ジオプロセシング ツールの使用

ジオプロセシング ツールは、他にも用途がありますが、空間解析に不可欠です。 空間解析には、場所の比較、場所間の関係性の決定、最適な位置と経路の検索、パターンの検出、予測の実行などの操作が含まれます。 ほとんどのジオプロセシング ツールは、入力データセットに作用して、出力データセットを作成します。 一部のツールは、入力データセットの属性またはジオメトリを変更します。 いくつかのツールには、レイヤー上での選択セットの作成や、メッセージまたはレポートの生成など、その他の効果があります。

概要

  • 視聴時間: 2:43
  • このビデオは ArcGIS Pro 2.3 を使用して作成されています。

このチュートリアルでは、ジオプロセシング ツールを使用して空間的な問題を解きます。

  • 所要時間: 45 分
  • ソフトウェア要件: ArcGIS Pro

プロジェクトを開く

Nassella tussock (以下、ナセラ タサク) は、1800 年代後半にニュージーランドに偶然持ち込まれた侵略的な雑草です。 現在では、南島のマールバラ地方およびカンタベリー地方に定着しています。 この雑草は、短期間で広がって他の植物を押し出し、根絶することが困難です。 家畜が食べないため、牧畜農業に対する脅威になります。 ナセラ タサクの種は、主に風で広まりますが、動物、人、車両によっても広まります。

ナセラ タソク
侵略的な雑草ナセラ タソクが表示されます。 Harry Rose による画像 (オーストラリア、サウス・ウェスト・ロック)。 Wikimedia Commons からダウンロードされ、Creative Commons 2.0 ライセンスの下で使用される。

このチュートリアルでは、有料キャンプ場 (キャンピングカー用のキャンプ場) の近くに生えているナセラ タサクを検索します。 レクリエーション活動中にキャンプする人がこの雑草に触れると、その種を衣類や道具類に付着させてしまい、キャンプ場を離れるときに持ち出してしまう可能性があります。 解析によってナセラ タサクが有料キャンプ場の近くに生えていることを示せば、農業関係の職員は、キャンパーがこの雑草を識別して避けるのに役立つ情報を提供することができます。

この解析は、3 つの部分で構成されます。 最初に、有料キャンプ場の周囲にバッファー、つまり近接ゾーンを作成します。 次に、それらのバッファーのうちのどれにナセラ タサクが含まれているかを確認します。 最後に、バッファー内のナセラ タサクの量を計算します。

  1. 必要に応じて、ArcGIS Pro を起動してサイン インします。
  2. 開始ページにある最近使用したプロジェクトの下で、[別のプロジェクトを開く] をクリックします。
    注意:

    プロジェクトをすでに開いている場合は、リボン上の [プロジェクト] タブをクリックします。左側にあるメニュー アイテムのリストで [開く] をクリックします。[開く] ページで [ポータル] をクリックし、ページの下部にある [別のプロジェクトを開く] をクリックします。

  3. [プロジェクトを開く] ダイアログ ボックスで、[ポータル] ポータル の下の [ArcGIS Online] ArcGIS Online をクリックします。
    注意:

    代わりに [ArcGIS Enterprise] ArcGIS Enterprise が表示された場合は、ポータル接続を追加するか、アクティブなポータルArcGIS Online に設定する必要があります。あるいは、ブラウザーでチュートリアル データをダウンロードすることもできます。

  4. ダイアログ ボックスの上部にある [検索] ボックスに「Use geoprocessing tools tutorial」と入力して Enter キーを押します。
  5. 検索結果のリストで、[Use geoprocessing tools] をクリックして、プロジェクト パッケージを選択します。
    注意:

    この名前のプロジェクト パッケージが複数ある場合、[所有者] 列を確認します。所有者の名前が [ArcGISProTutorials] のアイテムを選択します。結果が表示されない場合は、「検索結果が返されない」をご参照ください。

  6. [OK] をクリックします。

    プロジェクトが開き、ニュージーランドのマールバラ地方が表示されます。 有料キャンプ場が、ナセラ タサクの既知の分布とともに表示されます。

    [Nassella Tussock Range] レイヤーは、特定の場所での植物の密度を表していません。 マークが付けられたエリアは、植物が密集している場合もあれば、散在しているだけの場合もあります。

    ニュージーランドのマールバラ地方を表示するマップ

[ジオプロセシング] ウィンドウを開く

解析を実行するには、[ジオプロセシング] ウィンドウからツールを実行します。 まず、これらのツールが ArcGIS Pro 内でどのように整理されているかを確認します。

  1. リボンの [表示] タブをクリックします。 [ウィンドウ] グループで [ウィンドウのリセット] ウィンドウのリセット をクリックし、[ジオプロセシング用にウィンドウをリセット] をクリックします。

    これにより、[コンテンツ][カタログ]、および [ジオプロセシング] ウィンドウが開き、他のウィンドウが閉じられます。 [ジオプロセシング] ウィンドウの [お気に入り] タブで、いくつかの一般的なジオプロセシング ツール ([バッファー (Buffer)] など) に簡単にアクセスできます。

    ヒント:

    他のウィンドウをリセットせずに [ジオプロセシング] ウィンドウにアクセスすることもできます。 これを行うには、リボンの [解析] タブにある [ジオプロセシング] グループで、[ツール] ツール をクリックします。

  2. [ジオプロセシング] ウィンドウで、[ツールボックス] タブをクリックします。

    カテゴリ別に整理されたツールボックスのリストを確認します。

  3. [解析ツール] > [近接] の順に参照します。
    [ジオプロセシング] ウィンドウの [解析ツール]

    ツールボックス ツールボックス には、組み込みツール ツール、スクリプト ツール スクリプト、またはモデル ツール モデル が含まれている場合があります。 ツールのより小さいコンテナーであるツールセット ツールセット が含まれている場合もあります。 ツール タイプの詳細については、「ジオプロセシングの用語」をご参照ください。

    [近接] ツールセットには、フィーチャ間およびフィーチャ周囲の距離を解析するためのツールが含まれています。

  4. [近接] ツールセットで [バッファー (Buffer)] をクリックします。

    [ジオプロセシング] ウィンドウで [バッファー (Buffer)] ツールが開きます。 一部のパラメーターは空白であり、その他のパラメーターにはデフォルト値があります。 必須パラメーターには、赤いアスタリスクでマークが付けられています。

  5. マウス ポインターを [ヘルプ] ボタン ヘルプ に合わせます。

    スクリーンチップに、ツールの説明と図が表示されます。 [バッファー (Buffer)] ツールは、フィーチャの周囲に距離ゾーンを作成します。 通常、[バッファー] は、別のレイヤー内のフィーチャに近い、あるレイヤー内のフィーチャを検索するために使用されます。 この場合、キャンプ場に近いナセラ タサクを検索します。

有料キャンプ場のバッファーの作成

ここで、パラメーターを設定してツールを実行します。

  1. [バッファー (Buffer)] ツールで [入力フィーチャ] ドロップダウン矢印をクリックし、[Commercial Campgrounds] をクリックします。
    注意:

    ArcGIS Pro の Advanced ライセンスをお持ちの場合は、入力フィーチャの設定時に [サイド タイプ] および [エンド タイプ] パラメーターが削除されたことに気づかれるかもしれません。 ポイント フィーチャ バッファーでは、これらのパラメーターは使用されません。 ArcGIS Pro の Basic または Standard ライセンスをお持ちの場合は、これらのパラメーターは使用できないので、まったく表示されません。 ライセンス レベルの違いの一般的な情報については「ArcGIS Desktop ライセンス レベル」をご参照ください。

  2. デフォルトの [出力フィーチャクラス] の名前を [Campground_Buffers] に変更します。

    [出力フィーチャクラス] パラメーターにマウス ポインターを合わせると、プロジェクトのジオデータベースの絶対パスが表示されます。 このパスの最後にあるデータセット名をハイライト表示させて置き換えるか、パス全体を削除して新しいフィーチャクラス名を入力します。 絶対パスは、ツールを実行すると自動的に元に戻ります。

    ヒント:

    フィーチャクラス名にはスペースを含めることができません。 単語を区切るには、アンダースコアを使用します。

  3. [バッファーの距離 [値またはフィールドを指定]] ボックスに、「1.5」と入力します。
  4. 横にある距離単位のドロップダウン リストをクリックして、[キロメートル] をクリックします。

    ツールは、14 個のバッファー フィーチャ (キャンプ場ごとに 1 つ) を含むポリゴン フィーチャクラスを作成します。 バッファー フィーチャは、キャンプ場を中心にした半径 1.5 キロメートルの円です。 キャンパーは、徒歩時および自転車乗車時に、ナセラ タサクに接触する可能性が最も高くなると推測されます。

  5. [方法][ディゾルブ タイプ] などのツール パラメーターにマウス ポインターを合わせます。

    情報アイコン 情報 がパラメーターの横に表示されます。

    [バッファー (Buffer)] ツールのパラメーター

    情報アイコンにマウス ポインターを合わせると、パラメーターおよびその設定に関する説明が表示されます。 [方法] パラメーターおよび [ディゾルブ タイプ] パラメーターでは、デフォルト値をそのまま使用します。

  6. [ジオプロセシング] ウィンドウの下部にある [実行] 実行 をクリックします。

    ツールの実行が終了すると、[ジオプロセシング] ウィンドウの下部に、完了を通知するメッセージが表示されます。

    ヒント:

    完了を通知するメッセージで [詳細の表示] をクリックするか、その上にポインターを置き、処理に関する情報を確認します。

    新しい [Campground_Buffers] フィーチャクラスがプロジェクト ジオデータベース内に作成され、レイヤーがマップに追加されます。 現在の縮尺では、恐らくバッファーは、キャンプ場のシンボルによって目立たなくなります。

    注意:

    [ジオプロセシング] ウィンドウで、[出力フィーチャクラス] パラメーターの横に警告アイコン 警告 が表示されます。 これは、このフィーチャクラス名が使用中であることを意味します。 この名前を変えないで再びツールを実行すると、既存のデータを上書きします。

  7. [コンテンツ] ウィンドウで [Commercial Campgrounds] レイヤーをオフにします。
  8. [Campground_Buffers] レイヤーを右クリックし、[レイヤーにズーム] レイヤーの全体表示 をクリックします。

    デフォルトのシンボルは部分的に透明ですが、バッファー内のナセラ タソクを見やすくするため、アウトラインに変更します。

  9. [コンテンツ] ウィンドウで、[Campground_Buffers] レイヤーのシンボルをクリックします。
    [Campground Buffers] レイヤーのシンボル

    [シンボル] ウィンドウが開き、ポリゴン シンボルの書式設定オプションが表示されます。

  10. 必要に応じ、[シンボル] ウィンドウの上部にある [ギャラリー] タブをクリックします。
  11. 検索ボックスに「outline」と入力して Enter キーを押します。

    ArcGIS 2D スタイルでは、一部のシンボルが見つかります。 詳細を確認するには、シンボルにマウス ポインターを合わせます。

  12. [黒 (アウトライン付き - 1 ポイント)] シンボルをクリックして選択します。

    [ギャラリー] タブの [黒 (アウトライン)] シンボル

    シンボルがマップ上で更新されます。

  13. [コンテンツ] ウィンドウで [Campground_Buffers] レイヤー名を右クリックし、[属性テーブル] Open Table をクリックします。

    [Campground_Buffers] テーブルで、[バッファー (Buffer)] ツールに入力された [Commercial Campgrounds] レイヤーから名前属性と住所属性がコピーされています。 BUFF_DIST フィールドに、メートル単位で表されたバッファー距離が表示されます。

  14. 属性テーブルを閉じます。
  15. リボンの [マップ] タブをクリックします。 一部のバッファーを拡大して調べ、それらがナセラ タサクを含んでいるかどうかを確認します。
  16. 完了したら、[ナビゲーション] グループで、[ブックマーク] ブックマーク をクリックして [Campgrounds] をクリックします。
    キャンプ場のバッファーおよびナセラ タサクのマップ
  17. [クイック アクセス ツールバー] で、[保存] 更新 をクリックして、プロジェクトを保存します。

ナセラ タサクを含んでいるバッファーの選択

目視確認も有効ですが、ナセラ タサクを含むバッファーを検出する方法として、解析を行うことをお勧めします。 対象フィーチャを検出する一般的な方法は、テーブル属性を解析する [属性条件で選択 (Select By Attributes)] 属性条件で 選択 と、空間リレーションシップを解析する [空間条件で選択 (Select By Location)] 空間条件で検索 の 2 つです。 今回は、あるレイヤー (Campground_Buffers) のフィーチャのうち、別のレイヤー (Nassella Tussock Range) のフィーチャと共通のエリアを含むフィーチャを検出したいため、[空間条件で選択 (Select By Location)] を使用します。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、必要に応じて [Campground_Buffers] レイヤーをクリックして選択します。
  2. リボンの [マップ] タブの [選択] グループで、[空間条件で選択 (Select By Location)] 空間条件で検索 をクリックします。

    [空間条件で選択 (Select By Location)] ウィンドウが表示されます。

    注意:

    便宜上、一部のジオプロセシング ツールはフローティング ウィンドウで開きます。 これらのツールも [ジオプロセシング] ウィンドウで開くことができます。

    このツールに必須のパラメーターは、評価対象の空間リレーションシップです。 状況に応じて、フィーチャが他のフィーチャと交差しているか、他のフィーチャを含んでいるか、他のフィーチャに接しているか、他のフィーチャから一定の距離内にあるかを把握できます。

    この状況では、含んでいることが適切なリレーションシップであると思われます。これは、ナセラ タサクを含むキャンプ場のバッファーを検出する必要があるためです。 ただし、この選択では制限が厳しすぎます。 ナセラ タサクの発生域の一部がバッファー内にあり、一部がバッファー外にあると想像してください。 この発生域は、解析に関連していますが、バッファーに含まれておらず、バッファーと交差しているだけです。 一方、発生域全体がバッファー内にある場合、バッファーはこの発生域を含み、かつこの発生域と交差しています。 したがって、交差のリレーションシップを使用するほうが適切です。

    あるフィーチャを含んでおり、別のフィーチャと交差しているバッファーの例
    このバッファーは、2 つのフィーチャのうちの 1 つだけを含んでおり、両方のフィーチャと交差しています。 交差は、部分的な重複と、完全な重複を含んでいます。
    ヒント:

    ツールの [ヘルプの表示] ボタン ヘルプを表示 をクリックすると、ヘルプ トピックを開くことができます。 ヘルプ トピックの [サマリー] セクションおよび [使用法] セクションでは、ツールに関する一般的な情報が得られます。 [構文] セクションで、パラメーターを説明しています。 ジオプロセシング ツールのヘルプ トピックの編成の詳細については、「ツール リファレンス ページの構造」をご参照ください。 さまざまなフィーチャ タイプ (ポイント、ライン、およびポリゴン) に関する空間リレーションシップの定義方法の説明については、「空間条件で選択: 図の例」をご参照ください。

  3. [空間条件で選択 (Select By Location)] ツールで、[入力フィーチャ] パラメーターがデフォルトで [Campground_Buffers] に設定され、[リレーションシップ] パラメーターが [交差する] に設定されていることを確認します。
  4. [選択フィーチャ] ドロップダウン矢印をクリックし、[Nassella Tussock Range] をクリックします。
    [空間条件で選択 (Select By Location)] ウィンドウのパラメーター

    入力フィーチャ レイヤー内のフィーチャは、選択されることになるフィーチャです。 植物と交差しているキャンプ場バッファーおよびキャンプ場バッファーと交差していない植物の発生域を確認します。

    [空間条件で選択 (Select By Location)] ツールが新しいデータセットを作成しないため、出力フィーチャクラス パラメーターはありません。入力フィーチャ レイヤー上で選択セットが作成されます。

  5. [OK] をクリックします。
    マップ上で選択されたバッファー

    4 つのバッファーがマップ上で選択されます。 この数はマップ ビューの下部に表示されたメッセージで確認できます。

    選択されたバッファーのうちの 2 つは、ナセラ タサクが蔓延しているエリアに存在しますが、残りの 2 つはそのエリアに存在しません。 これは、選択された 4 つのバッファーには、これらを他のバッファーと区別する地理的な関係性があるかどうかという疑問を提起しています。

  6. [コンテンツ] ウィンドウで、[Roads] レイヤーをオンにして展開します。

    選択された 4 つのバッファーは、高速道路で接続されています。 このことは、道路網がナセラ タサクの拡がりを促進していることを示唆しています。 一方、選択されていない多くのバッファーも、高速道路で接続されています。

    どのキャンプ場が最も頻繁に訪問されているか、および行楽客が一般的に複数のキャンプ場を訪問しているかどうかを知ることは有意義ではありますが、これらの質問は、このチュートリアルの範囲を超えています。

  7. [Roads] レイヤーをオフにして、[Populated Places] レイヤーをオンにします。

    選択された 4 つのバッファーのうちの 3 つは、人口の多い場所と交差しています。 同時に、多くの人口の多い場所の近くには、ナセラ タサクが存在しません。 この短期間の調査は決定的なものではありませんが、空間選択は、データに含まれるパターンを発見し、詳細な解析への意欲を高めるための適切な手段となります。

  8. [Populated Places] レイヤーをオフにします。
  9. [クイック アクセス ツールバー] で、[保存] 更新 をクリックします。

バッファー内のナセラ タサクの定量化

最後に、選択されたバッファー内に存在するナセラ タサクの量を特定します。 この情報はキャンプ場と共有できるため、処理の優先順位付けに役立ちます。 これらの計測値は、今後の年度での比較の基準値の役割を果たすこともできます。

使用するツールは、[エリア内での集計 (Summarize Within)] です。 このツールは、[解析] ギャラリーから開きます。 [解析ツール] ギャラリーは、頻繁に使用される解析ツールにアクセスするための便利な場所です。

  1. リボンの [解析] タブをクリックします。
  2. [ツール] グループで、[解析ツール] ギャラリーを展開します。
    [解析ツール] ギャラリー
    注意:

    ArcGIS Pro ウィンドウのサイズによっては、[解析ツール] ギャラリーはリボン上でボタン 解析ツール ギャラリー として表示されることがあります。

  3. [データの集約] で、[エリア内での集計 (Summarize Within)] ツールにマウス ポインターを合わせて、その説明に目を通します。

    このツールの機能の 1 つは、あるレイヤーのポリゴン内のエリアが別のレイヤーのポリゴン内にどれだけ含まれているかを計算します。 これが目的の操作です。

    ヒント:

    [解析] ギャラリーをカスタマイズできます。

  4. [解析] ギャラリーの [エリア内での集計 (Summarize Within)] をクリックして、このツールを [ジオプロセシング] ウィンドウで開きます。
  5. [入力ポリゴン] ドロップダウン矢印をクリックして、[Campground_Buffers] をクリックします。

    入力レイヤー上に選択セットが存在する場合、ジオプロセシング ツールは選択されたフィーチャに対してのみ作用します。 この場合、選択された 4 つのキャンプ場のバッファーのみが処理され、出力フィーチャクラスに書き込まれます。

  6. [入力集計フィーチャ] ドロップダウン矢印をクリックし、[Nassella Tussock Range] をクリックします。
  7. [出力フィーチャクラス] で、名前を [Tussock_Within_Buffers] に変えます。

    [バッファー (Buffer)] ツールと同様に、[エリア内での集計 (Summarize Within)] ツールはフィーチャクラスを作成します。 出力フィーチャの形状は、入力フィーチャと同じです。 唯一の違いは属性テーブル内にあります。

  8. [集計エリアの単位] ドロップダウン矢印をクリックして、[ヘクタール] をクリックします。
    [エリア内での集計 (Summarize Within)] ツールのパラメーター

    1 ヘクタールは 10,000 平方メートルに等しいメートル単位系であり、おおよそ 2.5 エーカーです。

  9. [実行] 実行 をクリックします。

    このツールが完了すると、[Tussock_Within_Buffers] フィーチャクラスがプロジェクトのジオデータベース内に作成され、レイヤーがマップに追加されます。

  10. リボンの [マップ] タブをクリックします。 [選択] グループで、[選択解除] 消去 をクリックします。
  11. [コンテンツ] ウィンドウで [Campground_Buffers] レイヤーをオフにします。

    [Tussock_Within_Buffers] レイヤーには 4 つのフィーチャがあり、選択された 4 つのキャンプ場のバッファーにそれぞれ対応しています。

  12. [コンテンツ] ウィンドウで、[Tussock_Within_Buffers] レイヤーを右クリックし、[属性テーブル] Open Table をクリックします。
  13. テーブルで [BUFF_DIST] フィールドの見出しを右クリックして [フィールドを非表示] フィールドを非表示 をクリックします。 [ORIG_FID][Count of Polygons][Shape_Length]、および [Shape_Area] フィールドも非表示にします。

    残りの表示フィールドを示す属性テーブル

    Summarized area in HECTARES フィールドに解析結果が表示されます。 [Nassella Tussock Range] レイヤーは、植物が見つかったエリアを表しており、実際の植物の密度を表していないことに注意してください。

    ヒント:

    非表示のフィールドを表示するには、テーブル ビューで [メニュー] ボタン メニュー をクリックし、[すべてのフィールドを表示] をクリックします。

  14. テーブルを閉じます。

解析結果の視覚化

この調査では、サンプル数が少ないため、それらを属性テーブルで比較するのは簡単です。 一方、サンプル数が多い場合は、チャートが比較に適したツールになります。 解析結果のバー チャートを作成しましょう。

  1. [コンテンツ] ウィンドウで、[Tussock_Within_Buffers] レイヤーを右クリックします。 [チャートの作成] チャートの作成 をクリックし、[バー チャート] バー チャートの作成 をクリックします。

    [チャート プロパティ] ウィンドウが表示されます。 チャート ビューも表示されます。 このビューは、[チャート プロパティ] ウィンドウを構成するまで空です。

  2. [チャート プロパティ] ウィンドウの上部で、[データ] タブが選択されていることを確認します。 [カテゴリまたは日付] ドロップダウン矢印をクリックし、[Name] をクリックします。

    チャート ビューのチャートの X 軸にキャンプ場名が表示されます。 その時点で、チャートに、キャンプ場あたりの名前数 (1) が表示されます。 数値フィールドをチャートに選択し、集約設定を変更する必要があります。

  3. [チャート プロパティ] ウィンドウの [数値フィールド] で、[選択] をクリックし、[Summarized area in HECTARES] チェックボックスをオンにします。 [適用] をクリックします。
  4. [集約] の下でドロップダウン矢印をクリックし、[<なし>] を選択します。

    チャートのパラメーター

    注意:

    集約が必要なのは、チャートを作成するカテゴリの値がレイヤー属性テーブルの複数のレコードで表されている場合のみです。 この場合、各キャンプ場名は、テーブル内の 1 つのレコードに対応しています。 カテゴリ値の集約の詳細。

    チャートの Y 軸とデータ バーが更新され、各キャンプ場近隣のナセラ タサクのあるエリアが表示されます。

  5. [チャート プロパティ] ウィンドウの上部にある [一般] タブをクリックします (表示されない場合は、[その他] オプション をクリックし、ドロップダウン リストの [一般] をクリックします)。
  6. [チャートのタイトル] ボックスで、現在のタイトルを「有料キャンプ場の近くのナセラ タサク」に置き換えて Enter キーを押します。

    チャートのタイトルが更新されます。

  7. [X 軸のタイトル] ボックスで、現在のタイトルを「キャンプ場名」に置き換えて Enter キーを押します。
  8. [Y 軸のタイトル] ボックスで、現在のタイトルを「生息範囲 (ヘクタール)」に置き換えて Enter キーを押します。
  9. 必要に応じて、ArcGIS Pro ウィンドウを最大化するか、チャート ビューをドッキング解除してサイズ変更し、チャートがよく見えるようにします。
    バー チャート

    デフォルトでは、データ マーカーは [Tussock_Within_Buffers] レイヤーのシンボルと一致しています。 アウトライン シンボルはマップ上では有益ですが、チャートでは見栄えがよくありません。

  10. [チャート プロパティ] ウィンドウで、[シリーズ] タブをクリックします。 フィールドのテーブルの [シンボル] 列で、シンボルをクリックしてカラー パレットを開きます。 パレットにある好みの色をクリックします。

    チャート上のデータ マーカーの色が更新されます。 ただし、キャンプ場名の一部は切れて表示されます。 これは、X 軸のラベルがデフォルトで 11 文字に制限されているためです。

  11. [チャート プロパティ] ウィンドウで、[軸] タブをクリックします。 [X 軸] にある [ラベル文字制限] 設定を「30」に変更して、Enter キーを押します。

    各キャンプ場のフル ネームが表示されます。

  12. [チャート プロパティ] ウィンドウで、[データ] タブをクリックします。 ウィンドウの下部の [データ ラベル][バーにラベル付け] チェックボックスをオンにします。

    バーには正確な値のラベルが付いていますが、それほど多くの小数点以下の桁を表示する必要はありません。

  13. ウィンドウの上部にある [軸] タブをクリックします。 [数値形式] で、[数値フィールド タイプの表示形式を決定] 数値フィールド タイプの表示形式を決定 をクリックします。
  14. 表示されるウィンドウで、[カテゴリ] ドロップダウン矢印をクリックして、[数値] をクリックします。 [桁数設定] で、小数の桁数を「2」に変更します。

    数値の表示オプションを示すウィンドウ

  15. [適用] をクリックします。
  16. 必要に応じて、チャートのサイズを変更します。

    変更されたバー チャート

  17. チャート ビューを閉じます。
    ヒント:

    後でチャートにアクセスするには、[コンテンツ] ウィンドウで、[Tussock_Within_Buffers] レイヤーを展開します。 [チャート] の下でチャートを右クリックして [開く] 開く をクリックします。

  18. [クイック アクセス ツールバー] で、[保存] 更新 をクリックします。

ジオプロセシング履歴の表示

ArcGIS Pro には、プロジェクトで使用するジオプロセシング ツールの記録が保存されます。 このジオプロセシング履歴は、ツールが実行された順序を表示し、ツールのパラメーター設定を保存します。 ジオプロセシング履歴は、手順を再びたどり、異なる設定でツールを実行して別の結果を調査し、ワークフローを変更するのに役立ちます。 履歴を使用して、ジオプロセシング モデルを構築したり、他のユーザーと共有するツールとデータのジオプロセシング パッケージを作成したりすることもできます。

  1. リボンの [解析] タブをクリックします。 [ジオプロセシング] グループで、[履歴] ジオプロセシング履歴 をクリックします。
    [履歴] ウィンドウ

    [履歴] ウィンドウが表示されます。 [ジオプロセシング] タブの下にある [ツール履歴] タブ ツール履歴 に、実行したジオプロセシング ツールが表示されます。 緑色のチェック マークは、ツールが正常に実行されたことを示します。

    この解析では、ジオプロセシング ツールしか使用していません。 ラスター関数を実行した場合は、[ラスター関数] タブに履歴アイテムが表示されます。

  2. [履歴] ウィンドウで、[バッファー (Buffer)] ツールを右クリックし、[詳細の表示] をクリックします。
    [バッファー (Buffer)] ツールの詳細を含むメッセージ ウィンドウ

    ウィンドウに、パラメーター設定や環境設定などの情報が表示されます。 ツールにエラー メッセージや警告メッセージが関連付けられている場合は、それもここに表示されます (同じ情報を、[ジオプロセシング] ウィンドウのツールの完了メッセージで表示できます)。

  3. メッセージ ウィンドウを閉じます。

    ツールを右クリックして、開くか、実行するか、Python スクリプトとして保存することもできます。

別々の解析ツールを使用して、同じ結果を生成できる場合があります。 この場合、厳密には、[空間条件で選択 (Select By Location)] を使用する必要はありませんでした。 キャンプ場バッファー上で、[エリア内での集計 (Summarize Within)] を直接実行することもできました。 (出力フィーチャクラスには、4 つではなく、14 のレコードが含まれることになります。 それらのうちの 10 のレコードの Summarized area in HECTARES フィールドの値は、0 になります)。[空間条件で選択 (Select By Location)] ツールを使用する利点の 1 つは、空間パターンを表示し、解析の新しい方向性を提案することができる視覚的なフィードバックが提供されることです。

さらに一歩先を行くために、[バッファー (Buffer)] ツールと [エリア内での集計 (Summarize Within)] ツールを、これら 2 つのツールの機能を組み合わせた [近接範囲内での集計 (Summarize Nearby)] に置き換えることができました。 つまり、最終的には 3 つではなく 1 つのツールを使用して解析結果を得ることができたのです。 ただし、その場合、解析段階で明確な理解が損なわれる可能性がありました。

このチュートリアルのワークフローをモデル化し、ジオプロセシング ツールとして実行する方法については、「ジオプロセシング モデルの作成」チュートリアルを実行してください。

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