ラスター セルの反復子の基本用語

ラスター セルの反復子に関する完全な知識を得るには、次の基本用語を理解しておく必要があります。ここで説明する用語定義は、この分野の他のトピックを参照する際に役立ちます。

用語説明

ラスター セルの反復子

シングルバンドまたはマルチバンドのラスター データセットのセルを反復処理するための Python クラス。

ラスター オブジェクト

ラスターを参照する Raster オブジェクト。ラスター オブジェクトを作成するには、ラスター データセットを割り当てます。または、出力ラスター データセットを返すジオプロセシング ツールを実行すると、ラスター オブジェクトが返されます。Raster オブジェクトには、その後の解析で使用できるプロパティとメソッドがあります。

RasterInfo オブジェクト

ラスターのメタデータ プロパティを参照する RasterInfo オブジェクト。rasterInfo オブジェクトを使用して、空のラスターを作成できます。各 Raster オブジェクトには rasterInfo オブジェクトが関連付けられています。rasterInfo オブジェクトには、ラスター オブジェクトの getRasterInfo() メソッドを使用してアクセスできます。

暗黙的な反復子

ラスター オブジェクトに対して反復子が暗黙的に定義されている場合。

明示的な反復子

RasterCellIterator() オブジェクトを使用して、反復子が明示的に定義されている場合。

ラスター解析環境

ラスター解析環境は、ラスター セルの反復子が解析を実行する範囲、セル サイズ、および座標系を定義します。この環境は、ラスター データに対して反復処理が行われる地理的エリアを定義します。詳細については、「Spatial Analyst における解析ウィンドウの決定方法」をご参照ください。

パディング

パディングは、出力をまったく変更しませんが、セル位置を反復処理するときに近傍セル値にアクセスする場合にパフォーマンスを向上させます。

NaN

計算において、NaN は not a number (数値でないこと) を意味します。インデックス表記を使用してラスターから NoData が読み取られると、Python では NaN が返されます。ラスター セルに NaN が割り当てられると、そのセルは NoData セルとして解釈されます。

インデックス

ラスター オブジェクトのインデックスを構築すると、インデックスのリストを含む角括弧を使用して、シングルバンドおよびマルチバンドのラスター データセット内の特定のセルにアクセスできます。

相対インデックス

反復処理の対象となっているセルの位置を基準に、反復処理内で近傍セルを参照する方法。

たとえば、反復処理の対象となっているセルに [i, j] というインデックスが付けられている場合、相対インデックス ([i-1, j-1]、[i, j-1]、[i+1, j-1] など) を使用して、その隣接セルを参照できます。

疎なラスター

疎なラスターとは、大量の NoData セルが存在するラスターのことです。

ラスターの状態

ラスターの状態は、各反復でのセル値によって定義されます。セルとその近傍セルが反復中に変更された場合、ラスターの状態も変更されます。

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