ユーザースキーマ ジオデータベースの管理

ユーザースキーマ ジオデータベースと sde ジオデータベースの管理の大部分は同じです。主な違いは、管理作業を誰が実行するかという点にあります。ユーザースキーマ ジオデータベースでは、スキーマの所有者は、sde ユーザーではなくジオデータベース管理者です。

以下では、マスター sde ジオデータベースとは異なる管理作業について説明します。

ユーザースキーマ ジオデータベースへの接続の阻止

ユーザースキーマ ジオデータベースは、sde ジオデータベースに依存しています。sde ジオデータベースへの接続を阻止すると、関連するすべてのジオデータベースへの接続もブロックされます。

ユーザーのスキーマに格納されたジオデータベースでのストアド プロシージャの作成

ジオデータベースはそれぞれ、ジオデータベースの作成時にジオデータベース管理者のスキーマに自動的に作成されるストアド プロシージャ パッケージを独自に保持します。

また、スキーマ名を指定すれば、SQL クライアントを使用してジオデータベースに個別のパッケージを作成することができます。たとえば、Thor ユーザーのスキーマに dbtune_util パッケージを作成するには、SQL プロンプトで次のコマンドを実行します。

@dbtune_util.sps THOR

ユーザースキーマ ジオデータベースへのデータの読み込み

データを sde ジオデータベースに読み込む場合と同様に、ArcGIS Desktop ツールを使用してデータをユーザースキーマ ジオデータベースに読み込みます。

ただし、データをユーザースキーマ ジオデータベースに読み込むことができるのは、スキーマ所有者のみです。その他すべてのユーザーは、sde ジオデータベースまたはそのユーザー自身のユーザースキーマ ジオデータベースにデータを読み込む必要があります。たとえば、user1 がスキーマ ジオデータベースを所有している場合、user1 は user1 ジオデータベースにのみデータを作成できます。user2 がスキーマ ジオデータベースを所有していない場合、user2 は sde ジオデータベースにのみデータを作成できます。ユーザーが同じ Oracle データベースの複数のジオデータベース内にデータを所有する場合、データを 1 つの sde ジオデータベースに移動します。

レガシー:

その他のユーザーが所有するデータが含まれている既存のユーザースキーマ ジオデータベース (ArcGIS 10 以前に作成したジオデータベース) は、アップグレードが可能です。それらのデータ所有者は、引き続き新しいデータを作成したり、既存のデータを使用したりできます。たとえば、user1 が ArcGIS 9.2 でジオデータベースを作成し、user2 が ArcGIS 10 以前のクライアントでそのジオデータベース内にデータを作成した場合、user1 のジオデータベースは 10.1 にアップグレードされますが、user2 の既存のデータにはアクセス可能で、user1 のジオデータベース内で引き続きデータを作成することができます。ただし、可能な場合は、sde ジオデータベースにデータを移動することをお勧めします。

作成および使用するユーザー スキーマ ジオデータベースの数が増えると、Oracle データベースへの接続にかかる時間が長くなることに注意してください。これは特に、ユーザースキーマ ジオデータベースにジオデータベース テーブルとジオデータベースに登録されていないテーブルが混在している場合に当てはまります。

テーブルの登録

SQL またはサードパーティ アプリケーションを使用してデータを作成し、そのテーブルをジオデータベースに登録できます。ただし、テーブルを登録できるジオデータベースは 1 つだけです。テーブルがすでに別のスキーマに登録されている場合、ArcGIS は SE_TABLE_REGISTERED_OUTSIDE_SCHEMA エラーを返します。また、前述したように、ユーザーは Oracle データベース内にある 1 つのジオデータベースにのみデータを登録できます。

ユーザースキーマ ジオデータベースのバックアップの作成

ユーザーのスキーマのみではなく、Oracle システム全体のバックアップを作成する必要があります。それは、そのユーザーのスキーマのジオデータベースがデータベースの他のスキーマの情報に依存しているため、ジオデータベースを含む単一のスキーマのバックアップだけでは不十分だからです。データベースのバックアップの詳細については、Oracle のマニュアルをご参照ください。