ユーティリティ ネットワークのアップグレード履歴

ユーティリティ ネットワークを最新の状態に維持して最新の機能を利用できるようにするために、アップグレードが必要な場合があります。 これは、ユーティリティ ネットワーク データセット、ネットワーク フィーチャクラス、その他の関連するジオプロセシング オブジェクトに対して、スキーマの変更を適用します。 アップグレードを実行するには、[データセットのアップグレード (Upgrade Dataset)] ツールを使用します。

アップグレード処理の要件の詳細

情報モデルでスキーマの変更により導入された新しい機能を利用するには、ユーティリティ ネットワーク データセットをアップグレードする必要があります。 ArcGIS Pro クライアントのバージョンと現在のユーティリティ ネットワーク バージョンによって、ユーティリティ ネットワーク データセットのアップグレードが利用可能かどうかを判断できます。 アップグレード処理を実行すると、ユーティリティ ネットワーク バージョン番号が増分します。

エンタープライズ ジオデータベースを操作する場合、ArcGIS ProArcGIS Enterprise のバージョンにより、作成またはアップグレードされるユーティリティ ネットワーク データセットのユーティリティ ネットワーク バージョンが決定されます。 詳細については、「ユーティリティ ネットワークの互換性」をご参照ください。

すべての ArcGIS Pro および ArcGIS Enterprise リリースでスキーマの変更が導入されるわけではありません。 アップグレードするだけで、新しいユーティリティ ネットワーク バージョンで導入された機能を利用できます。

ヒント:

ユーティリティ ネットワークのバージョンとアップグレード履歴は、[ネットワーク プロパティ] タブの [一般] セクションで確認できます。

アップグレードは、バージョン間で累積的で、スキップされたバージョンからの変更を含みます。 たとえば、ユーティリティ ネットワークをユーティリティ ネットワーク バージョン 3 からユーティリティ ネットワーク バージョン 5 へ更新する場合、バージョン 4 および 5 のすべてのスキーマ変更が含まれます。 ユーティリティ ネットワークのバージョンによっては、アップグレード処理の後に続く追加の手順が必要です。 アップグレード パスに含まれるバージョンごとの手順を確認します。

ユーティリティ ネットワーク バージョン 5 へのアップグレード

ユーティリティ ネットワークをユーティリティ ネットワーク バージョン 5 にアップグレードすると、次の変更が行われます。

  • 新しいフィールド (SUPPORTINGSUBNETWORKNAME) が、Assembly フィーチャクラスを除くすべてのドメイン ネットワーク クラスに追加されます。
  • 新しいテーブル UN_<ID>_TRACECONFIGURATIONS が、ユーティリティ ネットワーク スキーマに追加されて、トレース構成の作成、使用、および共有をサポートします。

ユーティリティ ネットワークをバージョン 5 にアップグレードした後で、追加の手順が必要です。

  • アップグレード後、既存のユーティリティ ネットワーク サービスのサービス設定を確認します。 ユーティリティ ネットワークの許可するオペレーションのセクションで、ArcGIS Enterprise 10.9 専用の操作を含めるように、許可するすべてのオペレーションがオンになっていることを確認します。

ユーティリティ ネットワーク バージョン 4 へのアップグレード

ユーティリティ ネットワークをユーティリティ ネットワーク バージョン 4 にアップグレードすると、次の変更が行われます。

  • ポイント、ライン、およびポリゴン エラー サブレイヤーは削除され、ユーティリティ ネットワーク レイヤーのサブレイヤーとして使用できなくなります。
  • ダーティ エリアおよび関連付けテーブルのスキーマは、エラー情報を保存するように変更されます。
    • UPDATETYPE フィールドは、ダーティ エリア テーブルから削除されます。
    • STATUS フィールドは、ダーティ エリア テーブルで使用され、ダーティ エリアのタイプを示します。 このフィールドは関連付けテーブルに追加されます。
    • ERRORCODE および ERRORMESSAGE フィールドは、ダーティ エリアおよび関連付けテーブルに追加されます。
    • PERCENTALONG フィールドは関連付けテーブルに追加されます。
  • 名前付きバージョンのすべてのダーティ エリアは切り捨てられます。 この手順は、ダーティ エリア テーブルに加えられたスキーマ変更を取り込むために必要です。 デフォルト バージョンのアップグレード後、ネットワーク トポロジを有効化し、すべての名前付きバージョンでリコンサイルを実行することで、新しいダーティ エリアが生成されます。
  • ユーティリティ ネットワークの組み込みのフィーチャ制限を伴う変更を含みよう、AssociationStatus ドメインが更新されます。
  • サブネットワーク テーブルの SUBNETWORKNAME および SUBNETWORKCONTROLLERNAME フィールドに、一意でない属性インデックスが追加されます。
  • すべてのドメイン ネットワーク クラスに、SUPPORTEDSUBNETWORKNAME という新しいフィールドが追加されます。 このフィールドは、Assembly フィーチャクラスのフィーチャがサポートするフィーチャのサブネットワークを保存するために使用されます。
    • サブネットワークの更新処理は、Assembly フィーチャクラスのフィーチャのサブネットワークを保存するために、SUBNETWORKNAME フィールドを更新しなくなります。
    • アップグレード時に SUBNETWORKNAME フィールドはシステム管理されなくなるように更新されますが、削除されることはありません。 必須ではありませんが、混乱を避けるために Assembly フィーチャクラスから削除することができます。
  • 次に示す追加のサブネットワーク プロパティが、各層に対して保存されます。

    • 有効なジャンクション。
    • 有効なジャンクション オブジェクト。
    • 有効なエッジ オブジェクト。
    • [有効なサブネットワーク コントローラー] には、有効なサブネットワーク コントローラーとして設定されているデバイスおよびジャンクション オブジェクトが表示されます。

  • システム提供の UN_<ID>_IsDirty コード値ドメインに新しいコードおよび説明の値が追加されます (2: Invalid)。 これは、サブネットワーク管理の将来の作業をサポートするために使用されます。

共通の地理的空間を共有する多数の現実世界のフィーチャをモデル化して操作するために、ユーティリティ ネットワーク スキーマの一部として、非空間ジャンクションおよびエッジ オブジェクトが導入されています。

  • 構造物ネットワークに対して、次のテーブルが作成されます。
    • StructureJunctionObject
    • StructureEdgeObject
  • 各ドメイン ネットワークに対して、次のテーブルが作成されます。
    • <domain_network>JunctionObject
    • <domain_network>EdgeObject
  • システム提供の UN_<ID>_FeatureSourceID コード値ドメインが更新され、構造物ネットワークと各ドメイン ネットワークに対して次のコードと説明の値が追加されます。
    • <ID> - 構造物ジャンクション オブジェクト
    • <ID> - 構造物エッジ オブジェクト
    • <ID> - <domain_name> ジャンクション オブジェクト
    • <ID>- <domain_name> エッジ オブジェクト

ユーティリティ ネットワークをバージョン 4 にアップグレードした後で、追加の手順が必要です。

  • ユーティリティ ネットワークをブランチ バージョン対応として含むフィーチャ データセットを登録し、新しいジャンクションおよびエッジ オブジェクトをバージョン管理します。 詳細については、「データセットのブランチ バージョン対応登録」をご参照ください。
  • ネットワーク トポロジを有効化します。
  • 既存のマップのユーティリティ ネットワーク レイヤーを削除して再追加し、更新されたダーティ エリアとエラー シンボルを反映します。
  • 非空間ジャンクションおよびエッジ オブジェクト テーブルを含む更新されたマップを使用して、新しいサービスを公開します。
  • すべての名前付きバージョンをリコンサイルして、更新時に行われたスキーマ変更に基づき、ダーティ エリアを再生成します。

ユーティリティ ネットワーク バージョン 3 へのアップグレード

ユーティリティ ネットワークをユーティリティ ネットワーク バージョン 3 にアップグレードすると、次の変更が行われます。

  • 新しいシステム提供のネットワーク属性がユーティリティ ネットワークに追加されます。 Flow direction は、[イン ライン] で格納された非表示のシステム提供のネットワーク属性であり、フロー方向を利用した今後の作業をサポートするために使用されます。

ユーティリティ ネットワーク バージョン 2 へのアップグレード

ユーティリティ ネットワークをユーティリティ ネットワーク バージョン 2 にアップグレードすると、次の変更が行われます。

  • 新しく作成されたフィーチャのデフォルトの状態を表すために、システム提供の属性ドメイン IsConnected に新しいコードと説明が追加されます (2: 不明)。
  • IsConnected フィールドのデフォルト値が true から unknown に変更されます。
  • [格納器スプリット ポリシー] プロパティが格納器の関連付けロールに追加されます。
  • システムが提供する次の属性ドメインのスプリット ポリシーが、デフォルトから複製に変更されます。
    • IsConnected
    • AssociationStatus
    • TerminalNames
  • エラー フィーチャから生成されるダーティ エリアを表すために、システム提供の属性ドメイン Dirty areas にコードと説明が追加されます (3: エラー)。
  • アセット タイプまたはターミナルにアスタリスク (*) を使用したルールが拡張され、それぞれの組み合わせが個々のルールとして明示的に表されます。 アスタリスクを使用した既存のルールが、ユーティリティ ネットワークの現在の構成状態を使用して拡張され、新しく生成されたルールが [ネットワーク プロパティ] タブに表示されます。
  • 親 サブネットワークの列がサブネットワーク テーブルから削除されます。
  • 関連するテーブルがバージョン非対応になっているため、ダイアグラム テンプレートはこれ以上バージョン対応登録されません。

注意:

ArcGIS Pro 2.1 を使用して作成されたユーティリティ ネットワークは完全な 3D 対応ではありません。これには、アップグレードされたユーティリティ ネットワークも含まれます。 ダーティ エリアとエラー フィーチャ管理のため、完全な 3D 機能を備えたユーティリティ ネットワークで作業することをお勧めします。 詳細については、「ユーティリティ ネットワークを完全に 3D 対応にする方法」をご参照ください。