フラー図法

説明

フラー図法 (ダイマクション地図とも呼ばれる) は、地球を 20 面体に変換します。各面は測地三角形であり、その後で平坦化され、2 次元三角形になります。20 面体のファセットは、大陸が寸断されないように、決められた方法で展開されます。

この図法の最終バージョンは、このマップを数十年もの間研究したのち、1954 年に Buckminster Fuller によって定義されました。詳細については、Buckminster Fuller Institute の Web サイトをご参照ください。フラー図法は ArcGIS Pro 1.0 以降と ArcGIS Desktop 9.0 以降で使用できます。

フラー図法の例
フラー図法は、20 面体に折ることができます。

投影のプロパティ

次のサブセクションでは、フラー図法のプロパティについて説明します。

経緯線

フラー図法はファセット投影法です。すべての子午線と緯線は、ファセットのエッジで分割される複素曲線です。子午線や緯線は、いずれもファセットのエッジに従いません。両極とも、ファセット内部のポイントとして投影されます。

歪み

フラー図法は正角でも等面積でもありません。つまり、形状、面積、距離、方向、角度には、いずれも全体的に歪みがあることを意味します。ファセット エッジから離れるにつれて、歪みは大きくなります。ファセット エッジ上の縮尺は正確です。フラー図法は、個々に投影された 20 のファセットから構成されるため、全体的なマップの歪みは小さくなります。

使用法

フラー図法は、地球全体を表現する場合にのみ使用されます。平面地図として描画すると、大陸は寸断されません。

制限事項

フラー図法は球体でのみサポートされます。楕円体の場合、半長軸が半径として使われます。楕円体を使用する場合、一部の歪みのプロパティは維持されません。

パラメーター

次に、フラー図法のパラメーターを示します。

  • 東距
  • 北距
  • 中央子午線
  • オプション。地球全体を描画する場合や、単一のファセットのみを描画する場合にのみ使用されます。下の図をご参照ください。オプション = 0 の場合は地球全体、20 面すべてを表示します。これがデフォルトです。
オプション パラメーターで指定できる番号付きファセット

ソース

Gray, R. W. (1994). "Fuller's DymaxionTM Map." Cartography and Geographic Information Systems, 21(4), p. 243-246

Gray, R. W. (1995). "Exact Transformation Equations For Fuller's World Map." Cartographica, 32(3), p. 17-25.

Snyder, J. P. (1993). Flattening the Earth. Two Thousand Years of Map Projections. Chicago and London: University of Chicago Press.