概要
一連のフィーチャについて、N 番目の (「N」は指定された入力パラメーター) 隣接フィーチャへの最小距離、最大距離、および平均距離を返します。実行結果は、ツールの実行メッセージとして書き込まれます。
図
使用法
一連のフィーチャを指定すると、このツールは、指定された数の隣接フィーチャ (「N」) への最小距離、最大距離、および平均距離を返します。例: [近接フィーチャ数] パラメーターを「8」に設定すると、このツールはすべてのフィーチャとその 8 番目の隣接フィーチャの間にある距離のリストを作成し、このリストから最小距離、最大距離、および平均距離を計算します。
- 最大値は、すべてのフィーチャに少なくとも N 個の隣接フィーチャが必ず存在するように、各フィーチャから移動する必要がある距離です。
- 最小値は、少なくとも 1 つのフィーチャに N 個の隣接フィーチャが必ず存在するように、各フィーチャから移動する必要がある距離です。
- 平均値は、各フィーチャに最も近い N 個の隣接フィーチャを検出するために、各フィーチャから移動する必要がある平均距離です。
[近接フィーチャへの距離を計算 (Calculate Distance Band from Neighbor Count)] ツールは、最小、平均、および最大 N 近傍距離を返します。これらの値は、ツールの実行中に [ジオプロセシング] ウィンドウの下部にメッセージとして書き込まれ、モデルまたはスクリプトでの潜在的な用途のために、出力値として渡されます。このメッセージにアクセスするには、[ジオプロセシング] ウィンドウでプログレス バーの上にカーソルを置くか、ポップアップ ボタンをクリックするか、メッセージ セクションを展開します。ジオプロセシング履歴を介して、以前に実行したツールのメッセージにアクセスすることもできます。
[ホット スポット分析 (Hot Spot Analysis (Getis-Ord Gi*))] や [空間的自己相関分析 (Spatial Autocorrelation (Global Moran's I))] などの一部のツールでは、近傍範囲の [距離バンドまたは距離の閾値] の値を指定できます。このツールからの [最大距離] の出力値を [距離バンドまたは距離の閾値] パラメーターに使用することで、入力フィーチャクラスのすべてのフィーチャに少なくとも N 個の隣接フィーチャが存在するようにできます。
このツールは、[ホット スポット分析 (Hot Spot Analysis (Getis-Ord Gi*))] や [クラスター/外れ値分析 (Cluster and Outlier Analysis (Local Moran's I))] などの [空間統計] ツールボックスのツールとともに使用する [距離バンドまたは距離の閾値] の値を決定する 1 つの方法です。その他の方法については、「固定距離の選択」をご参照ください。
このツールによって返される距離の単位は、ジオプロセシング環境の出力座標系の単位です。
[入力フィーチャクラス] が投影されていない場合 (つまり、座標が、度、分、および秒で与えられた場合)、または出力座標系が地理座標系に設定された場合、弦の測定値を使用して距離が計算されます。弦距離の測定値が使用されるのは、少なくとも互いに約 30° の範囲内のポイントに対して、すばやく算出され、実際の測地距離に非常に近い推定値が得られるという理由からです。弦距離は、短回転楕円体に基づいています。地球の表面上の 2 点が与えられた場合、2 点間の弦の距離は、3 次元の地球内部を通過して 2 点を接続するラインの長さになります。弦距離は、メートル単位でレポートされます。
注意:
分析範囲が 30°を越えて広がる場合、必ずデータを投影してください。30°を超える場合、弦距離は測地距離の良好な推定値にはなりません。
-
ライン フィーチャとポリゴン フィーチャの場合は、距離の計算にフィーチャの重心が使用されます。マルチポイント、ポリライン、または複数のパートを持つポリゴンの場合は、すべてのフィーチャ パートの加重平均中心を使用して重心が計算されます。加重は、ポイント フィーチャの場合は 1、ライン フィーチャの場合は長さ、ポリゴン フィーチャの場合は面積です。
構文
arcpy.stats.CalculateDistanceBand(Input_Features, Neighbors, Distance_Method)
パラメーター | 説明 | データ タイプ |
Input_Features | 距離統計を計算するために使用されるフィーチャクラスまたはレイヤー。 | Feature Layer |
Neighbors | 各フィーチャについて考慮する隣接フィーチャの数 (「N」)。この値には、1 からフィーチャクラスのフィーチャの合計数までの任意の整数を指定する必要があります。各フィーチャとその N 番目の隣接フィーチャの間にある距離のリストは編集され、最大距離、最小距離、および平均距離は [結果] ウィンドウに出力されます。 | Long |
Distance_Method | 各フィーチャから隣接フィーチャまでの距離の計算方法を指定します。
| String |
派生した出力
名前 | 説明 | データ タイプ |
Minimum_Distance | 最小 N 近傍距離。 | Double |
Average_Distance | 平均 N 近傍距離。 | Double |
Maximum_Distance | 最大 N 近傍距離。 | Double |
コードのサンプル
次の Python ウィンドウ スクリプトは、CalculateDistanceBand ツールの使用方法を示しています。
import arcpy
arcpy.env.workspace = "c:/data"
mindist, avgdist, maxdist = arcpy.CalculateDistanceBand_stats("Blocks", 10, "EUCLIDEAN_DISTANCE")
次のスタンドアロン Python スクリプトは、CalculateDistanceBand (欠損値の補完) ツールの使用方法を示しています。
# import module
import arcpy
# Set geoprocessing environment Workspace
arcpy.env.workspace = "c:/data"
# Set variables
infc = "Blocks"
field = "POP2000"
outfc = "PopHotSpots"
neighbors = 10
# Run the CalculateDistanceBand tool to get a distance for use with the Hot Spot tool from the tool result object
mindist, avgdist, maxdist = arcpy.CalculateDistanceBand_stats(infc, neighbors, "EUCLIDEAN_DISTANCE")
# Run the Hot Spot Analysis tool, using the maxdist output from the Calculate Distance Band tool as an input
arcpy.HotSpots_analysis(infc, field, outfc, "Fixed Distance Band", "EUCLIDEAN_DISTANCE", "None", maxdist)
環境
- 出力座標系
フィーチャ ジオメトリは分析に先立って出力座標系に投影されます。すべての数学的演算は、出力座標系の空間参照に基づいて実行されます。[出力データの座標系] が度、分、および秒に基づく場合、測地距離は弦距離を使用して推定されます。
ライセンス情報
- Basic: はい
- Standard: はい
- Advanced: はい