四次正積図法

説明

四次正積図法は、ランベルト正積方位図法に変更を加えることで作成された擬正積円筒図法です。境界子午線は外側に著しく隆起するため、マップのアウトライン周辺の形状に大きな歪みが生じます。McBryde-Thomas Float-Polar Quartic 図法は、この図法を基準にしています。

四次正積図法は 1937 年に Karl Siemon が、1945 年に Oscar S. Adams がそれぞれ個別に提唱しました。楕円体の数式は Esri が策定しました。ArcGIS Pro 1.0 以降と ArcGIS Desktop 8.0 以降で使用できます。

四次正積図法の例
グリニッジを中心にした四次正積図法による地図投影を示します。

投影のプロパティ

次のサブセクションでは、四次正積図法のプロパティについて説明します。

経緯線

四次正積図法は擬円筒図法です。赤道と中心子午線は直線として投影されます。投影される赤道は、中心子午線の約 2.22144 倍の長さになります。他の子午線は、中心子午線から離れるにつれて隆起し、等間隔の四次代数曲線です。緯線は、赤道アスペクトのランベルト正積方位図法と同様に不等間隔になります。すべての緯線は、中心子午線に対して垂直な直線です。極はポイントとして表され、突起エッジとして表示されます。アウトラインは正弦曲線図法と似ています。経緯線は赤道と中心子午線に対して対称的です。

歪み

四次正積図法は、等積 (正積) 図法です。一般に、形状、方向、角度、距離には歪みが生じます。縮尺は赤道に沿って正確で、他の緯線上では一定です。投影の中心付近の歪みは軽微です。隆起する子午線によって、投影図のエッジに向かって大きな歪みが生じます。歪みの値は、赤道と中心子午線で対称的となります。

使用法

四次正積図法は世界の主題地図に適していますが、使用は推奨されません。

バリアント

ArcGIS には 2 つのバリアントがあります。

  • 四次正積図法では、半径は長半径であり、球体の数式を使用します。球体の地球モデルのみをサポートします。ArcGIS Pro 1.0 以降と ArcGIS Desktop 8.0 以降で使用できます。
  • 四次正積図法楕円体は、球体と楕円体の地球モデルをサポートします。この図法は ArcGIS Pro 1.2 以降と ArcGIS Desktop 10.4 以降で使用できます。

制限事項

楕円体の投影をサポートしているのは、四次正積図法楕円体バージョンのみです。四次正積図法で楕円体が使用されると、面積が維持されません。

パラメーター

四次正積図法のパラメーターは次のとおりです。

  • 東距
  • 北距
  • 中央子午線

四次正積図法楕円体のパラメーターは次のとおりです。

  • 東距
  • 北距
  • 中央子午線
  • 原点の緯度

ソース

Bugayevskiy, L. M. and Snyder, J. P. (1995). Map Projections: A Reference Manual. London: Taylor & Francis.

Snyder, J. P. (1993). Flattening the Earth. Two Thousand Years of Map Projections. Chicago and London: University of Chicago Press.

Snyder, J. P. and Voxland, P. M. (1989). An Album of Map Projections. U.S. Geological Survey Professional Paper 1453. Washington, DC: United States Government Printing Office.