LAS オーバーラップの分類 (Classify LAS Overlap) (3D Analyst)

概要

航空機 LIDAR 測量のオーバーラップ スキャンから LAS ポイントを分類します。

LAS オーバーラップの分類 (Classify LAS Overlap)

使用法

  • オーバーラップ ポイントは、異なるフライト ラインで発生したスキャンの別のポイントと近接範囲内に存在する LAS リターンを表します。異なるフライト ラインの複数のポイントが名目ポイント間隔よりも短い距離内に存在する場合、通常、スキャン角度の大きいポイントにオーバーラップとしてフラグが設定されます。オーバーラップ指定により、ポイントをフィルタリングして、視覚化および解析対象から除外することができます。

  • このツールは、複数のフライト ラインのポイント レコードを結合するタイル LAS ファイルで動作するように設計されています。各 LAS ファイルは個別に処理されます。このため、入力 LAS データはファイルごとに処理され、各フライト ラインが個別の LAS ファイルに格納されている場合、重複ポイントは識別されません。[LAS タイルの作成 (Tile LAS)] ツールを使用すると、個々のフライト ラインで構成される LAS ファイルのコレクションを、複数のフライト ラインをマージするタイル ファイルにマージできます。

  • 未分類のオーバーラップ ポイントがあると、規則的なポイント分布を前提とする操作で不適切な結果が発生する可能性があります。ポイント密度および分布が不規則な処理ポイントから得られたデータでは、不要な誤差を生じる可能性があります。オーバーラップ ポイントを分類することで、LAS データをフィルタリングして、一定のポイント密度を生成し、ポイントでより高い誤差が生じる可能性を減らすことができます。

  • LAS ポイントのポイント ソース ID 属性は、収集元のフライト ラインに関する情報を提供します。このツールは、複数のポイント ソース ID が存在するかどうかを判定し、より大きなスキャン角度の ID をオーバーラップとして特定することで、タイル内の LAS データを処理します。処理対象のエリアに、ポイント ソース ID が同じポイントが複数存在する場合、最大強度のスキャン角度を持つポイントのポイント ソース ID を共有するすべてのポイントがオーバーラップとして分類されます。このような理由から、LAS ポイントの評価に使用されるサンプル サイズを LAS データの名目ポイント間隔の約 2 ~ 3 倍のサイズにする必要があります。これより大きいタイル サイズにすると、より小さいスキャン角度値を持つポイントが間違って分類される危険性があるため、避けてください。これより小さいサンプル サイズにすると、オーバーラップ ポイントを正しく識別し分類するのに十分なポイントを取得できない可能性があります。

  • LAS バージョン 1.4 のファイルおよび 6 ~ 8 のポイント記録形式のオーバーラップ ポイントには、オーバーラップ分類フラグが割り当てられますが、元のクラス コード値がそのまま維持されます。サポートされるその他すべての LAS ファイル内のオーバーラップ ポイントには、クラス コード値 12 が割り当てられます。オーバーラップ スキャン以外のイベントを表すためにクラス コード値 12 がすでに入力 LAS ファイルで使用されている場合は、このツールを実行する前に、[LAS クラス コードの変更 (Change LAS Class Codes)] ツールを使用して、それらのポイントに別の値を再割り当てすることを検討してください。

構文

arcpy.3d.ClassifyLasOverlap(in_las_dataset, sample_distance, {extent}, {process_entire_files}, {compute_stats})
パラメーター説明データ タイプ
in_las_dataset

処理対象のタイル化された LAS データセット。

LAS Dataset Layer
sample_distance

LAS データの評価に使用される正方形領域のいずれかのディメンションの距離。この値は、3 メートルなど、数字と距離単位の値で表すことができます。距離単位が指定されないか、Unknown と入力された場合、単位は入力 LAS ファイルの空間参照によって定義されます。

Linear Unit
extent
(オプション)

このツールが評価するデータの範囲を指定します。

  • MAXOF - すべての入力の最大範囲が使用されます。
  • MINOF - すべての入力に共通する最小領域が使用されます。
  • DISPLAY - 範囲は、表示範囲と同じになります。
  • [レイヤー名] - 指定したレイヤーの範囲が使用されます。
  • Extent オブジェクト - 指定したオブジェクトの範囲が使用されます。
  • [座標のスペース区切りの文字列] - 指定した文字列の範囲が使用されます。座標は、x-min、y-min、x-max、y-max の順序で表されます。
Extent
process_entire_files
(オプション)

処理範囲の適用方法を指定します。

  • PROCESS_EXTENT対象地域と交差している LAS ポイントだけが処理されます。これがデフォルトです。
  • PROCESS_ENTIRE_FILESLAS ファイルの一部が対象地域と交差している場合、対象地域の外側にあるポイントも含め、その LAS ファイル内のすべてのポイントが処理されます。
Boolean
compute_stats
(オプション)

LAS データセットで参照されている LAS ファイルの統計情報を計算するかどうかを指定します。統計情報を計算することで、LAS ファイルごとの空間インデックスが提供され、解析と表示のパフォーマンスが向上します。また統計によって、分類コードやリターン情報などの LAS 属性の表示が LAS ファイルに存在する値に制限されるので、フィルタリングとシンボルのエクスペリエンスも強化されます。

  • COMPUTE_STATS統計情報を計算します。
  • NO_COMPUTE_STATS統計情報を計算しません。これがデフォルトです。
Boolean

派生した出力

名前説明データ タイプ
out_las_dataset

変更対象の LAS データセット。

LAS データセット レイヤー

コードのサンプル

ClassifyLasOverlap (LAS オーバーラップの分類) の例 1 (Python ウィンドウ)

次のサンプルは、Python ウィンドウでこのツールを使用する方法を示しています。

arcpy.env.workspace = 'C:/data'

arcpy.ddd.ClassifyLasOverlap('Denver_2.lasd', '1 Meter')
ClassifyLasOverlap (LAS オーバーラップの分類) の例 2 (スタンドアロン スクリプト)

次のサンプルは、スタンドアロン Python スクリプトでこのツールを使用する方法を示しています。

'''****************************************************************************
       Name: Classify Lidar & Extract Building Footprints
Description: Extract footprint from lidar points classified as buildings, 
             regularize its geometry, and calculate the building height.

****************************************************************************'''
import arcpy

lasd = arcpy.GetParameterAsText(0)
dem = arcpy.GetParameterAsText(1)
footprint = arcpy.GetParameterAsText(2)

try:
    desc = arcpy.Describe(lasd)
    if desc.spatialReference.linearUnitName in ['Foot_US', 'Foot']:
        unit = 'Feet'
    else:
        unit = 'Meters'
    ptSpacing = desc.pointSpacing * 2.25
    sampling = '{0} {1}'.format(ptSpacing, unit)
    # Classify overlap points
    arcpy.ddd.ClassifyLASOverlap(lasd, sampling)
    # Classify ground points
    arcpy.ddd.ClassifyLasGround(lasd)
    # Filter for ground points
    arcpy.management.MakeLasDatasetLayer(lasd, 'ground', class_code=[2])
    # Generate DEM
    arcpy.conversion.LasDatasetToRaster('ground', dem, 'ELEVATION', 
                                        'BINNING NEAREST NATURAL_NEIGHBOR', 
                                        sampling_type='CELLSIZE', 
                                        sampling_value=desc.pointSpacing)
    # Classify noise points
    arcpy.ddd.ClassifyLasNoise(lasd, method='ISOLATION', edit_las='CLASSIFY', 
                               withheld='WITHHELD', ground=dem, 
                               low_z='-2 feet', high_z='300 feet', 
                               max_neighbors=ptSpacing, step_width=ptSpacing, 
                               step_height='10 feet')
    # Classify buildings
    arcpy.ddd.ClassifyLasBuilding(lasd, '7.5 feet', '80 Square Feet')
    #Classify vegetation
    arcpy.ddd.ClassifyLasByHeight(lasd, 'GROUND', [8, 20, 55], 
                                  compute_stats='COMPUTE_STATS')
    # Filter LAS dataset for building points
    lasd_layer = 'building points'
    arcpy.management.MakeLasDatasetLayer(lasd, lasd_layer, class_code=[6])
    # Export raster from lidar using only building points
    temp_raster = 'in_memory/bldg_raster'
    arcpy.management.LasPointStatsAsRaster(lasd_layer, temp_raster,
                                           'PREDOMINANT_CLASS', 'CELLSIZE', 2.5)
    # Convert building raster to polygon
    temp_footprint = 'in_memory/footprint'
    arcpy.conversion.RasterToPolygon(temp_raster, temp_footprint)
    # Regularize building footprints
    arcpy.ddd.RegularizeBuildingFootprint(temp_footprint, footprint, 
                                          method='RIGHT_ANGLES')

except arcpy.ExecuteError:
    print(arcpy.GetMessages())

ライセンス情報

  • Basic: 次のものが必要 3D Analyst
  • Standard: 次のものが必要 3D Analyst
  • Advanced: 次のものが必要 3D Analyst

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