最寄り施設の特定

Network Analyst のライセンスで利用可能。

最寄り施設の検出解析は、運転時間または走行距離に基づいてインシデントに最も近い 1 つ以上の施設を検索し、最適なルートをインシデントと選択した施設間のルート案内として出力します。 このチュートリアルでは、このツールを使用して事故現場から最も近い病院を検出します。 最寄り施設の検出は、ローカル ネットワーク データセット、または ArcGIS Online もしくは ArcGIS Enterprise でホストされているネットワーク サービスに関連付けることができます。

注意:

ArcGIS Online を使用してチュートリアルを実行すると、クレジットが消費されます。

データの取得

このチュートリアルのデータは、ダウンロードして使用できます。

1. データ ダウンロード ページに移動します。
2. [ダウンロード] ボタンをクリックしてファイルをローカルに保存します。
3. ダウンロードしたファイルを展開します。

マップの作成

1. ArcGIS Pro を開きます。
2. [Map.aptx] テンプレートに基づいて新しいプロジェクトを作成します。

   マップを含む新しいプロジェクトが表示されます。

プロジェクトへのチュートリアル データの追加

ネットワーク データセットは、道路システムの高機能なモデルです。 ネットワーク データセットには、道路の位置と属性だけでなく、どの道路が接続されているか、接続されている道路間のどのターンが許可または禁止されているかなどの、道路の相互関係に関する情報や、可能な移動パスや移動時間に影響する他の情報も含まれています。 最寄り施設の解析では、ネットワーク データセットを参照して、近傍のロケーションを決定します。

注意:

ArcGIS Online を使用して解析する場合は、その解析で、ArcGIS Online クラウドに格納されている高品質な世界規模のネットワーク データセットが参照され、ArcGIS Online クレジットが使用されます。 また、自分のコンピューターにローカルに保存した独自のネットワーク データセットを使用するか、または ArcGIS Enterprise を使用して、独自のネットワーク データセットを使用するルート検索サービスを公開して Enterprise ポータルでサービスを構成し、ArcGIS Pro で利用することもできます。

次の一連の手順で、ネットワーク データセットをマップに追加します。

1. [カタログ] ウィンドウ (デフォルトではアプリケーションの横側にある) で [フォルダー] を右クリックし、[フォルダー接続の追加] を選択します。

   [フォルダー接続の追加] ダイアログ ボックスが表示されます。

2. チュートリアル データを置いたフォルダーを参照して、[Network Analyst] をダブルクリックし、[Tutorial] をクリックしてこのフォルダーを選択します。
3. [OK] をクリックします。

   Tutorial フォルダーへの接続が作成されます。

次に、このフォルダーに含まれているネットワーク データセットの 1 つをマップに追加します。

4. [カタログ] ウィンドウで、[フォルダー] > [Tutorial] > [SanFrancisco.gdb] > [Transportation] の順に展開します。
5. [Streets_ND] (ネットワーク データセット アイコン を持つ) をマップにドラッグします。

   このネットワーク データセットが [コンテンツ] ウィンドウとマップに追加されます。

6. [コンテンツ] ウィンドウで [Streets_ND] を右クリックし、[レイヤーにズーム] を選択して、サンフランシスコ エリアを表示します。

   デフォルトでは、交通量データで構築されたネットワーク データセットは、マップに追加されると、現在の時刻の交通状況を表示します。 このネットワーク データセットには履歴交通量データが含まれているため、現在の時刻と曜日の標準的な交通状況が表示されます。 このネットワーク データセット内のすべての道路に交通量が含まれているわけではないため、デフォルトでは交通量を含む道路だけが表示されます。

   ネットワーク データセットによってカバーされるエリアに対して、ネットワーク解析を実行できます。

   解析を実行するためにネットワーク データセットを表示する必要はありません。そこで次に、ネットワーク データセットを非表示にします。

7. [コンテンツ] ウィンドウで、[Streets_ND] をオフにして、ベースマップだけを表示します。
8. [カタログ] ウィンドウで、[Tutorial] > [SanFrancisco.gdb] > [Analysis] の順に参照します。
9. [Hospitals] レイヤーを右クリックして、[現在のマップに追加] を選択します。

   [Hospitals] レイヤーが [コンテンツ] ウィンドウとマップに追加されます。

注意:

レイヤーを [カタログ] ウィンドウからマップにドラッグして、マップに追加することもできます。

最寄り施設の検出レイヤーの作成

最寄り施設の検出解析レイヤーには、最寄り施設解析のすべての入力、パラメーター、および結果が格納されます。

1. [解析] タブの [ワークフロー] グループで、[ネットワーク解析] > [最寄り施設の検出] の順にクリックします。

   [最寄り施設の検出] レイヤーが [コンテンツ] ウィンドウに追加されます。 このレイヤーには、解析の入力と出力を保持するいくつかのサブレイヤーが含まれます。

   [最寄り施設の検出] レイヤーの作成時にサンフランシスコ ネットワークが [コンテンツ] ウィンドウ内にあったため、最寄り施設の検出レイヤーはサンフランシスコ ネットワーク データセットを参照しています。

   注意:

   ネットワーク解析レイヤーの作成に使用されるネットワーク データ ソースを表示または変更するには、[解析] タブの [ワークフロー] グループで、[ネットワーク解析] ドロップダウン矢印をクリックして、[ネットワーク データ ソース] の下を確認します。
2. [コンテンツ] ウィンドウで、[最寄り施設の検出] をクリックし、グループ レイヤーを選択します。

   ArcGIS Pro の上部にある [Network Analyst] グループに [最寄り施設の検出] タブが表示されます。

3. [最寄り施設の検出] をクリックし、タブのコントロールを表示します。

   

   これらのコントロールを使用して、生成する最寄り施設の検出結果を定義します。

   ヒント:

   [最寄り施設の検出] タブは、[コンテンツ] ウィンドウで最寄り施設の検出レイヤーを選択した場合のみ表示されます。 また、複数の最寄り施設レイヤーが存在する場合は、個別にレイヤーの設定を変更することも、複数のレイヤーを選択して選択したすべてのレイヤーの設定を編集することもできます (それらのレイヤーが同じネットワーク データ ソースを共有している場合)。

施設の追加

[Hospitals] フィーチャクラスを使用して、[施設] サブレイヤー ネットワーク解析クラスを読み込みます。

1. [最寄り施設の検出] タブの [入力データ] グループで、[施設のインポート] をクリックします。

   [ロケーションの追加] ウィンドウが表示されます。

2. [入力ネットワーク解析レイヤー] が [最寄り施設の検出] に設定され、[サブ レイヤー] が [施設] に設定されていることを確認します。
3. [入力ロケーション] の下にあるドロップダウン メニューをクリックし、[Hospitals] を選択します。 これは、以前にマップに追加したポイント フィーチャクラスです。
4. 残りのパラメーターをデフォルト設定のままにして [OK] ボタンをクリックします。

合計 22 の病院が施設として読み込まれます。

インシデントの追加

事故現場はインシデントと見なします。 最寄り施設の解析は、事故のロケーションに最も近い 1 つまたは複数の病院を検出します。

[インシデントのインポート] ボタン をクリックして、既存のインシデントのフィーチャクラスを解析に使用できますが、この演習では住所をジオコーディングしてインシデントを追加します。

1. [マップ] タブで [場所検索] ボタン をクリックします。

   [場所検索] ウィンドウが表示されます。

次に、インシデントの場所となる住所をジオコーディングします。
2. [場所検索] テキスト ボックスに「2350 Pine St, San Francisco」と入力して Enter キーを押します。
3. [ArcGIS World Geocoding Service] の下にある [2350 Pine St, San Francisco, California, 94115] を右クリックし、ショートカット メニューから [フィーチャクラスに追加] を選択します。

   注意:

   [ArcGIS World Geocoding Service] をロケーターとして使用すると、クレジットが使用されます。

4. [フィーチャクラスに追加] ダイアログ ボックスで、[最寄り施設: インシデント] を展開し、[インシデント] を選択します。
5. [OK] をクリックします。

   [最寄り施設の検出] 解析レイヤーの [インシデント] サブレイヤーに住所が追加されます。

最寄り施設の検出解析のプロパティを設定

リボンの [最寄り施設の検出] には、解析のプロパティを指定できる [移動モード] セクションがあります。

1. [最寄り施設の検出] タブの [移動モード] グループで、[施設] テキスト ボックスの値を 3 に増やします。

   最寄り施設の解析は、事故現場から最大 3 つの病院を検索します。

2. [カットオフ] テキスト ボックスに「2」と入力します。

   最寄り施設の解析は、インシデント サイトから 2 分以内で到着できる病院を検索します。 カットオフ時間を満たさない病院は無視されます。 現在のインピーダンスは TravelTime であるため、単位は分になります。

3. [ルート案内] ドロップダウン リストから [施設へ] を選択します。

最寄り施設を特定するプロセスを実行

1. [最寄り施設] タブの [ルート案内] グループで [解析時の出力] チェックボックスをオンにします。

   このオプションをクリックすると、解析時にルート案内が生成されます。

2. [実行] をクリックします。

   

   解析プロセスが完了したら、マップ表示と、[最寄り施設の検出] グループ レイヤーの [ルート] サブレイヤーにルートが表示されます。

3. [ルート案内] グループで、[ルート案内の表示] をクリックします。

   [ルート案内] ウィンドウが開き、事故現場から、最寄りの施設解析が最も近いと決定した 3 つの病院までのルート案内が表示されます。