リポジトリのアイテムにマウス ポインターを合わせると、アイテムの名前、タイプ、変更日、場所を含むポップアップ情報が表示されます。アイテムの場所のリンクをクリックすると、元の BIM クラウド リポジトリ アイテムが Web ブラウザーで開きます。プロンプトが表示されたら、ブラウザー ウィンドウでサイン インして、リポジトリにアクセスします。
サイン インして BIM クラウド コネクションのコンテンツにアクセス
BIM クラウド コネクションを作成する場合のプロセスとして、オンライン リポジトリに接続します。既存の BIM クラウド コネクションでプロジェクトを開く場合、リポジトリのコンテンツにアクセスするには、リポジトリへの接続を確立する必要があります。
BIM クラウド リポジトリでサイン イン状態が許可されている場合に、BIM クラウド コネクションの作成時にこのオプションを選択すると、再びサイン インしなくてもリポジトリのコンテンツにアクセスできます。
- [カタログ] ウィンドウまたはカタログ ビューで、[BIM クラウド コネクション] カテゴリをダブルクリックします。
- コンテンツ リストで、BIM クラウド コネクション をダブルクリックします。
- [サイン イン] ウィンドウが表示されたら、BIM クラウド リポジトリのアカウントに関する認証情報を指定し、ArcGIS Pro でリポジトリからデータにアクセスする際に必要なその他の情報を指定します。
BIM クラウド コネクションのアイコン に、BIM クラウド リポジトリに接続されていることを示す緑のチェック マークが表示されます。
- 接続された BIM クラウド コネクションをダブルクリックして、含まれているアイテムを参照します。
メモ:
または、BIM クラウド コネクションを右クリックし、[サイン イン] をクリックしてリポジトリへの接続を確立してから、アイテムをダブルクリックします。
ArcGIS Pro で BIM クラウドのコンテンツを使用
データベース接続のデータまたはアクティブなポータルのレイヤーを使用する場合、これらのアイテムをマップに追加し、ツールで直接解析します。ただし、BIM クラウド コネクションからアクセスされたアイテムを ArcGIS Pro で使用するには、ダウンロードする必要があります。
アイテムのダウンロードは、独立した操作として実行することもできますし、マップまたはシーンにアイテムを追加する際の 1 ステップとして実行することもできます。アイテムがダウンロードされたら、ローカル コンピューターやネットワーク コンピューターで使用できる他の CAD データセットや BIM ファイル ワークスペースのアイテムを使用する場合と同様に使用できます。BIM クラウド リポジトリのコンテンツは、常に、プロジェクトのホーム フォルダーにダウンロードされます。
ダウンロードされたアイテムは、BIM クラウド リポジトリの元のアイテムにリンクされます。リポジトリのローカル アイテムのステータスを確認し、新しいバージョンが入手可能な場合は更新できます。
アイテムのダウンロード
BIM クラウド リポジトリのコンテンツを使用するには、ローカル コンピューターにダウンロードする必要があります。
- [カタログ] ウィンドウまたはカタログ ビューで、BIM クラウド コネクションのアイテムを右クリックします。
- [プロジェクト フォルダーにダウンロード] をクリックします。
アイテムがダウンロードされ、プロジェクトのホーム フォルダーに格納されます。ダウンロードしたアイテムは、ローカルの CAD データセットや BIM ファイル ワークスペースのアイテムと同じ方法で使用できます。
メモ:
CAD データセットや BIM ファイル ワークスペースのアイテムの全体をダウンロードするのに対して、ここでは、BIM クラウド リポジトリの元のアイテムを参照し、データは含まないマニフェストをダウンロードすることができます。BIM クラウド リポジトリのアイテムを右クリックし[マニフェストをプロジェクト フォルダーに保存] をクリックします。マニフェスト ファイル (*.asfm) がプロジェクトのホーム フォルダーにダウンロードされます。マニフェストは、[カタログ] ウィンドウおよびカタログ ビューには表示されません。マニフェストには、アイテムをオンラインでアクセスし表示するために必要な情報が含まれており、カスタムのワークフローを作成する際に役立ちます。
マップまたはシーンにアイテムを追加
1 つのステップで、BIM クラウド コネクションからアイテムをダウンロードし、このアイテムをマップまたはシーンに追加できます。
- [カタログ] ウィンドウまたはカタログ ビューで、BIM クラウド コネクションを参照します。
- アイテムを右クリックするか、Ctrl キーを押しながら追加するアイテムをクリックします。
- 選択したアイテムをマップに追加します。
- [カタログ] ウィンドウから、選択したアイテムを右クリックして、[ダウンロードして現在のマップに追加] をクリックします。このオプションは、アクティブなビューがマップまたはシーンでない場合は利用できません。
- [カタログ] ウィンドウまたはビューから、選択したアイテムを右クリックし、[ダウンロードして新規に追加] をクリックし、必要に応じて [マップ]、[シーン]、または [ローカル シーン] をクリックします。このオプションでは、マップまたはシーンが作成され、そのマップまたはシーンにアイテムが追加されます。
選択したアイテムはダウンロードされ、該当するビューに追加されます。
ダウンロードされたアイテムの更新が入手可能かどうかの確認
BIM クラウド リポジトリでアイテムの新しいバージョンが入手できるかどうかを確認できます。
- [カタログ] ウィンドウまたはカタログ ビューで、プロジェクトのホーム フォルダーを参照します。
- コンテンツ リストで適切な CAD データセットまたは BIM ファイル ワークスペース アイテムを右クリックし、[ステータスの確認] をクリックします。
確認が完了すると、ArcGIS Pro の通知が表示されます。メッセージには、アイテムのローカル コピーがリポジトリのアイテムのバージョンと一致する、一致しない、または、リポジトリからアイテムが削除された、のいずれかが示されます。
ダウンロードしたアイテムの更新
BIM クラウド リポジトリで、ダウンロードしたアイテムの新しいバージョンが入手できる場合、ローカル コピーをダウンロードできます。
- [カタログ] ウィンドウまたはカタログ ビューで、プロジェクトのホーム フォルダーを参照します。
- 適切な CAD データセットまたは BIM ファイル ワークスペース アイテムを右クリックし、[ソースから更新] をクリックします。
アイテムの最新バージョンが BIM クラウド リポジトリからプロジェクトのホーム フォルダーにダウンロードされます。アイテムに関連する既存のファイルが最新バージョンに置き換えられます。更新が完了すると、マップまたはシーンが更新され、アイテムの最新データが表示されます。
BIM クラウド コネクションの管理
BIM クラウド コネクション ファイルは、ArcGIS Pro で他のアイテムを管理する場合と同じ方法で管理できます。次の操作を実行できます。
ただし、壊れた BIM クラウド コネクションを修正する方法は、サーバー接続などの他のアイテムとは異なります。
BIM クラウド コネクションの修正
ArcGIS Pro を使用してアイテムを名前変更、移動、または削除する場合、プロジェクトでは最新が維持されます。一方で、ArcGIS Pro の外部でこれらの操作が実行された場合、プロジェクトでこれらの変更が認識されず、プロジェクトの BIM クラウド コネクション アイテムが無効になる場合があります。
プロジェクトを開くと、ArcGIS Pro は、そのプロジェクトでアイテムが参照するすべてのファイルを検索しようとします。BIM クラウド コネクション アイテムに関連するファイルが特定されない場合、そのアイテムは表示されません。上記のワークフローに従って、新しい接続を作成する必要があります。
プロジェクトの使用時に、ArcGIS Pro の外部で BIM クラウド コネクションに関連するファイルの名前が変更されたり、ファイルが移動されたりした場合に、既存のプロジェクト アイテムからリポジトリのコンテンツにアクセスを試みると、プロジェクトのアイテムの横に無効であることを示す赤い感嘆符が表示されます。感嘆符をクリックし、下記のワークフローに従ってアイテムを修正します。
- [カタログ] ウィンドウまたはカタログ ビューで、BIM クラウド コネクション アイテムの横にある赤い感嘆符 をクリックします。
[BIM コネクションの追加] ダイアログ ボックスが表示されます。[コネクション ファイル名] テキスト ボックスに、選択したアイテムの名前がデフォルトで表示されます。この名前は必要に応じて変更できます。
- [OK] をクリックします。
- [サイン イン] ウィンドウが表示されたら、BIM クラウド リポジトリのアカウントに関する認証情報を指定し、ArcGIS Pro でリポジトリからデータにアクセスする際に必要なその他の情報を指定します。
- プロジェクト内のマップとその他のアイテムを修正するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。[はい] をクリックします。
BIM クラウド コネクション ファイル (*.bcc) がプロジェクトのホーム フォルダーに作成され、名前が指定されます。プロジェクト アイテムが更新され、新しいファイルが参照されるようになり、BIM クラウド リポジトリへの接続が修正されます。
BIM クラウド リポジトリからのサイン アウト
ArcGIS Pro では BIM クラウド リポジトリ アイテムのローカル コピーを操作するため、オンライン アイテムの参照、アイテムのダウンロード、ローカル コンテンツの更新が終了すると、クラウド リポジトリからサイン アウトできます。ダウンロードしたアイテムは、引き続きマップに表示され、空間解析に使用できます。
- [カタログ] ウィンドウまたはカタログ ビューで、BIM クラウド コネクションのアイテムを右クリックします。
- [サイン アウト] をクリックします。
ArcGIS Pro で BIM クラウド リポジトリからサイン アウトします。クラウド ストレージ リポジトリのコンテンツにアクセスするには、もう一度サイン インする必要があります。