[ネットワークのディゾルブ (Dissolve Network)] は、[入力ネットワーク データセット] よりも少ないライン フィーチャを使用して [出力ジオデータベース ワークスペース] にネットワーク データセットを作成します。
ライン フィーチャが少ないネットワーク データセットは、より効率的に移動できるため、ネットワーク解析がより迅速に行われます。解析の結果に含まれるネットワーク エレメントも少ないため、ルート ジオメトリとルート案内の生成もより迅速に行われます。
ライン フィーチャは、相互に論理的に接続され、本質的に同一である (道路名が同じである、同じ階層に含まれている、規制が同じであるなど) 複数のライン フィーチャをマージすることによって、減らすことができます。
例
この例の道路データの収集方法では、ライン フィーチャがその交点で分割されていない場合、相互に通過することが許されていません。これにより、多数の道路が不必要に分断されています。下のマップは、道路と、線路や行政区域などの道路とともに収集されたその他のデータを示しています。
生の道路フィーチャクラスのデータを視覚化し、ライン フィーチャの端点を三角形でレンダリングすると、特に道路が線路と交差する領域において、道路フィーチャに多くの分断があるのが確認できます。
このデータが [ネットワークのディゾルブ (Dissolve Network)] ツールで処理されると、結果として得られるデータでは道路フィーチャが少なくなります (元のデータでは 824 であるのに対し、150 まで減ります)。下のマップでは、三角形が少なくなっているのが確認できます。
これは、隣接するフィーチャの属性が同じである場合にライン フィーチャをマージすることで達成されています。道路の交差点にラインの端点を配置する必要がなくなっています。オーバーライド接続ポイント (ここでは円で表示) は、道路が物理的に交差している場所に作成され、接続が存在しない場所には作成されていません。端点で交わる道路は、接続されたままです。
ネットワークのディゾルブ (Dissolve Network) のプロセス
ここでは、[ネットワークのディゾルブ (Dissolve Network)] が処理する操作について説明します。
- ネットワークの接続性グラフをスクラッチ ワークスペースに作成します。
- 共通のフィールド値を持つライン フィーチャの接続性グラフを検証し、論理的にチェーンで連結します。
- 論理チェーンの出力として、マージされたライン フィーチャを作成します。
- マージされたライン フィーチャのミッドスパンで接続性が発生する場所を示すオーバーライド接続ポイントのフィーチャクラスを作成します。
- 元のネットワーク データセットと同じターン、ネットワーク属性、およびルート案内設定を持つネットワーク データセットを作成しますが、マージされたライン フィーチャとポイント フィーチャを使用してネットワーク エレメントの数を減らします。
- 作成されたマージ済みライン フィーチャと、生成元のライン フィーチャを表示するログ テーブルを作成します。
- ディゾルブされるネットワーク データセットに 10.1 の機能が含まれていない場合は、10.0 のネットワーク データセットが作成されます。