過剰な描画リクエスト

ArcGIS Pro では、使用しているコンピューターの能力に応じて、グラフィックス エンジンが描画を制限します。これらの制限を超えると、シーンが完全に描画されなくなります。また、現在のビューでのリソースの消費量が限界に近い状態になると、描画のパフォーマンスが明らかに低下します (フレーム レートが低下したり、ビューがスムーズに移動しないなど)。描画リクエストの量が特定の制限を超えると、次を示す警告メッセージが表示されます。

Symbology or layer properties for layer NAME are causing an excessive amount of draw requests. Consider lowering the feature count by changing distance visibility limits or changing symbology properties.

正常なレンダリングを再開するには、描画リクエストの量を減らす必要があります。

表示されるフィーチャの数または複雑さの削減

以下を試して、表示されるフィーチャの数または複雑さを減らします。

  • コンテンツを、絶対高度で描画するのではなく、サーフェス上にドレープすることができる場合、レイヤーを 3D レイヤー グループから 2D レイヤー グループに移動することを検討してください。これによって、シーン内に描画される 3D ジオメトリの数が減少するため、システムに対する負荷が低下します。
  • シーン内の 1 つ以上のレイヤーの表示縮尺範囲を下げます。この操作は、[レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスの [一般] タブで実行できます。[表示縮尺の下限] パラメーターを変更して、距離を短くします。
  • レイヤーに、アルファ透過表示を活用しないシンプルなアイコンなどのシンボルが含まれている場合、[部分的に透明なシンボルの最適化] オプションをオンにしてみてください。このオプションは、[レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスの [表示] タブにあります。
  • 250,000 を超える頂点を含む単一のフィーチャが存在する場合は、ジオプロセシング ツールを使用して、フィーチャをより小さなフィーチャに分割することを検討してください。たとえば、次のワークフローを実行します。
    1. [フィーチャの分割 (Dice)] ツールを使用し、指定した頂点の上限に基づいて、非常に大きなフィーチャを小さなフィーチャに分割します。ガイドラインとして、最初は頂点の上限を 1,000 に設定します。この手順を実行するだけでも描画が改善され、ワークフローに戻ることができます。
    2. さらにパフォーマンスを改善するには、分割したフィーチャの複雑さを減らすことを検討してください。これを実行するには、[カートグラフィック パーティションの作成 (Create Cartographic Partitions)] ツールを実行し、処理するデータをパーティション化します。ガイドラインとして、最初はフィーチャ数を 1,000 に設定します。次に、ツールの [カートグラフィック パーティション] 環境設定の前の手順で作成したパーティションを参照し、分割したフィーチャに対して [ラインの単純化 (Simplify Line)] ツールを実行します。
  • マーカー シンボルを含むレイヤーを使用しており、[実世界の単位で 3D フィーチャを表示] オプションが有効化されている場合は、[シンボル表示] ウィンドウで [ビルボード] オプションをオフにします。
  • マーカー シンボルを使用しているレイヤー上で [実世界の単位で 3D フィーチャを表示] がオフになっている場合、以下のプロパティの推奨事項に従ってください。これらによって、レイヤーの効率および描画性能が向上します。
    • シンボル レイヤーの X、Y、および Z 軸のオフセットをゼロに設定します。
    • 固定ポイントの値が絶対値ではなく相対値であることを確認します。
    • XY 回転角度をゼロに設定します。
    • ビルボードを有効にします。
    • 奥行きをゼロに設定します。
    • 陰影またはオーバーライドをピクチャ マーカーから削除します。
    • 縦方向を無効化します。

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