デジタル標高モデル (DEM) の調査

Spatial Analyst のライセンスで利用可能。

地表面形状の最も一般的なデジタル データは、セルベースのデジタル標高モデル (DEM) です。このデータは、地表の特性を定量化するための入力データとして使用されます。

DEM は連続するサーフェスのラスター表現で、通常地表を表します。このデータの精度は主に、解像度 (サンプル ポイント間の距離) で決まります。その他の精度に影響を与える要因としては、データ タイプ (整数または浮動小数)、および元の DEM を作成するときのサーフェスの実際のサンプリングです。

ラスター DEM サーフェスの視覚化。
ラスター DEM サーフェスの視覚化。

DEM のエラーは通常、シンク (窪地) とピークのいずれかに分類されます。シンクとは、高い標高の値に囲まれたエリアで、陥没またはピットとも呼ばれます。これは、内部排水が起こるエリアです。これらのエリアには、氷河やカルスト地域など (Mark、1988)、自然にできたものもありますが、多くのシンクは DEM のデータの欠落によるものです。同様に、突出部やピークは低い値を持つセルに囲まれたエリアです。これらの形状はより一般的な自然の特性で、流向の計算に対する悪影響は少ないです。

これらのようなエラー、特にシンクは、サーフェス情報を算出する前に削除する必要があります。内部排水の要因となるシンクは、下り方向への水の移動を阻害します。

DEM のシンク窪地の個数は通常、DEM の解像度が低くなるほど多くなります。シンクが作成されるその他の要因は、標高データを整数として保存することです。これは、起伏の小さいエリアにおいて特に問題となります。解像度が 30 m の DEM では、セル全体の 1 % がシンクになることも珍しくありません。3 秒 (角度単位) の DEM では、シンクの割合が 5 % に増加することがあります。

また、DEM の作成時の系統的サンプリング エラーの結果として、無視できない縞状ノイズが含まれることがあります。これも、平坦地の整数データに多く見られます。

水文解析ツールは、自然の地表面上でのフローの収束をモデル化する目的で設計されています。地表面にフローの経路を決定することのできるだけの十分な起伏があるという前提条件があります。このツールは、水は複数の隣接セルから流れ込むことができるが、流出先のセルは 1 つだけであるという前提に基づいて動作します。

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