arcpy.mp とは
Arcpy.mp は、ArcPy サイト パッケージの一部である Python サブ モジュールです。 これは、ArcGIS Pro とともにインストールされ、すべてのライセンスで利用可能です。 このモジュールは、主に既存のプロジェクト (*.aprx) とレイヤー ファイル (*.lyr または *.lyrx) のコンテンツを操作するように設計されています。 このモジュールには、エクスポートと印刷を自動化する関数も用意されています。 Arcpy.mp を使用すると、地図製作を自動化することができます。また、このモジュールは、PDF ドキュメントへのエクスポートや、PDF ドキュメントの作成および管理を実行する関数が組み込まれているため、完全なマップ ブックの作成には必須です。
Arcpy.mp の機能を簡単に理解できるように、これが役立つシナリオをいくつか説明します。 arcpy.mp Python スクリプトはさまざまなシナリオに対応できますが、その主なものを次に示します。
- レイヤーとそのデータ ソース、データ ソースが壊れているレイヤー、表示されているデータの範囲、レイアウト エレメント プロパティなど、プロジェクトに含まれている情報に関するレポートを作成します。
- マップまたはレイヤー ファイル内のレイヤー データ ソースを更新、修正、置換します。
- プロジェクト内のすべてのレイアウトでテキスト文字列を検索および置換します。
- 組織サイトでの、オンラインでホストされるプロジェクト アイテムの共有を自動化します。
- マップ内のフィーチャのリストで制御される一連の GeoTIFF 画像など、マップのエクスポート コマンドを使用して地理データを一括で作成します。
- さまざまな PDF マップ ブックを構築します。たとえば、タイトル ページ、複数のマップ ページ、および表形式レポートや連絡先リストなどの補足コンテンツを提供する任意の数の追加ページを含んでいる参照マップ ブックまたは主題マップ ブックを作成します。
arcpy.mp の対象ユーザー 構築された理由
Arcpy.mp は、専門的な GIS アナリストと開発者向けに構築されました。 これまで、上記のシナリオは ArcObjects を使用して行う必要がありました。これは多くの場合、平均的な GIS 専門家にとって習得が非常に困難なプログラミング環境でした。 Arcpy.mp は汎用的なオブジェクト モデルです。つまり、1 つの arcpy.mp 関数で多くの ArcObjects コードの行を置き換えることができるように関数が設計されています。 arcpy.mp を使用して、3 行のコードだけでプロジェクト内の既存のレイアウトを参照して、PDF ドキュメントにエクスポートできる非常に簡単な例を以下に示します。
import arcpy
aprx = arcpy.mp.ArcGISProject(r"C:\Projects\YosemiteNP\Yosemite.aprx")
lyt = aprx.listLayouts("Main Attractions*")[0]
lyt.exportToPDF(r"C:\Project\YosemiteNP\Output\Yosemite.pdf", resolution = 300)最初の行では、arcpy モジュールを読み込みます。これは、ArcGIS Pro の外部で実行されるすべてのスクリプトに必要です。 2 行目では、ディスク上の ArcGIS Pro プロジェクトを参照します。 3 行目では、(ゼロベースのインデックスを使用して) 名前が「Main Attractions」という語句から始まる最初のレイアウトを検索します。 コードの最後の行では、レイアウトを出力解像度 300 で PDF にエクスポートします。
基本操作を習得する最良の方法
- 「arcpy.mp の基本操作チュートリアル」をお試しください。
- 「arcpy.mp のガイドライン」をご参照ください。
- 以前のバージョンのソフトウェアで arcpy.mapping を使用していて、現在は ArcGIS Pro を使用している場合は、「arcpy.mapping から ArcGIS Pro への移行」をご参照ください。
- 利用可能な機能の概要については、「arcp.mp 関数のアルファベット順のリスト」および「arcpy.mp クラスのアルファベット順のリスト」をご参照ください。 これらは、arcpy.mp でスクリプトを作成するときに使用できるように印刷しておくと便利です。
- すべての arcpy.mp 関数とクラスのヘルプ トピックには、詳細な説明とサンプル コードのスニペットがあります。これをコピーして、[Python] ウィンドウに直接貼り付けることができます。