ネットワーク ダイアグラムの更新とは、ネットワーク トポロジに関してそのコンテンツを更新することです。つまり、その最初の生成に使用されたネットワーク フィーチャおよびネットワーク オブジェクトからそのコンテンツを同期して、ダイアグラム内のこれらのネットワーク エレメントに影響したと思われるすべての変更を反映することです。 たとえば、ネットワークのトポロジの整合チェック後に矛盾のある状態になったダイアグラムなどに更新は適しています。
ダイアグラムの更新には主に 3 つのワークフロー ([ネットワーク ダイアグラム] ホーム タブでの操作、[ダイアグラムの検索] ウィンドウでの操作、[ジオプロセシング] ウィンドウから [ダイアグラムの更新 (Update Diagram)] ツールを直接実行) があります。
- [ネットワーク ダイアグラム] タブでの作業は、主にすでに開いているダイアグラムに対して適用されます。
- [ダイアグラムの検索] ウィンドウでの作業は、開いていないダイアグラムを更新する場合の効率を上げます。 これを使用して、ネットワークの特定の範囲をカバーするすべてのダイアグラム、または編集が発生したことがわかっている特定のネットワーク フィーチャまたはネットワーク オブジェクトを含むすべてのダイアグラムをすばやく検索できます。 次に、取得したすべてのダイアグラムにこれらの編集を反映できます。
- [ジオプロセシング] ウィンドウの [ダイアグラムの更新 (Update Diagram)] ツールの操作は、複数のネットワーク ダイアグラムを一度に更新する場合に役立ちます。 たとえば、特定のテンプレートに基づいてすべてのダイアグラムを更新して、最近テンプレートに影響を与えたルールやレイアウト定義の変更を反映することができます。 別の例としては、最近整合チェックされたネットワーク トポロジ領域に関して矛盾が存在すると思われる、データベース内のすべてのダイアグラムを更新する場合などがあります。
選択するワークフローに関係なく、ネットワーク ダイアグラムの更新プロセスは同じ方法で実行されます。 ダイアグラムの生成に最初に使用されたすべてのネットワーク フィーチャおよびネットワーク オブジェクトがまず取得され、取得されたネットワーク エレメントのセットから開始して、ダイアグラム テンプレート上で構成されたルールが再実行されます。 プロセスが完了すると、ダイアグラム コンテンツは、関連するネットワーク エレメントに影響を与えたすべての変更を反映します。
- ダイアグラムに表示されたネットワーク フィーチャまたはネットワーク オブジェクトに影響を与えたすべてのトポロジ変更が、関連するダイアグラム フィーチャにレポートされます。
- ネットワーク内に存在しなくなったネットワーク フィーチャまたはネットワーク オブジェクトに対応するすべてのダイアグラム フィーチャは、ダイアグラムから削除されます。
- ルールの再実行 (トレースや格納器の展開ルールなど) によって新しいネットワーク フィーチャまたはネットワーク オブジェクトが返されると、それがダイアグラムに追加されます。
- [ダイアグラムの更新 (Update Diagram)] ツールを実行し、ダイアグラムの更新の最後にテンプレート上で指定された自動レイアウトを再適用するように構成すると、自動レイアウトがダイアグラム コンテンツ全体に適用されます。
- デフォルトでは、テンプレートで指定されている自動レイアウトは、更新で最適用されません。 更新の前と後で、ダイアグラム内に存在する可能性があるダイアグラム フィーチャの位置は保たれたままです。 ダイアグラムに新しく追加されたダイアグラム フィーチャの場合、そのダイアグラム フィーチャのジオメトリは以下のルールに準拠します。
- ネットワーク ポイント フィーチャを表すダイアグラムポイント ジャンクションは、ポイント フィーチャの地理的位置に表示されます。
- ネットワーク ポリゴン フィーチャを表すダイアグラムのポイント ジャンクションは、フィーチャ境界エンベロープの中央に配置されます。
- ネットワーク ジャンクション オブジェクトを表すダイアグラムのポイント ジャンクションは、一部またはその他のすべての格納物とともにその空間格納器を表すダイアグラム ポリゴン格納器内部の最適な位置に配置されます。
- 格納器ポイント フィーチャを表すダイアグラムのポリゴン格納器は、ポイント フィーチャの地理的位置に配置される中心を持つ格納物の周囲の四角形として表示されます。
- 格納器ポリゴン フィーチャを表すダイアグラムのポリゴン格納器は、フィーチャ境界エンベロープの中央に配置される中心を持つ格納物の周囲の四角形として表示されます。
- 格納器ジャンクション オブジェクトを表すダイアグラムのポリゴン格納器は、格納物の周囲で、独自のダイアグラムのポリゴン格納器内部の最適な位置に配置される四角形として表示されます。
- ネットワーク エッジ オブジェクトを表すダイアグラム エッジは、From および To ダイアグラム ジャンクション間の直線として表示されます。
- ネットワーク ライン フィーチャを表すダイアグラム エッジは、ダイアグラム テンプレートがエッジの初期状態の頂点を保持するように構成されている場合はライン フィーチャ ジオメトリとともに表示されます。それ以外の場合は、From および To ダイアグラム ジャンクション間の直線として表示されます。
注意:
サブネットワーク システム ダイアグラムの更新は、ダイアグラムが [サブネットワークの更新 (Update Subnetwork)] ツールによって排他的に管理されている場合、失敗します。 これらのケースでは、[サブネットワークの更新 (Update Subnetwork)] を実行する前に、ネットワーク トポロジを再度有効化するか整合チェックする必要があります。
要件
ネットワーク ダイアグラムを更新する場合、次の前提条件が満たされている必要があります。
- ネットワーク トポロジが有効化されている必要があります。
- この操作はトランザクションであるため、実行前に編集内容を保存する必要があります。
- この操作は、ファイル ジオデータベースまたはモバイル ジオデータベース内のユーティリティ ネットワークまたはトレース ネットワークから取得したネットワーク ダイアグラム レイヤーに適用されるか、ネットワーク ダイアグラム サービスから取得したネットワーク ダイアグラム レイヤーに適用されます。 エンタープライズ ジオデータベース内のユーティリティ ネットワークまたはトレース ネットワークを操作する場合、入力ネットワーク ダイアグラム レイヤーはサービスから取得する必要があります。
- 表示可能であるか集約されているかにかかわらず、ダイアグラムの生成に最初に使用されたネットワーク フィーチャにダーティ エリアが存在しない。
- 表示可能であるか集約されているかにかかわらず、ダイアグラムの生成に最初に使用されたネットワーク オブジェクトに関連する格納器フィーチャにダーティ エリアが存在しない。
- 更新中に処理された新しいネットワーク フィーチャにダーティ エリアが存在しない。
- 更新中に処理された新しいネットワーク オブジェクトに関連する格納器フィーチャにダーティ エリアが存在しない。
- ダイアグラムの範囲がダーティ エリアと交差していない。
開いているダイアグラムの更新
開いているダイアグラムを更新するには、次の手順を実行します。
- 更新対象のネットワーク ダイアグラムを参照するマップ ビューをクリックします。このマップ ビューがダイアグラム マップと関連していなかったり、複数のネットワーク ダイアグラムを参照するダイアグラム マップと関連している場合は、[コンテンツ] ウィンドウで目的のネットワーク ダイアグラム レイヤーをクリックします。
- [ネットワーク ダイアグラム] タブをクリックして、[変更] グループで [更新] をクリックします。
保存済みのダイアグラムの更新
[ダイアグラムの検索] ウィンドウにリストされた保存済みのダイアグラムを更新するには、次の手順を実行します。
- ネットワークを参照するマップ ビューを開きます。
- [コンテンツ] ウィンドウでネットワーク レイヤーをクリックすると、[ユーティリティ ネットワーク] または [トレース ネットワーク] タブ セットが使用可能になります。
- [ユーティリティ ネットワーク] または [トレース ネットワーク] タブ セットの [データ] タブ、または [ネットワーク ダイアグラム] コンテキスト対応タブのいずれかで [検索] をクリックします。
[ダイアグラムの検索] ウィンドウが表示されます。 「データベース内のネットワーク ダイアグラムの検索」で説明されているように、[ダイアグラムの検索] ウィンドウでは、ダイアグラム検索を改善するさまざまな機能が提供されています。
- 必要なウィンドウ オプションを設定します。たとえば、[アクティブなマップ範囲内の一部を含む] チェックボックスがオンになっていることを確認し、更新するダイアグラムのマップ部分を拡大表示します。
- リストの下部にある [更新] をクリックすると、それに応じてダイアグラム リストが更新されます。
- 対象のダイアグラム アイテム (複数可) をクリックし、リスト内でオンにしてから、リスト内の任意の場所を右クリックして、ショートカット メニューの [ダイアグラムの更新] をクリックします。
ヒント:
複数のダイアグラムを更新するには、Shift キーを押しながら、更新する各ダイアグラム アイテムをクリックし、次に [ダイアグラムの更新] をクリックします。
リスト内のサブネットワーク システム ダイアグラム アイテムをオンにすると、[ダイアグラムの更新] コマンドがショートカット メニューで利用不可になることに注意してください。この理由として、このようなダイアグラムは [ダイアグラムの更新 (Update Diagram)] ツールを使用して更新できないためです。
選択された各ダイアグラムが更新されます。
注意:
[ダイアグラムの検索] ウィンドウには、ダイアグラムの検索を絞り込むためのさまざまな機能があります。たとえば、特定のネットワーク フィーチャまたはネットワーク オブジェクトを含むダイアグラムや、特定の期間中に生成されたダイアグラムを検索できます。
[ダイアグラムの更新 (Update Diagram)] ツールを使用したネットワーク ダイアグラムの更新
次に示すワークフロー手順は、[ダイアグラムの更新 (Update Diagram)] ジオプロセシング ツールを使用してネットワーク ダイアグラムを更新する方法を説明するものです。
ArcGIS Pro を起動して、プロジェクトを読み込むか、プロジェクトを作成します。
- [ジオプロセシング] ウィンドウを開き、[ツールボックス] をクリックして、[ネットワーク ダイアグラム ツール] を展開します。
- [ダイアグラムの更新 (Update Diagram)] ツールをダブルクリックします。
[ジオプロセシング] ウィンドウに [ダイアグラムの更新 (Update Diagram)] ツールが読み込まれます。
- 既存のマップ内ですでに開いているネットワーク ダイアグラムを更新するには、次の手順を実行します。
- ネットワーク ダイアグラムが含まれているマップをアクティブにします。
- [ジオプロセシング] ウィンドウで、[入力ネットワークまたはネットワーク ダイアグラム レイヤー] ドロップダウン リストをクリックして、該当するダイアグラム レイヤーを選択します。
- 後続の手順を無視して、手順 7 に進みます。
- 特定のバージョンでネットワークに関連したネットワーク ダイアグラムを更新するには、次の手順を実行します。
- プロジェクト内にネットワークを参照しているマップが存在しない場合は、そのマップを作成します。
- プロジェクト内にネットワークを参照しているマップがすでに存在する場合は、そのマップをクリックしてアクティブなマップ ビューにします。
- そのマップ内のデータのバージョンに切り替えます。
- [ジオプロセシング] ウィンドウで、[入力ネットワークまたはネットワーク ダイアグラム レイヤー] ドロップダウン リストをクリックして、ネットワーク レイヤーを選択します。
- 次の手順を無視して、手順 6 に進みます。
- デフォルト バージョンでネットワークに関連したネットワーク ダイアグラムを更新するには、次の手順を実行します。
- [ジオプロセシング] ウィンドウで、[入力ネットワークまたはネットワーク ダイアグラム レイヤー] の横にある [参照] ボタンをクリックします。
- ポータルを参照して選択し、サービス フィーチャ レイヤーを展開して、ネットワーク サービス レイヤーを選択します。
- 更新するダイアグラムに応じて、次のいずれかを実行します。
- 特定のテンプレートに基づいてダイアグラムを更新する場合は、[テンプレート名] ドロップダウン リストから使用するテンプレートを選択します。
- 特定のダイアグラムを更新するには、[ダイアグラム名] テキスト ボックスにそのダイアグラムの名前を入力します。
- [高度な設定] セクションを展開して、次の手順を実行します。
- 一貫性の有無に関係なくダイアグラムを更新する場合には、[矛盾のあるダイアグラムのみ更新] をオフにします。
- ダイアグラム フィーチャの現在の位置を更新後もそのまま保持する場合は、[更新されたダイアグラムに自動レイアウトを再適用] をオフにしておきます。
- ダイアグラム コンテンツ全体に対するダイアグラムの更新の最後に、テンプレートで指定されている自動レイアウトを最適用する場合には、[更新されたダイアグラムに自動レイアウトを再適用] をオンにします。
- [実行] をクリックします。