Microsoft Excel テーブルは ArcGIS Pro で直接開くことができ、他の表形式のデータ ソースと同じ方法で操作することができます。 たとえば、マップに追加したり、フィールド ビューで表示したり、ジオプロセシング ツールへの入力として使用したりできます。
Microsoft Access データベース エンジン ドライバーのインストール
適切なドライバーをインストールしないまま ArcGIS Pro で Excel ファイルにアクセスしようとすると、[必要な Microsoft ドライバーがインストールされていません。] というエラーが表示されます。
ArcGIS Pro で Excel ファイルを操作するには、Microsoft Access データベース エンジン 2016 再頒布可能ドライバーをダウンロードして、コンピューターにインストールする必要があります。 このドライバーは、Microsoft ダウンロード センターで入手できます。
ページ上で [ダウンロード] をクリックすると、32 ビットと 64 ビットの 2 つのダウンロードの選択肢が表示されます。
- ArcGIS Pro 2.4 を使用している場合は、32 ビットのドライバーのダウンロードを選択します。
- ArcGIS Pro 2.5 以降を使用している場合は、現在インストールされている Microsoft アプリケーションと一致するダウンロードを選択します。
ダウンロードのオプションは次のとおりです。
- AccessDatabaseEngine.exe - 32 ビット ドライバー
- AccessDatabaseEngine_X64.exe - 64 ビット ドライバー
ダウンロードした AccessDatabaseEngine.exe ファイルを Microsoft の 64 ビット アプリケーションがすでにインストールされているコンピューターにインストールしようとすると、現時点で 64 ビットの Microsoft Office 製品がインストールされているために、32 ビット バージョンのデータベース エンジンはインストールできないというエラー メッセージが表示されます。 Microsoft 32 ビット アプリケーションがすでにインストールされているコンピューターに AccessDatabaseEngine_X64.exe ファイルをインストールしようとした場合も、同じようなエラー メッセージが表示されます。
この問題を回避するには、次の操作を行って、ダウンロード ファイルのサイレント インストールを実行する必要があります。
- ダウンロードしたファイルを、コンピューターの C: ドライブに保存します。
- タスク バーの Windows 検索ボックスに「コマンド プロンプト」と入力し、コマンド プロンプト アプリケーションを検索して開きます。
- コマンド プロンプト アプリケーションを右クリックして、[管理者として実行] を選択します。
- コマンド プロンプトでデフォルト ディレクトリが開きます。 「cd C:\」と入力し、ダウンロードしたファイルを保存した C: ドライブにディレクトリを変更します。
- *.exe をサイレント インストールとして実行するには、Microsoft ダウンロード センターからダウンロードしたファイルに応じて、「AccessDatabaseEngine.exe /quiet」または「AccessDatabaseEngine_X64.exe /quiet」と入力します。
注意:
ドライバーがインストールされているかどうか確認するには、Windows タスクバーの検索ボックスに「設定」と入力します。 [アプリと機能] ウィンドウで、「Microsoft Access Database Engine 2016」を探します。存在しない場合、または上記のインストール情報に関して問題がある場合は、「ArcGIS Pro で Excel ファイルに接続するためのガイド」でさらに詳しいインストール手順を確認してください。ArcGIS Pro での Microsoft Excel ファイルの使用
他のデータと同じ方法で Excel ファイルをプロジェクトに追加します。[マップ] タブの [データの追加] ボタン をクリックします。 Excel ファイルを閲覧する際には、開くテーブルを選択する必要があります。 たとえば、Sales_Figures.xlsx という名前の Excel ワークブックがあり、[売上高]、[月]、[累計] の 3 つのワークシートが含まれているとします。これらのワークシートは、ArcGIS Pro で別々のテーブルとして扱われます。
ArcGIS ProArcGIS Pro からワークシートにアクセスすると、ワークシートは名前の最後にドル記号 ($) が付いたテーブルとして表示されます。 ワークシートの名前に含まれる空白文字は、アンダースコアで置き換えられます。
テーブルをマップに追加したら、[コンテンツ] ウィンドウで開くことができます。 ただし、テーブルを編集したり、レコードを Excel 形式でエクスポートすることはできません。
次の例は、複数シートのドキュメントを Microsoft Excel で表示した場合と、[データの追加] ダイアログ ボックスで表示した場合を示しています。
- Excel ウィンドウの下部にある [シート] タブ バーに 3 つのワークシートが表示されます。
- [データの追加] ダイアログ ボックスには、受注報告 (Sales_Figures) ワークブックに含まれているワークシートが表示されます。
ArcGIS Pro で使用する Microsoft Excel テーブルの書式設定
他の表形式データ ソースと同じ方法で Microsoft Excel ファイルを ArcGIS Pro で操作できますが、いくつかの制限事項があります。 ArcGIS Pro で使用する Excel データを作成する際は、次のベスト プラクティスに従ってください。
- ワークシートの最初の行は、ArcGIS のフィールド名に使用されるため、この行が正しく書式設定されていることを確認します。
Excel テーブルを別のテーブルに結合する場合には特に、フィールドの命名に関する次のベスト プラクティスに従ってください。
- フィールド名は数字で始まってはなりません。
- フィールド名には、文字、数字、およびアンダースコアのみが含まれている必要があります。
- フィールド名は 64 文字以下にする必要があります。
- 数値データや日付などのセルがある場合は、内容が正しく書式設定されていることを確認します。つまり、数値データが実際に数値であることを確認します。 これらの行に他のタイプのデータがある場合、フィールドは、テーブルを ArcGIS Pro で開くときにテキストに変換されます。
マップへの Microsoft Excel テーブルの追加
他のデータと同様に Excel ファイルをプロジェクトに追加します。[マップ] タブの [データの追加] ボタンをクリックするか、[カタログ] ウィンドウを使用します。
- リボンの [マップ] タブで、[データの追加] ボタン をクリックします。
- [データの追加] 参照ダイアログ ボックスが表示されたら、Excel ワークブック ファイルを参照します。
- Excel ワークブック ファイルをダブルクリックします。
- マップに追加するテーブルをクリックします。
- [選択] をクリックします。
制限事項
Microsoft Excel ファイルを操作する場合、以下に注意してください。
- ArcGIS では、Excel 2003 以前の *.xls ファイルと Excel 2007 の *.xlsx ファイルもサポートしています。 Excel 2007 の 1 つの利点は、Excel 2003 (65,536 行 x 256 列) よりもはるかに大きなワークシート (1,048,576 行 x 16,384 列) を使用できることです。
- Excel テーブルは ArcGIS Pro では読み取り専用ですが、ワークシートを [コンテンツ] ウィンドウで開いている間も (スタンドアロン テーブル レイヤー)、Excel ではテーブルを編集できます。 ArcGIS Pro の外部で編集された更新済みの (保存された) 値は、ArcGIS Pro を閉じて開き直さないとレイヤーに表示されません。
注意:
[コンテンツ] ウィンドウで開いているワークシートを ArcGIS Pro の外部で編集した場合、ArcGIS Pro を再起動せずにレイヤーの削除と再追加を試みると、サポートされていないデータ タイプのエラーが発生する場合があります。
- フィールド名は、ワークシートの各列の最初の行から取得されます。 フィールド ビューでは、プロパティの表示、フィールド名のエイリアスの設定、フィールドの表示設定、およびレイヤーの数値形式の設定を行えます。
- 標準的なデータベースの場合と異なり、Excel ではデータ入力時に値のフィールド タイプが強制されません。 したがって、Excel で指定されたフィールド タイプは、ArcGIS で表示するフィールド タイプを決定する際に使用されません。 その代わりに、ArcGIS のフィールド タイプは、Microsoft ドライバーで決定されます。 ドライバーにより、1 つのフィールドから複数のデータ タイプが検出された場合、そのフィールドは文字列フィールドとして返され、値は文字列に変換されます。
- Excel テーブルのエクスポートを計画している場合は、必要なテキスト フィールドのサイズを考慮する必要があります。
- [テーブル → Excel (Table To Excel)] ツールを使用して、Excel に直接エクスポートできます。 また表形式のデータを dBASE フォーマットにエクスポートすることも可能です。そのファイルを Excel 97 ~ 2003 で開き、*.xls ファイルとして保存することができます。 Microsoft は、Office 2007 では *.dbf ファイルをサポートしません。
Excel ワークシートをマップに追加する場合、ArcGIS Pro は、シートまたはフィールドのすべての文字を維持し、スタンドアロン テーブルに表示しようとします。
たとえば、Excel の [Year to Date] というシートは、[カタログ] ウィンドウまたは [コンテンツ] ウィンドウで ['Year to Date$'] と表示されます (名前にスペースが含まれているため、名前が引用符で囲まれます)。 ジオプロセシング ツールで使用される場合、元のテーブルが直接使用されるため、名前が若干変わります。 同じ例で言うと、Excel シートの [Year to Date] をジオプロセシング ツールにドラッグするか、入力ドロップダウン メニューから選択すると、[T_Year_to_Date$_] として表示されます。
注意:
テーブル名に想定した文字が含まれない場合、ArcGIS Pro がアクセスする前に Microsoft ドライバーによって置き換えられた可能性があります。 これは、.![] がそれぞれ #_() になる文字の小サブセットで発生することが知られています。- パスワード保護が設定されている Excel ファイルはサポートされません。