ハンメル図法

説明

ハンメル図法は、ランベルト正積方位図法に修正を加えたものです。この図法は正積図法で、経緯線は楕円形をしています。この図法は、ハンメル エイトフ図法とも呼ばれます。ハンメル図法は、小縮尺でのマッピングに適しています。

ハンメル図法は、ロシアの地図製作者である David A. Aitoff が定義した図法から発想を得た Ernst von Hammer が 1892 年に考案したものです。楕円体の数式は Esri で策定されました。ArcGIS Pro 1.0 以降と ArcGIS Desktop 8.1.1 以降で使用できます。

ハンメル図法の例
グリニッジを中心とするハンメル正積図法のマップ。

投影のプロパティ

次のサブセクションでは、ハンメル図法のプロパティについて説明します。

経緯線

ハンメル図法は、方位図法に修正を加えたものです。中央子午線は、投影された赤道の半分の長さの直線になります。他の子午線は中央子午線に向かってくぼんだ複素曲線であり、赤道上の間隔は一定ではありません。赤道は直線になります。他のすべての緯線は近い方の極に向かってくぼんだ複素曲線で、中央子午線上の間隔は一定ではありません。投影のアウトラインは楕円形になります。両極はポイントとして表され、楕円の頂点となります (短軸に配置)。経緯線は赤道と中心子午線に対して対称的です。

歪み

ハンメル図法は、等積 (等面積) 図法です。形状、方向、角度、距離は、全体的に歪んでいます。投影のアウトライン付近の陸フィーチャは歪曲しています。赤道と中央子午線上では、原点から離れるにつれて、縮尺は小さくなります。極周辺の地域は、他の擬円筒図法と比べて寸断が少なくなります。歪みの値は、赤道と中心子午線で対称的となります。

使用法

ハンメル図法は小縮尺のマッピングに適しています。特に、地域の特性を描写する主題的な世界地図や、正確な面積を必要とする分析に向いています。ハンメル楕円体バリアントは、赤道以外の緯線を中心とする世界地図の描画に推奨します。このような斜軸法の一例として、Briesemeister 図法が挙げられます。

バリアント

ArcGIS のハンメル図法には 2 つのバリアントがあります。

  • ハンメル エイトフ図法は ArcGIS Pro 1.0 以降と ArcGIS Desktop 8.1.1 以降で使用できます。
  • ハンメル楕円体図法は ArcGIS Pro 1.2 以降と ArcGIS Desktop 10.4 以降で使用できます。

ハンメル楕円体バージョンは楕円体の投影をサポートしており、ハンメル エイトフ図法は半径として長半径を使用し、球体の数式を使用します。どちらのバリアントも、球体ベースの地球モデルをサポートします。

制限事項

回転楕円体を正しく投影できるのは、ハンメル楕円体バージョンだけです。ハンメル エイトフ図法は、楕円体を使用する場合には面積を維持できません。

パラメーター

次に、ハンメル エイトフ図法のパラメーターを示します。

  • 東距
  • 北距
  • 中央子午線

ハンメル楕円体のパラメーターは次のとおりです。

  • 東距
  • 北距
  • 中央子午線
  • 原点の緯度

ソース

Bugayevskiy, L. M. and Snyder, J. P. (1995). Map Projections: A Reference Manual. London: Taylor & Francis.

Snyder, J. P. and Voxland, P. M. (1989). An Album of Map Projections. U.S. Geological Survey Professional Paper 1453.Washington, DC: United States Government Printing Office.

Yang, Q., Snyder, J. P. and Tobler, W. R. (2000). Map Projection Transformation: Principles and Applications. London: Taylor & Francis Group.