ピラミッドと統計情報の構築 (Build Pyramids And Statistics) (データ管理)

サマリー

フォルダー構造を横断して、その中に含まれるすべてのラスター データセットのピラミッドを構築し、統計情報を計算します。 モザイク データセットに含まれるすべてのアイテムのピラミッド構築および統計情報の計算にも使用することができます。

使用法

  • ピラミッドを構築すると、ラスター データセットの表示パフォーマンスが向上します。

  • ArcGIS アプリケーションでは、統計情報の計算によって、ラスター データを適切なサイズに伸縮させたりシンボル化したりして最適に表示することができます。

  • サポートされているすべてのラスター形式が処理されます。

  • ワークスペースにモザイク データセットが含まれている場合、モザイク データセットに関連付けられている統計情報のみが含まれます。モザイク データセット内のアイテムに関連付けられている統計情報は含まれません。

  • ECW や MrSID などのウェーブレット圧縮ラスター データセットは、ピラミッド構築の必要がありません。そのような形式のものには、エンコーディング時に作成される内部ピラミッドが含まれています。

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
入力データまたはワークスペース

処理対象となるすべてのラスター データセットまたはモザイク データセットが含まれているワークスペース

ワークスペースにモザイク データセットが含まれる場合、モザイク データセットに関連付けられている統計情報のみが含まれます。 モザイク データセット内のアイテムに関連付けられている統計情報は含まれません。

Text File; Workspace; Raster Layer; Mosaic Layer
サブディレクトリを含む
(オプション)

サブディレクトリを含めるかどうかを指定します。

  • オフ - サブディレクトリを含めません。
  • オン - 読み込むときに、サブディレクトリ内のすべてのラスター データセットを含めます。 これがデフォルトです。

モザイク データセット内のアイテムを含める場合、モザイク データセットを入力ワークスペースとして指定する必要があります。 入力ワークスペースとして指定しないと、モザイク データセットに関連付けられている統計情報のみが使用されます。

Boolean
ピラミッドの構築
(オプション)

ピラミッドを構築するかどうかを指定します。

  • オフ - ピラミッドを構築しません。
  • オン - ピラミッドを構築します。これがデフォルトです。
Boolean
統計情報の計算
(オプション)

統計情報を計算するかどうかを指定します。

  • オフ - 統計情報を計算しません。
  • オン - 統計情報を計算します。これがデフォルトです。
Boolean
ソース データセットを含む
(オプション)

ピラミッドを構築してソース ラスター データセットの統計情報を計算するか、モザイク データセットのラスター アイテムの統計情報を計算するかを指定します。 このオプションの適用対象となるのは、モザイク データセットだけです。

  • オフ - モザイク データセットのラスター アイテムごと (属性テーブルの行ごと) に統計情報が計算されます ラスター アイテムに追加された関数は、統計情報を生成する前に適用されます。 これがデフォルトです。
  • オン - モザイク データセットのソース データのピラミッドを構築し、統計情報を計算します。
Boolean
ブロック フィールド
(オプション)

計算または操作の実行時に 1 つのアイテムと見なす必要があるアイテムを識別するための、モザイク データセットの属性テーブル内のフィールド名。

String
モザイク データセット統計情報の推定
(オプション)

(モザイク データセット内のラスターではなく) モザイク データセットの統計情報を計算するかどうかを指定します。 統計情報は、モザイク データセット内の各ラスターについて計算された既存の統計情報から得られます。

  • オフ - モザイク データセットの統計情報を計算しません。 これがデフォルトです。
  • オン - モザイク データセットの統計情報を計算します。
Boolean
X スキップ ファクター
(オプション)

サンプル間の水平方向のピクセル数。

統計情報の計算に使用されるラスター部分は、スキップ ファクターによって制御されます。水平方向または垂直方向のスキップ ファクターは、入力値で示されます。値が 1 のときは各ピクセルを使用し、値が 2 のときはピクセルを 1 つおきに使用します。スキップ ファクターの範囲は、1 からラスター内のカラム数またはロウ数までに限定されます。

この値は、ゼロより大きく、ラスター内のカラム数以下でなければなりません。デフォルトは 1、または最後に使用したスキップ ファクターです。

Long
Y スキップ ファクター
(オプション)

サンプル間の垂直方向のピクセル数。

統計情報の計算に使用されるラスター部分は、スキップ ファクターによって制御されます。水平方向または垂直方向のスキップ ファクターは、入力値で示されます。値が 1 のときは各ピクセルを使用し、値が 2 のときはピクセルを 1 つおきに使用します。スキップ ファクターの範囲は、1 からラスター内のカラム数またはロウ数までに限定されます。

この値は、ゼロより大きく、ラスターのロウ数以下でなければなりません。デフォルトは 1、または最後に使用した Y スキップ ファクターです。

Long
除外値
(オプション)

統計情報の計算に含まれないピクセル値。

デフォルトは値なしです。

Long
ピラミッド レベル
(オプション)

構築する低解像度データセット レイヤーの数を選択します。 デフォルト値は -1 で、完全なピラミッドを構築します。 値を 0 にすると、ピラミッド レベルなしになります。

指定できるピラミッド レベルの最大数は 29 です。 30 以上の値の場合、ピラミッドの完全なセットが作成されます。

Long
第 1 レベルをスキップ
(オプション)

最初のピラミッド レベルをスキップするかどうか選択します。 第 1 レベルをスキップすると使用するディスク スペースが若干少なくなりますが、その縮尺でのパフォーマンスも低下します。

  • オフ - 最初のピラミッド レベルは構築されます。 これがデフォルトです。
  • オン - 最初のピラミッド レベルは構築されません。

Boolean
ピラミッド リサンプリング手法
(オプション)

ピラミッドの構築に使用するリサンプリング手法。

  • 最近隣内挿法この手法は、リサンプリング時に最も近いセルの値を使用して、出力セルに値を割り当てます。 これがデフォルトです。
  • 共一次内挿法この手法は、4 個の最近隣入力セルの中心の重み付けされた距離に基づいてセルの新しい値を算出します。
  • 三次たたみ込み内挿法この手法は、16 個の最近隣入力セルの中心を通る滑らかなカーブの適合に基づいてセルの新しい値を算出します。
String
ピラミッドの圧縮タイプ
(オプション)

ラスター ピラミッドを構築するときに使用する圧縮タイプ:

  • デフォルトウェーブレット圧縮を使用してソース データを圧縮すると、JPEG 圧縮タイプでピラミッドが構築されます。それ以外の場合は、LZ77 が使用されます。 これがデフォルトの圧縮方法です。
  • LZ77 圧縮LZ77 圧縮アルゴリズムがピラミッドの構築に使用されます。 LZ77 はすべてのデータ タイプに使用できます。
  • JPEG 圧縮JPEG 圧縮アルゴリズムがピラミッドの構築に使用されます。 JPEG 圧縮仕様に準拠したデータだけが、この圧縮タイプを使用できます。 [JPEG] を選択した場合は、[圧縮品質] を設定できます。
  • JPEG の輝度と彩度Luma (Y) と chroma (Cb と Cr) 色空間成分を使用する不可逆圧縮
  • 圧縮なしピラミッドを構築するときに、圧縮を行いません。
String
圧縮品質 (1-100)
(オプション)

JPEG 圧縮方法でピラミッドを構築するときに使用する圧縮品質。 指定する値は、0 ~ 100 の間の値でなければなりません。 100 に近い数は高品質な画像を生成しますが、圧縮比は低くなります。

Long
既存をスキップ
(オプション)

不足している箇所だけの統計情報を計算するか、存在している箇所のピラミッドも再生成するかを指定します。

  • オン - 存在していない統計情報だけを計算します。 これがデフォルトです。
  • オフ - すでに存在している場合でも、統計情報を計算します。つまり、既存の統計情報は上書きされます。
Boolean
クエリ定義
(オプション)

処理されるラスター データセットを選択する SQL 式。

SQL Expression
SIPS モード
(オプション)

SIPS (Softcopy Image Processing Standard)、NGA.STND.0014 で定義された主要プロセスとアルゴリズムを使用して、ピラミッド ファイルの構築を有効にするかどうかを指定します。

  • オフ - 標準のサブサンプリング方法を使用してピラミッドを構築します。 これがデフォルトです。
  • オン - SIPS 処理を使用してプラミッドを構築します。

Boolean

派生した出力

ラベル説明データ タイプ
更新された入力データ

更新された出力ワークスペース。

Text File; Workspace; Raster Layer; Mosaic Layer

arcpy.management.BuildPyramidsandStatistics(in_workspace, {include_subdirectories}, {build_pyramids}, {calculate_statistics}, {BUILD_ON_SOURCE}, {block_field}, {estimate_statistics}, {x_skip_factor}, {y_skip_factor}, {ignore_values}, {pyramid_level}, {SKIP_FIRST}, {resample_technique}, {compression_type}, {compression_quality}, {skip_existing}, {where_clause}, {sips_mode})
名前説明データ タイプ
in_workspace

処理対象となるすべてのラスター データセットまたはモザイク データセットが含まれているワークスペース

ワークスペースにモザイク データセットが含まれる場合、モザイク データセットに関連付けられている統計情報のみが含まれます。 モザイク データセット内のアイテムに関連付けられている統計情報は含まれません。

Text File; Workspace; Raster Layer; Mosaic Layer
include_subdirectories
(オプション)

サブディレクトリを含めるかどうかを指定します。

  • NONEサブディレクトリを含めません。
  • INCLUDE_SUBDIRECTORIES読み込むときに、サブディレクトリ内のすべてのラスター データセットを含めます。 これがデフォルトです。

ワークスペースにモザイク データセットが含まれる場合、モザイク データセットに関連付けられている統計情報のみが含まれます。 モザイク データセット内のアイテムに関連付けられている統計情報は含まれません。

Boolean
build_pyramids
(オプション)

ピラミッドを構築するかどうかを指定します。

  • NONEピラミッドを構築しません。
  • BUILD_PYRAMIDSピラミッドを構築します。これがデフォルトです。
Boolean
calculate_statistics
(オプション)

統計情報を計算するかどうかを指定します。

  • NONE統計情報を計算しません。
  • CALCULATE_STATISTICS統計情報を計算します。これがデフォルトです。
Boolean
BUILD_ON_SOURCE
(オプション)

ピラミッドを構築してソース ラスター データセットの統計情報を計算するか、モザイク データセットのラスター アイテムの統計情報を計算するかを指定します。 このオプションの適用対象となるのは、モザイク データセットだけです。

  • NONEモザイク データセットのラスター アイテムごと (属性テーブルの行ごと) に統計情報が計算されます ラスター アイテムに追加された関数は、統計情報を生成する前に適用されます。 これがデフォルトです。
  • BUILD_ON_SOURCEモザイク データセットのソース データのピラミッドを構築し、統計情報を計算します。
Boolean
block_field
(オプション)

計算または操作の実行時に 1 つのアイテムと見なす必要があるアイテムを識別するための、モザイク データセットの属性テーブル内のフィールド名。

String
estimate_statistics
(オプション)

(モザイク データセット内のラスターではなく) モザイク データセットの統計情報を計算するかどうかを指定します。 統計情報は、モザイク データセット内の各ラスターについて計算された既存の統計情報から得られます。

  • NONEモザイク データセットの統計情報を計算しません。 これがデフォルトです。
  • ESTIMATE_STATISTICSモザイク データセットの統計情報を計算します。
Boolean
x_skip_factor
(オプション)

サンプル間の水平方向のピクセル数。

統計情報の計算に使用されるラスター部分は、スキップ ファクターによって制御されます。水平方向または垂直方向のスキップ ファクターは、入力値で示されます。値が 1 のときは各ピクセルを使用し、値が 2 のときはピクセルを 1 つおきに使用します。スキップ ファクターの範囲は、1 からラスター内のカラム数またはロウ数までに限定されます。

この値は、ゼロより大きく、ラスター内のカラム数以下でなければなりません。デフォルトは 1、または最後に使用したスキップ ファクターです。

Long
y_skip_factor
(オプション)

サンプル間の垂直方向のピクセル数。

統計情報の計算に使用されるラスター部分は、スキップ ファクターによって制御されます。水平方向または垂直方向のスキップ ファクターは、入力値で示されます。値が 1 のときは各ピクセルを使用し、値が 2 のときはピクセルを 1 つおきに使用します。スキップ ファクターの範囲は、1 からラスター内のカラム数またはロウ数までに限定されます。

この値は、ゼロより大きく、ラスターのロウ数以下でなければなりません。デフォルトは 1、または最後に使用した Y スキップ ファクターです。

Long
ignore_values
[ignore_value,...]
(オプション)

統計情報の計算に含まれないピクセル値。

デフォルトは値なしです。

Long
pyramid_level
(オプション)

構築する低解像度データセット レイヤーの数を選択します。 デフォルト値は -1 で、完全なピラミッドを構築します。 値を 0 にすると、ピラミッド レベルなしになります。

指定できるピラミッド レベルの最大数は 29 です。 30 以上の値の場合、ピラミッドの完全なセットが作成されます。

Long
SKIP_FIRST
(オプション)

最初のピラミッド レベルをスキップするかどうか選択します。 第 1 レベルをスキップすると使用するディスク スペースが若干少なくなりますが、その縮尺でのパフォーマンスも低下します。

  • NONE最初のピラミッド レベルは構築されません。 これがデフォルトです。
  • SKIP_FIRST最初のピラミッド レベルは構築されません。
Boolean
resample_technique
(オプション)

ピラミッドの構築に使用するリサンプリング手法。

  • NEARESTこの手法は、リサンプリング時に最も近いセルの値を使用して、出力セルに値を割り当てます。 これがデフォルトです。
  • BILINEARこの手法は、4 個の最近隣入力セルの中心の重み付けされた距離に基づいてセルの新しい値を算出します。
  • CUBICこの手法は、16 個の最近隣入力セルの中心を通る滑らかなカーブの適合に基づいてセルの新しい値を算出します。
String
compression_type
(オプション)

ラスター ピラミッドを構築するときに使用する圧縮タイプ:

  • DEFAULTウェーブレット圧縮を使用してソース データを圧縮すると、JPEG 圧縮タイプでピラミッドが構築されます。それ以外の場合は、LZ77 が使用されます。 これがデフォルトの圧縮方法です。
  • LZ77LZ77 圧縮アルゴリズムがピラミッドの構築に使用されます。 LZ77 はすべてのデータ タイプに使用できます。
  • JPEGJPEG 圧縮アルゴリズムがピラミッドの構築に使用されます。 JPEG 圧縮仕様に準拠したデータだけが、この圧縮タイプを使用できます。 [JPEG] を選択した場合は、[圧縮品質] を設定できます。
  • JPEG_YCBCRLuma (Y) と chroma (Cb と Cr) 色空間成分を使用する不可逆圧縮
  • NONEピラミッドを構築するときに、圧縮を行いません。
String
compression_quality
(オプション)

JPEG 圧縮方法でピラミッドを構築するときに使用する圧縮品質。 指定する値は、0 ~ 100 の間の値でなければなりません。 100 に近い数は高品質な画像を生成しますが、圧縮比は低くなります。

Long
skip_existing
(オプション)

不足している箇所だけの統計情報を計算するか、存在している箇所のピラミッドも再生成するかを指定します。

  • SKIP_EXISTING存在していない統計情報だけを計算します。 これがデフォルトです。
  • OVERWRITEすでに存在している場合でも、統計情報を計算します。つまり、既存の統計情報は上書きされます。
Boolean
where_clause
(オプション)

処理されるラスター データセットを選択する SQL 式。

SQL Expression
sips_mode
(オプション)

SIPS (Softcopy Image Processing Standard)、NGA.STND.0014 で定義された主要プロセスとアルゴリズムを使用して、ピラミッド ファイルの構築を有効にするかどうかを指定します。

  • NONE標準のサブサンプリング方法を使用してピラミッドを構築します。 これがデフォルトです。
  • SIPS_MODESIPS 処理を使用してプラミッドを構築します。
Boolean

派生した出力

名前説明データ タイプ
out_workspace

更新された出力ワークスペース。

Text File; Workspace; Raster Layer; Mosaic Layer

コードのサンプル

BuildPyramidsAndStatistics (ピラミッドと統計情報の構築) の例 1 (Python ウィンドウ)

以下は、BuildPyramidsAndStatistics ツールを実行する Python サンプルです。

import arcpy
arcpy.BuildPyramidsAndStatistics_management(
     "C:/Workspace", "INCLUDE_SUBDIRECTORIES", "BUILD_PYRAMIDS",
     "CALCULATE_STATISTICS","BUILD_ON_SOURCE", "BlockField", 
     "ESTIMATE_STATISTICS", "10", "10", "0;255", "-1", "NONE",
     "BILINEAR", "JPEG", "50", "OVERWRITE")
BuildPyramidsAndStatistics (ピラミッドと統計情報の構築) の例 2 (スタンドアロン スクリプト)

以下は、BuildPyramidsAndStatistics ツールを実行する Python スクリプト サンプルです。

#Build pyramids and calculate statistics for all raster in a folder

import arcpy
arcpy.env.workspace = "C:/Workspace"

inws = "folder"
includedir = "INCLUDE_SUBDIRECTORIES"
buildpy = "BUILD_PYRAMIDS"
calcstats = "CALCULATE_STATISTICS"
buildsource = "NONE"
blockfield = "#"
estimatemd = "#"
skipx = "4"
skipy = "6"
ignoreval = "0;255"
pylevel = "3"
skipfirst = "NONE"
resample = "BILINEAR"
compress = "JPEG"
quality = "80"
skipexist = "SKIP_EXISTING"

arcpy.BuildPyramidsAndStatistics_management(
     inws, includedir, buildpy, calcstats, buildsource, blockfield,
     estimatemd, skipx, skipy, ignoreval, pylevel, skipfirst,
     resample, compress, quality, skipexist)

ライセンス情報

  • Basic: Yes
  • Standard: Yes
  • Advanced: Yes

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