ジオプロセシング サービスの設定

ツールをジオプロセシング サービスとして公開するときに選択した設定により、クライアント アプリケーションによってどのように使われるかが決定します。 サービスで最も一般的、かつ頻繁に変更されるパラメーターは、公開時に設定できます。 それほど使われない設定は、ツールが公開された後に ArcGIS Server Manager で変更できます。 一部の高度な設定は、ArcGIS Server Administrator の Web ページでしか設定できません。 このような高度な設定を変更しなければならないジオプロセシング サービスはほとんどありません。

設定

[ジオプロセシング サービスの公開] 公開ウィザードの 3 つのパネル ([一般][構成][コンテンツ]) を使用し、公開時のジオプロセシング サービスの設定を管理したり、修正したりできます。

ヒント:

公開後は、公開されたサービスの設定の管理と変更については、ArcGIS Server Manager を使用します。

一般

パラメーター説明

名前

サーバーで公開されるジオプロセシング サービスの名前。 この名前はサーバー上で一意でなくてはならず、空白や特殊記号は使えません。 これはツールのメタデータから継承されます。

サマリー

ジオプロセシング サービスをドキュメント化し、検索可能にするサマリーとタグ。 この値はツールのメタデータから継承されます。 Web ツールを公開するために、この値を入力する必要があります。 最大 128 個のタグを入力できます。

タグ

データ

データがサーバーにコピーされるか (静的になる)、ジオプロセシング サービスで参照されるかを決定します。 [登録済みデータを参照] 設定を使用するには、データ ストアで一致するエントリをデータに設定する必要があります。

ロケーション

[フォルダー] - ジオプロセシング サービス アイテムが作成されるサーバー フォルダーを選択または作成します。 デフォルトはサーバーのルートです。

構成

パラメーター説明

アップロード

クライアントがサーバーにファイルをアップロードし、ジオプロセシング サービスがそれを入力として使用できるかどうかを設定します。 アップロード操作は主に Web クライアントが使用しますが、サーバーにファイルを送信して処理を実行する手段が必要となります。 アップロード処理では、アップロードが完了すると、ファイルの個別値が返されます。Web アプリケーションは、この個別値をジオプロセシング サービスに渡します。

このオプションは、デフォルトで無効に設定されています。 サービスへのアップロードを許可することにより、セキュリティ上のリスクが生じる可能性があります。 必要な場合にのみ有効にしてください。

実行モード: [同期] または [非同期]

同期と非同期は、クライアント (ジオプロセシング サービスを使用するアプリケーション) がどのようにジオプロセシング サービスとやり取りし、結果を取得するかを定義するものです。 ジオプロセシング サービスが同期に設定されている場合、クライアントはタスクが終了するまで待ちます。 通常、同期サービスは短時間で実行されます (数秒以内)。 非同期サービスは一般的に実行時間が長いため、クライアントはサーバーに対してサービスが終了したかどうかを定期的に問い合わせて、終了したら結果を得る必要があります。 非同期サービスを使用する Web アプリケーションには、ステータスを検査して実行終了後に結果を処理するロジックを実装する必要があります。 ArcGIS Desktop クライアントは、どちらの実行タイプもネイティブに処理します。

マップ イメージ レイヤーの出力を表示

ジオプロセシング サービスを公開するときに、出力をマップ イメージとして表示するよう選択できます。 サーバー上でマップ イメージが作成され、クライアントに画像 (スタイル情報を含んだ *.tiff ファイル) として返送されます。 返されるマップ イメージのシンボル、ラベル設定、透過表示および他のすべてのプロパティは、ArcGIS Pro セッションの出力レイヤーが公開された当初のものと同じです。 [マップ イメージ レイヤーの出力を表示] を使用する理由は以下のとおりです。

  • クライアントがシンボル化して描画しなければならない大量のフィーチャをツールが出力する場合に、クライアントはマップ イメージを高速かつ容易に受信できます。
  • データ分布の観点から、クライアントにはフィーチャを送信せず、マップ イメージだけを送信します。
  • ツールの結果は、ネットワークやトポロジなどの非可搬性データセットです。 クライアントに出力を送信する唯一の方法は、マップ イメージです。
注意:

出力マップ イメージは、ジオプロセシング サービスを [非同期] に設定した場合のみ使用できます。

メッセージ レベル

ジオプロセシング サービスを実行したクライアントに、次のようにさまざまなレベルのメッセージを返すことができます。

  • なし: クライアントにジオプロセシング メッセージは返されません。実行が成功したか失敗したかということのみ返されます。 これがデフォルトです。
  • [エラー]: エラーを表示するツール メッセージのみがクライアントに返されます。
  • [警告]: ツールのエラー メッセージと警告メッセージがすべてクライアントに返されます。
  • [情報]: 実行により出力されたツール メッセージがすべてクライアントに返されます。
注意:

レベルに関係なく、すべてのメッセージにはデータセットのパスと名前が含まれる可能性があり、これによってセキュリティ上のリスクが生じる可能性があります。 [情報] レベルは冗長であり、一般に、データセットのパスと名前への参照が含まれています。 通常、開発中はメッセージを返して、稼働中はこれをオフにしておくようにします。

返されるレコードの最大数

サーバーがクライアントに返すことのできる結果の最大数です。 この値を大きな数字に設定すると、GIS サーバーで数多くの個別レコードまたはフィーチャをクライアントに返す処理をすることができます。 フィーチャをまったく返さないようにするには、この値を 0 に設定します。 通常、この値を 0 に設定するのは、[マップ イメージ レイヤーの出力を表示] を有効にした場合のみです。

前述した設定は、ジオプロセシング サービスの公開後に ArcGIS Server Manager でも変更できます。

コンテンツ

次の設定は、ジオプロセシング サービスの公開時にしか変更できません。

ツールの追加

ジオプロセシング履歴から既存のジオプロセシング サービスに他のツールを追加するには、[コンテンツ] タブの [ツールの追加] ツールの追加 ボタンをクリックします。 ツールを削除するには、ツール名をクリックし、[削除] を選択します。

ツールのプロパティの構成

ツール名の右側にある編集ボタンをクリックすると、ツールのプロパティを変更することができます。

パラメーター説明

名前

ツールの名前。 名前は、ツールのメタデータ ラベルから継承します。

説明

ツールの説明。 説明はツールのメタデータから継承しません。 空の場合は、説明を指定すると、履歴から共有されるたびに保持されます。

次のプロパティは、各パラメーターに対して変更できます。

パラメーター説明

名前

パラメーターの名前と説明。 どちらもパラメーター名と、ツールのメタデータの説明から継承します。 ここで変更することもできますが、元のツールのメタデータには影響しません。

説明

解析タイプ

パラメーター タイプは、クライアントがツールを正常に実行するために値を指定する必要があるかどうかを定義します。 [コンテンツ] タブでは、オプション パラメーターを必須パラメーターに変更することしかできません。 必須パラメーターをオプション パラメーターに変更するには、共有ウィンドウを終了し、ツールのプロパティを編集してからツールを再実行して、新しい結果を作成する必要があります。

入力モード

クライアントがフィーチャをタスクに入力する方法は、入力モードによって決定されます。

  • ユーザー定義値 - クライアントがパラメーターの値を指定します。
  • 選択リスト - クライアントは文字列 (選択リスト) のリストが表示されたら、選択リストから 1 つ以上の文字列を選択する必要があります。 入力のデータ タイプに応じて文字列が決定されます。この文字列はレイヤーの名前や、単純なキーワード オプションなどです。
  • 定数 - 結果を作成したときにパラメーターに指定した値が、ツールで使用されます。 その値は定数であり、クライアントは変更できないため、サービス公開時のタスク パラメーターにはなりません。

[ジオメトリ タイプ] (フィーチャ セットとフィーチャ レイヤーにのみ適用されます)

ジオメトリ タイプは、結果の作成に使用された入力フィーチャと出力フィーチャから派生します。 [コンテンツ] タブで変更することはできません。 指定されたジオメトリ タイプのフィーチャを使用してツールを再実行したら、作成された結果を共有する必要があります。

[スキーマ] (フィーチャ セット、フィーチャ レイヤー、レコード セット、テーブル ビューに適用されます)

スキーマは、クライアントがツールへの入力用のフィーチャを作成する際に指定する必要のあるフィールド (属性) のリストです。 このフィールドのリストは、結果を作成したツールへの入力または出力として使用されるレイヤーまたはデータセットと同じです。

デフォルト値

ツールのデフォルト値は、ツールの実行中に指定されるパラメーター値によって決定されます。 パラメーターのデフォルト値を追加または変更するには、対応するパラメーターでツールを再度実行する必要があります。

次のパラメーターは、フィーチャ データ タイプの出力にのみ適用されます。

パラメーター説明

フィーチャ サービス出力

Web ツールを使用するときに、ユーザーが出力をフィーチャ サービスとして保存することを可能にする、任意の出力パラメーターです。 このパラメーターは、Web ツールとして公開するときのみサポートされています。 スタンドアロン サーバーへのジオプロセシング サービスの公開はサポートされていません。

Web Manager の設定

以下のサブセクションの設定は、ArcGIS Server Web Manager でしか変更できません。 前述した構成設定は、サービスの公開後に Web Manager でも変更できます。

注意:

設定を変更すると、サービスが再起動されます。

パラメーター

パラメーター説明

クラスター

サービスが実行されるクラスターです。 この設定は、ArcGIS Server がクラスターに参加している場合にのみ変更できます。

ディレクトリ

ツールの実行時に、サーバーがファイルを書き込むために使用するディレクトリです。

ケーパビリティ

パラメーター説明

WPS

ジオプロセシング サービスで WPS ケーパビリティを有効にすると、他のクライアントが OGC 標準プロトコルを通じてツールに接続してそれを使用することができます。

WPS の詳細

プールの設定

パラメーター説明

インスタンスの数

サービスの最小インスタンス数と最大インスタンス数。 デフォルト値は、最小値が 1、最大値が 2 です。 最小値を 0 に設定するとシステムのリソースが減少します。インスタンスは、クライアントからリクエストを受けると開始します。

クライアントがサービスを使用できる最大時間

インスタンスを使用できる秒単位の最大時間です。 実行時間の長いジオプロセシング タスクでは、場合によっては、デフォルトの 600 秒 (10 分) を長くする必要があります。 また、クライアントがインスタンスを濫用しないように、このタイムアウト時間を短くする必要がある場合もあります。

クライアントがインスタンス取得を待つ最大時間

クライアントがインスタンスへの接続を待つ秒単位の最大時間です。 すべてのインスタンスがリクエストの処理に使用されている場合、以降のリクエストはキューに配置されます。 インスタンスを取得する前にタイムアウトが経過すると、タスクは失敗します。 デフォルト値は 60 秒 (1 分) です。

使用されていないインスタンスが実行を継続できる最大時間

プールが縮小するまでインスタンスがアクティブであり続ける秒単位の最大時間です。 使用されていないインスタンスが実行を継続できる最大時間が経過すると、インスタンスの最小数より多い、使用されなかったインスタンスは停止します。

プロセス

パラメーター説明

リサイクル

サービスをリサイクルする頻度とタイミングを決定します。 デフォルトでは 24 時間ごと、真夜中に開始します。

ジオプロセシング サービスは、低分離性でも高分離性でも実行できる他のサービス タイプとは異なり、高分離性でのみ実行されます。

関連トピック


このトピックの内容
  1. 設定
  2. Web Manager の設定