ArcGIS クライアントと SQL Server のジオデータベース間の互換性

ArcGIS クライアントとエンタープライズ ジオデータベース間の互換性は、使用する ArcGIS とデータベースのバージョンによって異なります。 ArcGIS クライアントとジオデータベースのバージョンが一致しない場合、データベースのバージョンが、ArcGIS とジオデータベースの両方のバージョンによってサポートされている必要があります。 使用する ArcGIS クライアント バージョンについては、「Microsoft SQL Server データベース要件」をご参照ください。 ArcGIS クライアント コンピューターにインストールするデータベース クライアントが、選択した ArcGIS のバージョンと SQL Server のバージョンに対応していることも確認してください。

ジオデータベースと ArcGIS クライアントを同じバージョンにしておく必要はありませんが、同じバージョンにしておくことをお勧めします。 ジオデータベースとクライアント ソフトウェアは連携して動作するように設計されており、一方のバージョンがもう一方のバージョンとかけ離れると、問題や予期しない動作が生じるリスクがあります。

これは、サイトで複数のクライアント バージョンを使用する場合に特に当てはまります。 新しいクライアントは、ジオデータベースに古いクライアントがアクセスできない新しいデータベース タイプを作成できます。 エンタープライズ ジオデータベースの場合、ジオデータベースのアップグレード間隔が長すぎると、ジオデータベースをアップグレードする前に、基礎になるデータベースを複数回アップグレードする必要があることがあります。

エンタープライズ ジオデータベースのジオデータベース バージョンは、システム テーブルに格納されます。 これは、ジオデータベースの作成またはアップグレードに使用したクライアント バージョンを示しています。 たとえば、エンタープライズ ジオデータベースを ArcMap 10.6.1 から作成した場合、そのジオデータベースのバージョンは 10.6.1 になります。 同じジオデータベースを後から ArcGIS Pro 2.6 を使用してアップグレードした場合は、ジオデータベース バージョンは 10.8.1.2.6 になります。 このジオデータベース バージョンは主に Esri サポートが問題解決のために使用しているもので、ユーザーが使用できる機能をすべて反映しているわけではありません。ジオデータベース機能の多くは、ジオデータベースそのものではなく、ジオデータベースにアクセスするクライアントに実装されているからです。

混在したバージョンの接続に関するルール

互換性には次のルールが適用されます。

  • クライアントとジオデータベースには、サポート対象バージョンの ArcGIS を使用してください。
  • エンタープライズ ジオデータベースは、使用するジオデータベースおよび ArcGIS のバージョンに対応するバージョンの SQL Server に保存する必要があります。 ArcGIS クライアント コンピューターにインストールするデータベース クライアントが、使用する ArcGIS のバージョンに対応している必要があります。 サポートされているデータベースおよびデータベース クライアントのバージョンについては、「Microsoft SQL Server での ArcGIS 要件」をご参照ください。 古いソフトウェア バージョンとその他のオペレーティング システムの情報については、[他のバージョン] ドロップダウン リストを使用してご参照ください。
  • ArcGIS クライアントには、当該クライアントの API も含まれています。 このため、API を使用してジオデータベースにアクセスする場合も、同様の混在したリリースのルールが適用されます。
  • クライアントを ArcGIS CollectorArcGIS Survey123 などの ArcGIS Server サービスに接続して使用する場合、実際には ArcGIS Server がジオデータベースのクライアントになります。 この場合は、ArcGIS Server とジオデータベースのバージョンに互換性があることを確認してください。
  • 組織が ArcGIS 10.5 および古い ArcGIS クライアントを混在させて 10.5 以降のバージョンのジオデータベースと使用している場合、古いクライアントは、ArcGIS 10.5 または新しいクライアントを使用して作成したデータセットを開けません。 古い ArcGIS クライアントを維持する必要がある場合は、すべての新しいデータセットを古い ArcGIS クライアントを使用して作成または読み込んでください。
  • 新しい ArcGIS クライアントから古いリリースのエンタープライズ ジオデータベースに接続する際、そのリリースのジオデータベースに最新のパッチが存在する場合は、そのパッチをジオデータベースに適用します。
  • 古い ArcGIS クライアントでは、新しいリリースのジオデータベースのデータを表示、検索、編集、および保存することはできますが、新しい機能が含まれたデータセットを開くことはできません。 古い ArcGIS クライアントから新しいデータセット タイプにアクセスしようとすると、次のエラー メッセージが表示されます。

    このデータセットは、このバージョンのジオデータベース クライアントとの互換性がないため開くことができません。

    データを追加できませんでした。データ タイプがサポートされていません。

  • ジオデータベース レプリケーションを使用する場合、子レプリカ ジオデータベースのバージョンは親レプリカ ジオデータベースと同じかそれ以降でなければなりません。 詳細については、「レプリケーションとジオデータベースの互換性」をご参照ください。
  • ArcMap を使用して、ArcGIS Pro に固有の機能を使用しているデータセットにアクセスすることはできません。 たとえば、ブランチ バージョン対応データセット、ユーティリティ ネットワーク、または ArcMap の属性ルールを含むデータセットにはアクセスできません。
  • ジオデータベースをアップグレードし、[データセットのアップグレード (Upgrade Dataset)] ジオプロセシング ツールを使用して特定のデータセットをアップグレードした場合、ArcMap からデータセットを開くことができない場合があります。