フィーチャをクラスターに集約

クラスタリングを使用すると、地理的に近いポイント フィーチャが動的に 1 つのシンボルに集約され、有益な情報パターンが視覚的に表示されます。 また、クラスタリングを使用すると、データが重なり合わないようにすることができます。

データがポイント フィーチャ レイヤー内に存在する場合、レイヤー内のポイント フィーチャをクラスターに集約できます。

フィーチャ クラスタリング

クラスターは、2 つ以上のポイント フィーチャを表すシンボルです。 フィーチャ クラスタリングは、ポイント フィーチャをクラスターに集約します。 多くの場合、クラスターのシンボルには、そのクラスターが表すポイント フィーチャの数を示す値が表示されます。 クラスターに含まれるフィーチャの数が増えると、それに比例してクラスター シンボルのサイズや形状も大きくなります。

ポイント フィーチャをクラスターに集約すると、レイヤーではマップ上で指定した相互距離内にあるポイント フィーチャが再描画され、1 つのクラスターにグループ化されます。 指定した距離 (クラスタリング半径と呼ばれる) は、あるポイント フィーチャがクラスターに集約される際に必要な、他のポイント フィーチャとの概算距離です。 クラスターの指定された半径内に存在しないポイント フィーチャは、クラスターに集約されません。

マップ上の 1 つの大きなクラスター、いくつかの小さなクラスター、および 2 つのクラスター化されていないフィーチャの例
このフィーチャ クラスタリングの例では、最大のクラスターに 119 個のフィーチャが含まれています。 左側の 2 つのフィーチャはクラスター化されないままになっています。

クラスタリングは、煩雑に配置されたポイントで構成される複雑なレイヤーのシンボルを単純化するために使用されます。 フィーチャ クラスタリングに固有な点は、シンボルにサイズ、色、およびテキスト コンポーネントが存在することで、データから複数の変数を視覚的に表示することができます。 クラスタリングは、レイヤーに数百または数千のポイントが含まれている場合に、視覚化しにくいデータ内のパターンを表示することができます。

クラスタリングの例を次に示します。

  • ジオコーディングされた学生の住所を含むレイヤーをクラスタリングすることで、学生の特定の住所を視覚化することなく、多くの学生が住んでいる地域を表示することができます。
  • 個別値シンボル クラスターで種をグループに分類することで、国立保護区内で最も一般的に主要な特性を表示できます。
  • ある都市の交通事故のデータセットで最も一般的な値 (モード) を視覚化することで、事故が多い時間帯を確認できます。

ポイント フィーチャをクラスターに集約

ArcGIS Pro では、ポイント データに対して 2 つの動的な集約方法 (フィーチャ ビニングとフィーチャ クラスタリング) を提供しています。 いずれの方法も同様の効果を得られますが、視覚的にも動作的にも異なります。

ポイント フィーチャをクラスターに集約して、フィーチャの位置や配置の傾向を確認することを検討してください。 フィーチャ クラスタリングでは、マップの縮尺や範囲に応じてクラスターが動的に更新されます。 クラスターは、個別値未分類の色比例シンボルなどの追加のシンボル タイプをサポートしています。

フィーチャ ビニングではマップの大半が隠蔽されますが、クラスタリングでは他のフィーチャやベースマップが部分的に見えたままになります。 ポイント フィーチャがクラスタリングされていない場合は、単一のポイント フィーチャとして描画され続けます。 フィーチャ ビニングでは、1 つのポイントが常に 1 つのビンとして描画されます。 フィーチャ ビニングは、クラスタリングに比べてフィーチャの位置により忠実です。 クラスターは、表されるフィーチャの重心に応じて動的に位置が変化する可能性があるため、クラスター内の個々のフィーチャの正確な位置は表されません。

ヒート マップ シンボルを使用して人口密度の高いフィーチャを表示することで、高密度のポイント情報を視覚化することもできます。 フィーチャのクラスタリングは、まばらに分布するポイント グループのデータを見やすくし、詳細レベルが頻繁に変化したり、挿入が必要となるマルチスケールのマップに適しています。

フィーチャ レイヤーでのクラスタリングを有効化

フィーチャ クラスタリングは、マップ内の任意のポイント フィーチャ レイヤーで使用することができます。 [フィーチャ レイヤー] にある [表示設定] タブの [描画] グループで、[集約] ドロップダウン メニュー Aggregation をクリックし、[クラスタリング] Clustering を選択します。

レイヤーでフィーチャ ビニングが有効になっている場合、[集約] ドロップダウン メニューからフィーチャ クラスタリングとフィーチャ ビニングを動的に切り替えることができます。

注意:

Z 値に基づいたポイント フィーチャのクラスタリングはサポートされていません。

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