ワールド ファイル (WLD3) は、座標変換を指定するコントロール ポイントを含むテキスト ファイルです。 コントロール ポイントは、BIM ファイルまたは CAD ファイル内の座標および一致する空間参照内の対応するポイントを参照します。 変換情報が役立つためには、一致する空間参照ファイル (PRJ) が必要です。
このデータは、3D ポイントの 2 つのセットを含みます。 各行は、「<From x,y,z> <space> <To x,y,z>」という構文を使用して、移動リンクを定義します。 各行の 1 組目の座標は、ソース座標 (始点の座標ともいう) に相当します。 これらの値は、BIM ドローイングまたは CAD ドローイングに含まれる既知のコントロール ポイントの X、Y 位置を表します。 各行の 2 組目の座標は、ターゲット座標 (終点の座標ともいう) に相当します。 これらの値は、BIM ファイルまたは CAD ファイルの空間参照によって定義された地理空間内の新しい位置を表します。
実際のデータは次のようになります。
25933.063000,9032.704720,1702332.110159, 309622.102491,-8987.532001,1300.050854
32047.556994,13057.483520,1706354.400361 303697.073028,-9091.566340,1337.519601
BIM または CAD 設計ファイルでは、地理空間座標系ではなく相対座標系またはローカル座標系を使用するのが一般的です。 そのような場合、BIM データまたは CAD データを適切に配置するために、空間オフセット ファイル (WLD3) を定義する必要があります。 まず、Esri 投影ファイル (PRJ) を含めることによって空間参照を定義する必要があります。 空間オフセット情報は、既存の PRJ ファイル内で定義された既知の地理空間座標系および BIM データの座標から、オフセットを定義します。 WLD3 ファイルには一致する PRJ ファイルが必要です。 ArcGIS Pro のジオリファレンス ツールによって作成された空間オフセット情報は、BIM ファイルと同じ名前の WLD3 ファイルに格納されます。 BIM モデルの座標が、含まれている PRJ ファイルの座標に基づく場合、ArcGIS Pro で WLD3 ファイルおよびジオリファレンス ツールを使用して空間オフセットを定義する必要はありません。
3D ワールドファイルはファイル拡張子 *.wld3 付きで保存されます。 他のプロジェクトやマップ ドキュメントでリンクを共有して再利用する場合は、コントロール ポイントを格納する 3D ワールド ファイルの使用をお勧めします。 ArcGIS Pro では、ファイルの名前と場所を使用して、ワールド ファイルを特定の CAD データセットまたは Revit モデルにリンクします。 このリンクされたファイルは 3D ワールド ファイルと似ていますが、ファイルを正しい X、Y、Z 位置に配置できるように座標を含んでいます。
3D ワールド ファイルを CAD データセットまたは BIM ファイルに関連付けるには、以下の条件を満たしている必要があります。
- ワールド ファイルと BIM または CAD 設計ファイルの名前 (接頭辞) を同じにする必要があります (MyDrawing.RVT と MyDrawing.wld3 など)。
- 3D ワールド ファイルは、一致する BIM または CAD 設計ファイルと同じファイル フォルダーに存在している必要があります。
ユニバーサル 3D ワールド ファイル (ESRI_CAD.wld3)
ユニバーサル ワールド ファイルは、互いに相対的に正確に配置されているが再配置する必要がある CAD ファイルまたは BIM ファイルのフォルダーの空間変換オフセットを 1 つ定義するための方法です。 ユニバーサル 3D ワールド ファイルは、同じファイル フォルダーに格納されていて、BIM ファイルまたは CAD ファイルの名前に一致する WLD3 ファイル名が付与されていないすべての BIM ファイルまたは CAD ファイルのオフセット パラメーターを定義します。
ユニバーサル ワールド ファイルを使用するには、以下の条件を満たす必要があります。
- ワールド ファイルには、ESRI_CAD.wld3 という名前を付ける必要があります。
- ワールド ファイルは、CAD または BIM 設計ファイルと同じフォルダーに存在している必要があります。