Indoors エクステンションのライセンスが付与された ArcGIS 組織で利用できます。
ArcGIS Indoors Information Model 用の Autodesk AutoCAD フロア プラン ドローイングの準備の一環として、インポート前に特定の品質基準に揃える作業があります。
以下に示す AutoCAD 品質基準に関するガイダンスにより、Indoors モデルで使用できるようデータの準備が整っていることを確認できます。ここに挙げられているベスト プラクティスは、インポートの成功を確実にします。
CAD ドローイングの要件
次のデータ準備要件を満たすことで、AutoCAD データを ArcGIS で必ず問題なく使用できます。
座標系
建物とフロア プラン フィーチャが、必ず対応する座標系に適したサイズで正しい場所に配置されるよう、すべてのドローイングの配置が適切でなければなりません。 データを縮尺して描画する必要があり、描画単位は ArcGIS のジオリファレンス単位と一致する必要があります。
AutoCAD ドローイングは、AutoCAD Map 3D または ArcGIS Pro でジオリファレンスできます。 この作業は、AutoCAD フロア プランを、Indoors モデルに [フロアプランを Indoors ジオデータベースにインポート (Import Floorplans To Indoors Geodatabase)] ツールを使用してインポートする前に完了する必要があります。
レイヤー コンテンツ
Indoors モデルで使用する AutoCAD レイヤーは、表示され、固定が解除されている必要があります。 levels、units、facilitiesなど、重要なジオメトリのレイヤーが含まれていることを確認します。
ヒント:
AutoCAD フロア プランを ArcGIS Pro にインポートする際、レベルのフットプリントのマージにより、施設境界を作成できます。
トポロジ的にクリーンなデータ
ドローイング ファイルを詳しく調べ、ジオメトリに以下が含まれていないことを確認します。
- アンダーシュート - Indoors モデルのポリゴン フィーチャクラスにマッピングされたAutoCAD ラインは閉じている必要があります。 アンダーシュートは、正しい Indoors ポリゴンの作成を妨げます。
- 自己交差 (フィーチャが自己のセグメントにオーバーラップする) - これは、フィーチャのインポートが失敗すると生じます。
- オブジェクトの重複 - 同じフィーチャを表すオブジェクトが同じレイヤー内にあると、Indoors モデルで重複が作成されます。
ヒント:
AutoCAD Map 3D には、上記の項目の一部を解決するドローイングのクリーンナップ ツールがあります。 AutoCAD では、Purge、Overkill、Audit の各ツールもあり、これらの状態の管理に役立ちます。また、AutoConstrain ツールの拘束設定を構成してこれらの項目を検出することもできます。
ArcGIS Pro の [ジオメトリの修正 (Repair Geometry)] ツールでも、上記の項目の一部に対応できます。
プロキシ オブジェクトと外部参照
プロキシ オブジェクトは、Indoors に意図したとおりにインポートされないので、ドローイング ファイルから削除します。 プロキシ オブジェクトは通常、ロゴや複雑な目標物のシンボルに使用されますが、Indoors にインポートすると、出力されたフィーチャは、それが表すコンテンツがなくて意味がなくなる場合があります。
AutoCAD の [バインド] オプションを使用して挿入された参照ドローイング (xrefs) がサポートされます。 このオプションを使用せずに作成された xrefs は、Indoors には表示されません。 ただし、Indoors の Source Files シートに 1 つ以上の CAD ドローイングを構成して、AutoCAD データを適切にインポートすることができます。
アノテーション レイヤー
屋内空間を識別するには、会議室の名前や化粧室のラベルなど、識別テキスト (アノテーション) を含むレイヤーが必要です。 「Office」や「Stairway」などの空間用途を示すアノテーションを挿入し、屋内マップの用途別にユニットをシンボル表示できるようにします。
各アノテーションの挿入ポイントが関連する空間内にあることを確認してください。 ArcGIS は、挿入ポイントを使用してアノテーションの位置を確認します。 たとえば、部屋のラベルの挿入ポイントがその部屋内にない場合、Indoors でラベルは正しく表示されません。
ドローイング メタデータ (タイトル、境界、および建築士の情報のようなテキスト属性など) を、ジオメトリを含むレイヤーとは別のレイヤーに配置すると、AutoCAD のドローイング メタデータは、Indoors の出力に表示されません。
ベスト プラクティス
以下の推奨事項により、AutoCAD データが Indoors モデルに正しく表示されます。
レイヤー コンテンツ
レイヤー プロパティを ByLayer に設定すると、AutoCAD ドローイングのオブジェクトの識別や、構成スプレッドシート ファイルへの入力が簡単になります。
スプレッドシートに追加するレイヤーがいずれも空でないことを確認してください。 空のレイヤーがあると、レイヤー内に存在することが期待されるコンテンツがある場合に混乱が生じます。
ブロックと個別のオブジェクトを使用する場合は矛盾がないようにしてください。 2 つが混在する場合は、インポート プロセスを複数回実行して、対象オブジェクトをすべて Indoors に取り込む必要があります。
屋内のナビゲーション用にネットワークを作成する予定がある場合は、開口部を表すレイヤーや壁を含むあらゆる種類の障害物を表すレイヤーを追加します。
トポロジ的にクリーンなデータ
ドローイング ファイルを詳しく調べ、ジオメトリに以下が含まれていないことを確認します。
- オーバーシュート。
- 長さが 0 のポリライン (始点と終点が同じ場所にあるライン)。
- ユニット、施設、レベル、セクション、ゾーンを表すオブジェクトの同一レイヤー内での重複。
- エッジへのスナップ - スナップは頂点で行われる必要があります。
- アイランド、ホール - AutoCAD ドローイングのアイランドとホールを識別し、ArcGIS にデータをインポートした後に確認します。 場合によっては、アイランドまたはホールを周囲のポリゴン フィーチャから切り取って、正しいトポロジを取得する必要があります。
- 相互に交差しているが、交差部分にノードがないオブジェクト。
ヒント:
AutoCAD Map 3D ソフトウェアには、上記の項目の一部を解決するドローイングのクリーンナップ ツールがあります。 AutoCAD では、Purge、Overkill、Audit の各ツールもあり、これらの状態の管理に役立ちます。 また、AutoConstrain ツールの拘束設定を構成してこれらの項目を検出することもできます。
ArcGIS Pro の [ジオメトリの修正 (Repair Geometry)] ツールでも、上記の項目の一部に対応できます。
Facility、Level、Unit ポリゴン フィーチャには閉じたポリラインを使用します。 [フロアプランを Indoors ジオデータベースにインポート (Import Floorplans To Indoors Geodatabase)] ツールでも、未閉合ライン (壁、窓、ドアなど) を組み合わせてポリゴン フィーチャを生成できます。ただし、トポロジに関するまたはその他の問題の発生確率が増します。
ラインおよび未閉合ポリラインをライトウェイト ポリライン (LWPOLYLINE) として描画します。 LWPOLYLINE は、AutoCAD で最も矛盾なく閉じ、Indoors でも同様に機能します。
次のジオメトリ タイプは Indoors では複雑になるので、スナップ オプションや一致オプションにこだわる必要はありません。
- 楕円
- スプライン
- アーク
たとえば、アークは Indoors では始点と終点として表されます。 ただし、半径の中心点は適切に表示されません。
アークまたは楕円が使用された場合は、ポリラインに変換します。
アノテーション
タイトル ブロック属性を配置する場合は、ドローイングの左下の座標に挿入することをお勧めします。 このタイトル ブロック属性には通常、プロジェクトおよびドローイングの詳細を識別する情報が含まれています。
UNIT_ID フィールドの作成に使用されるアノテーション レイヤーには、各ユニットの一意の値が格納されていなければなりません。 次のような一般的な問題が発生する可能性があります。
- 複数のユニットに同じアノテーションが含まれている - 同じレベルの複数のフィーチャが同じアノテーション値を持っている (たとえば、2 つの階段がアノテーション レイヤーで「Stairway」という名前を付与されている) 場合、フロア プランを Indoor データセットにインポートしたときに、UNIT_ID フィールドに同一の値が割り当てられます。 フロア プランを更新して同じ Indoor データセットに読み込むと、重複フィーチャは削除されます。
- 一部のユニットでアノテーションが欠落している - ユニット フィーチャにアノテーションが含まれていない場合は、識別子として連番が割り当てられます。 フロア プランに対しユニットが追加または削除された場合、更新されたフロア プランを Indoor データセットにインポートしたとき、同じフィーチャに異なる番号が割り当てられる可能性があります。 この場合、ユニットは新しいフィーチャとしてインポートされます。
[フロアプランを Indoors ジオデータベースにインポート (Import Floorplans To Indoors Geodatabase)] ツールを使用する前に、このアノテーション レイヤーを CAD フロア プラン テンプレート ファイルの UNIT_ID フィールドにマッピングできます。