概要
レンダリング パフォーマンスを最適化する LAS データセットの表示キャッシュを構築または更新します。
使用法
LAS データセット ピラミッドは LAS データセットと同じ場所 (名前の先頭が LAS データセット名、末尾が .slas のディレクトリ) に保存されます。ピラミッドは通常、LAS データセットが参照する LAS ファイル全体の 3 分の 1 のサイズを占め、段階的に間引かれる複数の LAS ポイント レベルで構成されます。各レベルに含まれるポイントは、ポイントが存在する空間をビン化し、ポイント選択方法を使用してビン化された各領域内で 1 つのポイントを選択することによって決定されます。
LAS データセット ピラミッドを構築すると、メモリ リソースの空き容量を最大限に利用できるようになり、処理速度が上がります。RAM の空き容量が十分でない場合は、必要なメモリがディスクにページングされます。可能な場合は、このツールを実行する前に不要なアプリケーションを終了して、メモリを解放しておくことを検討してください。
LAS ファイルのサイズまたは zLAS ファイルの非圧縮サイズとほぼ同じサイズのテンポラリ ファイルがテンポラリ ワークスペース内に生成されます。テンポラリ ワークスペースが十分な空き容量のある場所に設定されていることを確認します。
ピラミッドが構築された LAS データセットには、ArcGIS Desktop またはリリース 2.6 より前の ArcGIS Pro でサポートされていない新しいスキーマが含まれています。LAS データセットをこれらのアプリケーションで使用したい場合は、[コピー (Copy)] ツールを使用して LAS データセットの複製を作成することを検討してください。この後、複製のデータセット上でピラミッドを構築します。両方の LAS データセットから同じ LAS ファイルを参照することができます。ピラミッドがすでに構築されていて、ピラミッドに対応していないアプリケーションで LAS ファイルを使用する必要がある場合は、[LAS データセットの作成 (Create LAS Dataset)] ツールを使用して、同じファイルを参照する LAS データセットを作成します。ソース LAS ファイルの別のコピーは必要なく、ピラミッドが構築されていない別の LAS データセットが必要となります。
新しい LAS ファイル参照が LAS データセットに追加された場合、既存の LAS ファイル参照が LAS データセットから削除された場合、LAS データセットから参照されている LAS ファイルのクラス コード値がジオプロセシング ツールで更新された場合、LAS データセット ピラミッドは最新のものでなくなります。この状況が発生した場合は、該当する LAS データセット上でこのツールをもう一度実行して、表示ピラミッドを更新することができます。
LAS データセット ピラミッドの構築後は、ポイント選択方法を変更できなくなります。別のポイント選択方法を使用するには、古いピラミッドを削除し、新しい方法でこのツールをもう一度実行します。
LAS データセット ピラミッドは、[LAS データセットからファイルを削除 (Remove Files From LAS Dataset)] ツールを使用して削除するか、[LAS データセット プロパティ] ダイアログ ボックスの [ピラミッド] タブから削除することができます。[LAS データセット プロパティ] ダイアログ ボックスにアクセスするには、[カタログ] ウィンドウまたはカタログ ビューで該当する LAS データセットを右クリックして [プロパティ] オプションを選択します。
構文
arcpy.management.BuildLasDatasetPyramid(in_las_dataset, {point_selection_method}, {class_codes_weights})
パラメーター | 説明 | データ タイプ |
in_las_dataset | 処理対象の LAS データセット。 | LAS Dataset Layer |
point_selection_method (オプション) | ピラミッドを構築する際に、ビン化された各領域のポイントを選択する方法を指定します。LAS データセットにピラミッドが構築されている場合、このパラメーターは無効になります。
| String |
class_codes_weights [class_codes_weights,...] (オプション) | 各クラス コードに割り当てられるウェイト。各間引き領域で、どのポイントを保持するか決定します。このパラメーターは、[ポイント選択方法] パラメーターで [クラス コードのウェイト] オプションが指定されている場合にのみ有効になります。最も高いウェイトを持つクラス コードが、間引き領域に割り当てられます。ある間引き領域で 2 つのクラス コードが同じウェイトを持っている場合、最小ポイント ソース ID を持つクラス コードが保持されます。 | Value Table |
派生した出力
名前 | 説明 | データ タイプ |
derived_las_dataset | 更新された LAS データセット。 | LAS データセット レイヤー |
コードのサンプル
次のサンプルは、Python ウィンドウでこのツールを使用する方法を示しています。
import arcpy
arcpy.env.workspace = 'C:/data'
arcpy.ddd.BuildLasDatasetPyramid('test.lasd', 'MIN_Z')
ライセンス情報
- Basic: 次のものが必要 3D Analyst または Spatial Analyst
- Standard: はい
- Advanced: はい