ArcGIS クライアントと SAP HANA のジオデータベース間の互換性

次の ArcGIS クライアントから SAP HANA のジオデータベースに接続できます。

  • 廃止されていないすべての ArcGIS Pro のバージョン
  • ArcGIS Server 10.6 以降
  • ArcGIS Enterprise 10.7.1 以降 (Microsoft Windows および Linux)

それより前のクライアントからの接続はサポートされていません。

エンタープライズ ジオデータベースのジオデータベース バージョンは、システム テーブルに格納されます。 これは、ジオデータベースの作成またはアップグレードに使用したクライアント バージョンを示しています。 たとえば、エンタープライズ ジオデータベースを ArcGIS Pro 2.6 から作成する場合、そのジオデータベースのバージョンは 10.8.1.2.6 になります。 このジオデータベース バージョンは主に Esri サポートが問題解決のために使用しているもので、ユーザーが使用できる機能をすべて反映しているわけではありません。ジオデータベース機能の多くは、ジオデータベースそのものではなく、ジオデータベースにアクセスするクライアントに実装されているからです。

ジオデータベースと ArcGIS クライアントを同じバージョンにしておく必要はありませんが、同じバージョンにしておくことをお勧めします。 ジオデータベースとクライアント ソフトウェアは連携して動作するように設計されており、一方のバージョンがもう一方のバージョンとかけ離れると、問題や予期しない動作が生じるリスクがあります。

これは、サイトで複数のクライアント バージョンを使用する場合に特に当てはまります。 新しいクライアントは、ジオデータベースに古いクライアントがアクセスできない新しいデータベース タイプを作成できます。 エンタープライズ ジオデータベースの場合、ジオデータベースのアップグレード間隔が長すぎると、ジオデータベースをアップグレードする前に、基礎になるデータベースを複数回アップグレードする必要があることがあります。

新しいクライアントから古いリリースのジオデータベースへ接続することにより、クライアントのアップグレードと同時にジオデータベースをアップグレードすることなく、ジオデータベースを使用することができます。 お使いの環境で、クライアント インストールのリリースを混在させることもできます。 リリースを混在させる際には、次の点に留意してください。

  • 使用しているデータベース管理システムのバージョンが、接続元の ArcGIS クライアントのバージョンと互換性を持つ必要があります。 サポートされているバージョンについては、「SAP HANA の ArcGIS システム要件」をご参照ください。
  • クライアントとジオデータベースには、サポート対象バージョンの ArcGIS を使用してください。
  • ArcGIS クライアントには、当該クライアントの API も含まれています。 このため、API を使用してジオデータベースにアクセスする場合も、同様の混在したリリースのルールが適用されます。
  • 新しい ArcGIS クライアントから古いリリースのエンタープライズ ジオデータベースに接続する際、そのリリースのジオデータベースに最新のパッチが存在する場合は、そのパッチをジオデータベースに適用します。
  • クライアントを ArcGIS CollectorArcGIS Survey123 などの ArcGIS Server サービスに接続して使用する場合、実際には ArcGIS Server がジオデータベースのクライアントになります。 この場合は、ArcGIS Server とジオデータベースのバージョンに互換性があることを確認してください。
  • 古い ArcGIS クライアントでは、新しいリリースのジオデータベースのデータを表示、検索、編集、および保存することはできますが、新しい機能が含まれたデータセットを開くことはできません。 古い ArcGIS クライアントから新しいデータセット タイプにアクセスしようとすると、次のエラー メッセージが表示されます。

    このデータセットは、このバージョンのジオデータベース クライアントとの互換性がないため開くことができません。

    データを追加できませんでした。データ タイプがサポートされていません。

  • ジオデータベース レプリケーションを使用する場合、子レプリカ ジオデータベースのバージョンは親レプリカ ジオデータベースと同じかそれ以降でなければなりません。 詳細については、「レプリケーションとジオデータベースの互換性」をご参照ください。